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世界遺産登録に向けてJTA/RACが特別デザイン機公開。地元小学生の作品描く

2019年8月31日 公開

世界遺産登録に向けてJTAとRACの航空機、日本郵便のトラックなどにラッピングを施した

 沖縄県は、鹿児島県とともに「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の世界自然遺産登録を目指しており、対象地域のやんばる(沖縄島北部)と西表島の子供たちによる図画コンクールを実施して、その最優秀賞作品を公共交通機関などにラッピングする「世界自然遺産号プロジェクト」を行なっている。

 8月31日には、最優秀作品の表彰式と作品がラッピングされたJTA(日本トランスオーシャン航空)とRAC(琉球エアーコミューター)の航空機、日本郵便のトラックとバイクのお披露目式がJTAメンテナンスセンターにて開催された。

 式典のオープニングには琉球國祭り太鼓による勇壮な演舞が披露された。

式典の様子
オープニングを飾る琉球國祭り太鼓の演舞

 県知事からの開会あいさつでは、「今回の図画コンクールでは、多くの皆さんから豊かな自然に対する思いの詰まった作品が寄せられた。この作品がラッピングされた飛行機やトラックを、県内外で多くの人々が目にするだろう。2020年の世界遺産登録に向けて機運が高まれば幸いだ」と語られた。

沖縄県 副知事の富川盛武氏による県知事あいさつ代読

 世界自然遺産推進共同企業体の発起人であるJTA 社長執行役員の青木紀将氏は、「5月に、志を同じくする皆さまと世界自然遺産推進共同企業体を発足した。この企業体には3つの理念がある。1つは、この活動を地域の皆さまと一緒に進めていくこと。2つ目はこの活動を通して社会的な価値を高めること。3つ目は沖縄の自然を普遍的なものとして次の世代に渡すこと。

 秋には国際自然保護連合(IUCN)の現地視察もあると聞いている。産官学および県・県民が一体となり取り組んでいるところを見せたい」とあいさつした。

日本トランスオーシャン航空株式会社 社長執行役員 青木紀将氏

 同じく企業体の発起人である日本郵便 沖縄支社長の比嘉明男氏は、「日本郵便では、県内を走る大型トラックおよびバイクにラッピングをし、沖縄全域を毎日運行して機運を盛り上げていく。

 世界遺産登録はゴールではなく、登録後の保全が大事。地域の宝、世界の宝を後世に残すことが使命であり、今後も関係各所や県民の皆さまと協力して取り組んでいきたい」と述べた。

日本郵便株式会社 沖縄支社長 比嘉明男氏

 続いて図画コンクールの表彰式が行なわれた。最優秀賞を受賞したのは、国頭村立奥間小学校の知念さんと竹富町立上原小学校の池村さん。富川副知事より賞状が贈られ、作品とともに記念撮影を実施した。

知念さんの作品は、ヤンバルクイナを中心に子供たちが手をつないで囲んでいる様子を描いている
池村さんの作品は、イリオモテヤマネコを中心に鮮やかな花々や希少動物たちを描いている
作品とともに記念撮影

 続いて受賞作品がラッピングされた「世界自然遺産号」特別デザイン機の除幕式へと移った。幕を下ろすと、JTAの機体に池村さんの作品、日本郵便のトラックに知念さんの作品を描いた姿が現われた。なお、写真で見えない反対側もラッピングしており、どちらも左側面は池村さん、右側面は知念さんの作品になっている。また、日本郵便のバイクの荷台には、知念さんの作品を元にしたステッカーが貼られている。

除幕のボタンに手をかける登壇者たち
幕が下がる
お披露目されたJTAの「世界自然遺産号」特別デザイン機。ラッピングはかなり大きく遠くからでも目立つ
日本郵政のトラック。荷台いっぱいにラッピングが施されている
バイクの荷台にはステッカーが貼られている
JTA機の反対側(機体右側)。知念さんの作品がラッピングされている

 メンテナンスセンターの外にはRACの機体が待機。前方入口の横に、知念さんの作品を元にしたラッピングが施されていた。

RACの機体には、コクピットの窓と前方入り口の間にラッピングが施されている

「世界自然遺産号」は機内のヘッドレストや機内サービス用の紙コップも世界自然遺産仕様。ヤンバルクイナとイリオモテヤマネコが描かれた紙コップや、写真があしらわれたポストカードが用意されており、ヘッドレストにはヤンバルクイナとイリオモテヤマネコほか、希少動物のイラストが描かれている。

紙コップやポストカードにもヤンバルクイナやイリオモテヤマネコが
ヘッドレストも世界自然遺産仕様

「世界自然遺産号」特別デザイン機は、JTAがボーイング 737-800型機(登録記号:JA11RK)、RACがボンバルディア DHC-8-Q400CC型機(登録記号:JA83RC)となっている。運航期間は8月31日から2020年2月までを予定している。