ニュース

沖縄観光業界が「新春の集い」。「首里城復興に向けて本格始動」とOCVB下地会長

2020年1月6日 実施

沖縄の観光業界関係者が一堂に会する「沖縄観光新春の集い」が行なわれた

 沖縄の観光業界関係者が一堂に会する「沖縄観光新春の集い」が、1月6日に那覇市内のホテルで行なわれた。主催はOCVB(沖縄観光コンベンションビューロー)。関係団体、企業、市町村のほか、沖縄選出国会議員や県議会議員、沖縄経済団体会議、メディアなど約800名が集まった。

 会の幕開けには、沖縄県立芸術大学OB会が琉球舞踊を披露。舞踊者、楽団が琉球王朝時代を彷彿とさせる衣装に身を包み、冒頭には新春の口上がウチナーグチ(琉球語)が述べられ、伝統的な琉球舞踊を披露した。

会場となった那覇市にあるパシフィックホテルの宴会場には、多くの関係者や招待者が集まった
沖縄県立芸術大学OB会による、いにしえの琉球王国時代を彷彿させる宴の幕開けは口上で始まった
祝いの席で舞われる「かぎやで風」などを披露した

 主催者あいさつでは、OCVB会長の下地芳郎氏が登壇。「すでに沖縄観光は1000万人時代に入っている。今年(2020年)は10月にツーリズムEXPOジャパンが沖縄で開催、世界中から観光の主要なメンバーが沖縄に集合する。この機会に沖縄の観光の力を世界に発信したい。

 また今年は、首里城復興に向けて本格的に始動する年。観光関係者はもとより県民一人一人、また国内外の支援も受けながら1日も早い復興を目指したい。沖縄観光は、観光業界だけでなく幅広い業界が相互連携していかないといけないことを痛切に感じている。農業、製造業など、観光客一人一人に対応する皆さまあっての観光であることを改めて肝に銘じて取り組んでいきたい。

 観光の力は、経済効果だけでなく人々の交流を通じた平和、県民生活の向上と地域の活性化に結び付く。今後は、SDGsの実現やICTの対応など環境の変化に応じた強い沖縄観光を県民の皆さまと作っていきたい」と述べた。

一般財団法人沖縄観光コンベンションビューロー 会長 下地芳郎氏による主催者あいさつ

 来賓を代表して、沖縄県知事の玉城デニー氏があいさつ。「昨年(2019年)は3月の下地島空港の開港や、那覇空港の連結ターミナルの共用開始などにより、航空路線の新規就航や拡充が図られた。5月には琉球料理と泡盛、芸能が日本遺産に認定された。11月には第23回島しょ観光政策フォーラムが開催された。

 沖縄県としては、自然保護に配慮し、観光事業者や地域の皆さまと連携して観光振興を図るとともに、沖縄の誇りとうとぅいむち(おもてなし)の心を次世代に継承し、今年目指す奄美・沖縄の世界自然遺産登録に向けて地域の活性化や観光振興により一層取り組んでいく。

 今年はいよいよ東京オリンピック・パラリンピックが開催される。空手が正式種目に採用され、沖縄県では空手発祥の地をPRし、空手振興のうねりを世界に発信したい。

 3月には那覇空港第2滑走路が供用開始。10月にはツーリズムEXPOジャパンの沖縄開催に加え、琉球王国のグスクおよび関連遺産群の世界文化遺産登録20周年を記念した第7回世界遺産サミット開催が予定されるなど、沖縄観光にとって大きな年である」と述べた。

沖縄県知事 玉城デニー氏

 続いて、ミス沖縄の3名が登壇。昨年までは新春の集いが新ミス沖縄のお披露目の場となっていたが、次年度より任期が4月1日開始に変更になったため、現任のミス沖縄が新年のあいさつを担当した。

 最後に、主賓来賓らによる鏡開きを行なった。乾杯の音頭は那覇市長の城間幹子氏が執った。城間氏は乾杯に際し、「観光という文字は、『光を観る』ことだと理解している。沖縄にとっての光である、形のあるものないものすべてを大事にしたい。そして自らが放つ光だけでなく、観光客の皆さまに向けて発する光もある。そういうすべての光を大事にしたい」と述べた。

ミス沖縄の3名。左からスカイブルーの玉城真由佳さん、コバルトブルーのスピーナ瑛利香さん、クリーングリーングレイシャスの譜久里美樹さん
主催者、主賓、来賓ら総勢12名による鏡開き
会場一斉の掛け声で鏡が開かれた
乾杯の音頭を執る城間幹子那覇市長(右)と、玉城知事(左)
杯を掲げ、新年の始まりを祝う