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JAL、2年連続受賞のSKYTRAX 5スター授与式開催。東京2020大会に向けた訪日客対応も紹介

2020年1月21日 実施

JALは2連続で獲得したSKYTRAX 5スターの受賞式を実施した

 JAL(日本航空)は、2019年10月に英国の航空格付け会社「SKYTRAX」による「ワールド・エアライン・スター・レイティング」で2年連続の「5スターエアライン」に認定されているが、1月21日にSKYTRAXのCEOが来日し、その受賞式を実施した。併せてパネルディスカッション形式のワークショップが開かれ、グループ社員約100名が集まった。

 JALは、“新・間隔エコノミー”で知られる広いシートピッチのエコノミークラスを導入して以降、「ベスト・エコノミークラス・エアラインシート(Best Economy Class Airline Seats)」を連続して受賞しているほか、2019年7月にはエコノミークラスの総合的なサービスを評価する「ワールド・ベスト・エコノミークラス(World's Best Economy Class)」を受賞。

「ワールド・エアライン・スター・レイティング」では2018年に続き、2019年も5スターを獲得。座席や清潔な機内など商品の品質の高さ、旅客と接する現場スタッフのおもてなしやプロフェッショナルさが高く評価された。

SKYTRAX CEO エドワード・プレイステッド(Edward Plaisted)氏(左)から、日本航空株式会社 執行役員 路線統括本部商品・サービス企画本部長 佐藤靖之氏(右)で5スターの楯を授与
SKYTRAX CEO エドワード・プレイステッド(Edward Plaisted)氏

 来日したSKYTRAX CEOのエドワード・プレイステッド(Edward Plaisted)氏は、「フライトだけでなく、空港環境で提供するスタッフのサービスの質が特に高く評価されている。それは非常に重要な要素だ」とコメントし、スタッフのサービス品質を評価。

 また、「JALは競争力のあるプロダクトがあり、特にビジネスクラス、エコノミークラスは高い評価を受けている。エコノミークラスは収益性が高くないが、旅客の大半が体験する場所であり、航空会社の評判を構築する傾向がある」とコメント。地上においても「空港ラウンジの改善が続いている」と評価している。

 5スターについては「JALは安定したサービスをしており、私たちは非常に重要だと考えている。監査を実施する“昨日”の基準で授与しているが、今日提供するサービスも、明日提供するサービスも、半年後に提供するサービスも安定している。これこそがJALが5スターであることを保証するものだ」と話し、「来年もJALが5スターとなることを望みたい」と期待した。

日本航空株式会社 執行役員 路線統括本部商品・サービス企画本部長 佐藤靖之氏

 JALからは、路線統括本部商品・サービス企画本部長の佐藤靖之氏が臨席し、プレイステッド氏から楯を受け取り、「光栄なこと」と喜びを表明。

 一方で、「顧客は多様化している。顧客の多くのニーズに応えるには、みんなが多くの努力をする必要がある。2018年に5つ星を初めて獲得し、今回連続して受賞した。それを続けるには、改善を続けなければならない」と会場のグループ社員に呼びかけた。

 そして2020年の東京オリンピック・パラリンピックで多くの旅客が日本を訪れることに対して、「これは大きなチャンス。日本の文化やおもてなしの紹介を通じて、我々が向上することができる」「旅には人々を幸福で豊かにするという大きな力がある。航空会社が多くの顧客を幸せにすることができる、そんな価値をお客さまに提供する」と、世界最高の航空会社になることに向けて、サービス改善を進めることをアピールした。

昨年、2018年のSKYTRAX 5スターの楯
SKYTRAX 5スターが刻まれた大きな折り鶴
出席者には3月29日就航の成田~ベンガルール(バンガロール)線で提供するチャイティーが振る舞われた

「一番最初に出会う日本が飛行機」。オリンピック・パラリンピックに向けた対応

 東京オリンピック・パラリンピックを控え、これまで以上に多くの外国人旅客を迎えることになる夏に向けて、どのような対応をしていくかを考えるワークショップも、SKYTRAX 5スター受賞式に併せて行なわれた。

 ワークショップではまず2019年の旅客トレンドなどが示され、顧客満足度が右肩上がりであることや、旅客からのコメントのポジティブ、ネガティブのそれぞれのポイントの紹介があった。また、旅客の国籍が2012年ごろを境にして増加傾向が見られることや、海外支店でのプロモーション施策の紹介などが行なわれた。

 そして、2019年のラグビーワールドカップ時には、乗客のほとんど外国人という便があったことなども紹介。オリンピック・パラリンピックでは、さらに多くの人数、多様な国籍の旅客が訪れるという予測が示された。

ワークショップの様子

 そうした背景のなか、地上スタッフ、CA(客室乗務員)、海外支店の販売スタッフの3名が登壇し、パネルディスカッションを行なった。

 内容は「各自の職場で海外のお客さまが増えていることを実感しますか?」「海外のお客さまに接客するときに、意識・工夫していること」「2020年を迎えるにあたって、海外のお客さまにJALをどのようにアピールしたいか」といった点を3名が紹介。

株式会社JALスカイ九州 大分空港所 平山希氏

 地上スタッフであるJALスカイ九州 大分空港所の平山希氏は、九州ではラグビーワールドカップで試合が多く開催され、多くの外国人が訪問した際のエピソードとして、通常カウンターだけでなく空港ビルと連携して国際線ターミナルを臨時に利用したことや、語学が堪能なスタッフを本社や他空港から派遣してもらったこと、自治体や交通事業者、ほかの航空会社と情報共有して対応にあたったことなどを紹介。

 外国人旅客の対応にあたっては「こちらから声をかける」「機内持ち込み品を写真で提示するなどサービスの見える化」などが必要と感じたという。また、同時期に運休してしまった海外航空会社の航空券を持っていた人が多かった事例も挙げ、「まさかのときのJALになろう」と現場で知恵を絞り、結果としてJAL便を利用して帰国してもらうといった例も挙げた。

 2020年夏に向けては「各空港ごとに均一したサービスを提供するのはもちろんだが、各地方に行かれるお客さまにも、狭い日本ではあるがいろいろな特色がある国と知っていただくという役目を、玄関口である空港として果たしていきたい」と話した。

日本航空株式会社 客室品質企画部 本田佳奈子氏

 CAであるJAL 客室品質企画部の本田佳奈子氏は、ファーストクラスやビジネスクラスで半分以上の座席が外国人という状況が珍しくないと感じるほど、外国人旅客の利用者が増えていると実感。機内食が洋食に偏ってしまうなどの課題があったという。

 また、「日本人のお客さまからは控えめなサービスにお褒めの言葉をいただくことが多いが、外国人のお客さまには気持ちを伝えないといけない。まずお声がけし、返答に対して提案、そして満足度の確認をする、という3ステップを意識している。そうすることで自然なコミュニケーションも生まれる」と対応を変化させているという。

 加えて「大きな存在」としたのが、海外基地CAの存在で、「日本人のお客さまが多かったころは、日本人CAと同じサービスをするという考え方だったと思うが、今は日本のよさやサービスを、母国のお客さまに母国語や英語で伝えるといった役割の方が大きくなっていると思う」と説明。そうした状況に対し、「海外基地CAは1便あたり2名ほどでどうしてもマイノリティになってしまうが、個性を発揮してもらい、全体でよいサービスをしましょうという空気を作るように心がけている」という。

 2020年夏に向けても、「日韓共催のサッカーワールドカップの際、国内線のジャンボ(ボーイング 747型機)機内のほとんどに南米のお客さまが乗っていて圧倒された思い出がある。きっとこの夏はあれ以上の世界が待っていると思うと、わくわくもするし、その雰囲気でいつもの私たちの力を出せるのだろうかとも思う。これまで培ったものをしっかり発揮できるように、国際線のときには海外基地乗務員と協力して、国籍、セクションを超えてワンチームで頑張りたい」と意気込みを話した。

日本航空株式会社 グローバル販売部 販売推進室 邵東氏

 海外支店の販売スタッフであるJAL グローバル販売部 販売推進室の邵東氏は、「2002年に中国の大連で入社した当時は8割が日本人、2割が中国人。この数年間で逆転して、中国人ぐらいは4倍ぐらい増えている。ここ数年、JALが浸透し、多くの方がJALのことを知ってご利用いただいている」との現状を紹介。

 そうした中国人顧客に対して、「定時性を含めて、JALのサービスをアピールして、他社との違いをご理解いただくように努める。中国のニーズに合わせて、告知方法、購入フローやチャネル施策を心がけている」と説明。2020年夏に向けては、「中国で人気のアプリと連携して、日本に行くことを検討しているお客さまにJALが選択肢にあがるような告知をしたい」とした。

日本航空株式会社 執行役員 客室本部長 安部映里氏

 このパネルディスカッションを受けてあいさつに立ったJAL 執行役員 客室本部長の安部映里氏は、CAが所属する客室本部の取り組みとして、先に本田氏が挙げた海外基地CAの存在についてコメント。「CAは日本人が5000人、海外基地CAが1100人いる。基地が5つあり、この春からマニラ基地ができて6基地のCAが乗務する。私たちはその海外基地CAが活躍できる機内作り、職場作りをしている」と説明。海外基地のトップに海外基地出身CAが就任している例も紹介した。

 そして、外国人旅客を多く迎えることに対しては、「文化の違いもあるので、お客さまも多種多様になる。それを迎える私たちも多様性を大切にしている。海外基地CAだけでなく、お母さんや男性の乗務員も増えているし、シニアクラスの乗務員もいる。いろいろな乗務員がそれぞれの経験、考え方、文化を背景にして発揮できるようにしている」との取り組みを紹介した。

 さらに、SKYTRAX 5スターについても言及し、「2年連続で受賞したことをうれしく思うが、そこには、これからという先があると思っている。海外のお客さまはJALをまったく知らず、5スターをとっている航空会社なんだ、という印象で選んでくださる。監査フライトでよいサービスをして5スター、ではなく、どのフライトでも5スターにふさわしいサービスをする義務がある。人間だけではなく、機内清掃や機内食、予約などの電話、Webなどすべてに対して期待されている、必ずどのフライトでも応えていく努力をしていかなくてはいけない」と呼びかけ、「海外から初めて来る人がたくさんいるだろうと言われているが、一番最初に出会う日本が飛行機。JALとしてのよいサービスだけではなく、日本を背負っているという思いで、みんなでJALのサービス、提供する価値を作り上げていければと思っている」と話した。