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サンフランシスコ観光協会、続々オープンするホテルや施設などを紹介。2022年に新空港ターミナル開業

2019年4月25日 開催

サンフランシスコ観光協会 プレジデント&CEOのジョー・ダレッサンドロ氏

 サンフランシスコ観光協会のプレジデント&CEOのジョー・ダレッサンドロ氏が来日し、報道関係者向けにラウンドテーブルを実施し、サンフランシスコの最新動向を説明した。

 同氏によれば、2018年に米国外からサンフランシスコを訪れた観光客の数は約290万人で、このうち13万5000人が日本からの観光客だった。爆発的に伸びているのは中国やインドからの観光客だが、日本もトップ10に入り、ゆっくりだが堅調に増えており、依然として重要なマーケットになっているという。

サンフランシスコの最新動向

2022年にオープンする「ハーヴェイ・ミルク・ターミナル」

 直近の動きとしては、玄関口となるサンフランシスコ国際空港の「ハーヴェイ・ミルク・ターミナル」が2022年にオープンする。空港名のハーヴェイ・ミルクは、同性愛者の人権保護を訴えた政治家の名前で、当時の活動を紹介する写真なども掲示される。

 また、同空港内には「マニュファクトリーフードホール」がオープン。サンフランシスコの有名な4店舗が入る。国際ターミナルにはアウトドアテラスもオープン。2019年7月には空港併設の「グランドハイアットSFO」(350室)もオープンする予定だ。

マニュファクトリーフードホール
アウトドアテラス
グランドハイアットSFO

 市内では、ソーマ地区にヴァージングループが運営する「ヴァージンホテル」(192室)、ミッドマーケット地区にヨーロッパ風のカプセルホテル「YOTEL」(203室)が2019年2月にオープン。

 さらに、2019年9月にはユニオンスクエア地区に「AC HOTEL BY MARRIOTT」(77室)、2020年にはミッションベイ地区に「マリオットミッションベイ」(250室)、2020~2021年以降にはソーマ地区に「ウォルドーフアストリア」(171室)、2021年にはソーマ地区に「ランガムプレイス」(200室以上)がオープンする予定となっている。

ヴァージンホテル
YOTEL
AC HOTEL BY MARRIOTT
マリオットミッションベイ
ウォルドーフアストリア
ランガムプレイス

 都市開発面では、2019年後半にミッションベイ~チャイナタウン間の地下鉄「セントラルサブウェイ」が開業するほか、2019年秋に11の公共交通機関が乗り入れ、ハブ機能を果たす「セールスフォーストランジットタワー」もオープンする。

セントラルサブウェイ
セールスフォーストランジットタワー

 施設では、2019年1月には5年間の改装工事を終えた会議場「モスコーン」がオープンし、会議だけでなくパブリックアートも楽しめる。2019年秋にはNBAのゴールデン・ステート・ウォリアーズの新ホームスタジアムとなる「チェイスセンター」がオープン。なお、MLBのサンフランシスコ・ジャイアンツのホームスタジアム「AT&Tパーク」は「オラクルパーク」に改名されている。

モスコーン
チェイスセンター
オラクルパーク

 イベントでは、5月にサンフランシスコ現代美術館(SFMOMA)で「アンディ・ウォーホル展」が開催され、300点以上の作品を鑑賞できる。5月4日~5日にはサンフランシスコベイで「セーリンググランプリ」が開催される。2020年5月にはTPCハーディングパークで「全米プロゴルフ選手権」も行なわれる。また、2020年に150周年を迎えるゴールデンゲートパークでは、さまざまなイベントが予定されている。

こだわりのホテルや快適な空港

 ラウンドテーブルには、現地パートナーも同席。

 現地ホテルからは、オムニ・サンフランシスコ総支配人のジェームス・リン氏、ホテル・ニッコー・サンフランシスコ バイス・プレジデント兼総支配人のアナ・マリー・プレスッティ氏、ベシ・ビジネス・ソルーションズ/コバ・ホテル マネージング・ディレクターのバーティン・サラス氏が参加し、それぞれの魅力を語った。

オムニ・サンフランシスコ総支配人のジェームス・リン氏
ホテル・ニッコー・サンフランシスコ バイス・プレジデント兼総支配人のアナ・マリー・プレスッティ氏
ベシ・ビジネス・ソルーションズ/コバ・ホテル マネージング・ディレクターのバーティン・サラス氏
サンフランシスコ国際空港 チーフ・エクスターナル・アフェアーズ・オフィサーのジョン・バレステロス氏

 オムニ・サンフランシスコのジェームス・リン氏は、「ユニオンスクエア近くの便利な立地で人気があり、Bob'sというレストランも人気で、米国内でも最上級のビーフを提供している。屋上ではハチを飼ってはちみつを作っており、それを使ったカクテルもある」と語った。

 ホテル・ニッコー・サンフランシスコ バイス・プレジデント兼総支配人のアナ・マリー・プレスッティ氏は「2年で600万ドルの投資を行ない改装したばかり。全客室を改装し、スイミングプールやセラピードッグ用のドッグランも作った。さまざまな賞を受賞したシェフが働くANZUというレストランもある」と述べた。

 ベシ・ビジネス・ソルーションズ/コバ・ホテル マネージング・ディレクターのバーティン・サラス氏は「コバは独立系のデザイナーズホテルで、価格より本当の価値を求める方にお越しいただきたい。繁華街への無料のシャトルバスもある。日本を重視し、各部屋にはバスタブを設置し、レストランのメニューにも日本語を表記している」とアピールした。

 ホテル以外にもサンフランシスコ国際空港 チーフ・エクスターナル・アフェアーズ・オフィサーのジョン・バレステロス氏も参加しており、同氏は「我々としては3つの領域で責任を果たすことが重要だと考えている。一つはアクセス。日本からは毎週35便がサンフランシスコに飛んでくる。もう一つはコネクティビティ。空港からダウンタウンまで30分以内に移動できる。最後にアメニティ(快適さ)。ヨガができるスペースやミュージアムもある。セラピー用の犬もいる。美食の街ということで、それを具現化するべく、ローカルのレストランも入っている」と述べ、同空港が注力しているポイントを説明した。

一人旅、ミレニアル世代に関心を持ってもらいたい

 サンフランシスコ観光協会として、日本からどんな観光客に訪れてもらいたいのか。これについては、慎重にターゲットを絞っていきたいとしつつも、まずは一人旅を楽しみたいと思っている人やミレニアル世代に関心を持ってもらえるようにしたいという。

 また、多くのIT企業が集まるシリコンバレーもあり、ビジネスでの旅行者も多い。ダレッサンドロ氏によれば、仕事の合間にサンフランシスコを満喫できるように、ローカルのパートナーと組むことを考えているという。ワインに対する関心の高まりを受けて、クルマで1時間ほどのソノマにあるワイン生産地を巡るツアーなど、まだまだ伸ばせる領域があるとしている。