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羽田空港に開業した新商業エリア「THE HANEDA HOUSE」を見てきた。ANAはチーズタルト専門店PABLOとのコラボカフェ出店
2018年12月20日 19:50
- 2018年12月19日 オープン
日本空港ビルデングは12月19日、羽田空港 国内線第1旅客ターミナル5階に「THE HANEDA HOUSE」をオープンした。入居する施設にはスポーツショップ、ジム、リラクゼーションサロン、ビジネス、カフェ、生ライブが楽しめるレストラン、Eコマースショップなど、個性ある14店舗がラインアップ。新しい空港の姿が垣間見える「THE HANEDA HOUSE」を紹介する。
まずはグランドオープンを前に、日本空港ビルデング 取締役副社長 執行役員の宮内豊久氏より「THE HANEDA HOUSE」の開発経緯と概要について、「1日あたり24万人ほどの利用者がある羽田空港。5万人の従業者と合わせると毎日30万人弱の人が集う大施設であることが開発の大きなファクターだった。加えて大きく3つの時代背景も。1つ目に、空港は通過する場所から滞在する場所になりつつあること。2つ目はモノからコトへの消費行動の変化。3つ目は独自性重視の消費行動。これらのトレンドを踏まえて『時間消費型コト体験施設』を作ろうということになった」と説明した。
施設はもともと航空会社の事務所だった場所で、面積は約4000m2。ファーストパティオとセカンドパティオを回廊で結んで配置している。この形状が京都などの町屋のようだということで「THE HANEDA HOUSE」というネーミングにつながったのだという。
11時からスタートしたオープニングセレモニーでは、日本空港ビルデング 代表取締役会長 兼 CEOの鷹城勲氏が「羽田空港は2020年に向けて、国際線ターミナルの一部増築や第1ターミナルの到着階の改装など、ハード面でいろいろな整備をしている。今後もより快適で楽しく、便利な空港を目指していきたい。今日オープンした『THE HANEDA HOUSE』もそのサービスの1つとして多くの方に利用してもらいたい」とあいさつした。
アメリカ西海岸の木造格納庫をイメージしたコラボカフェ「ANA Hangar bay Cafe by PABLO」
「ANA Hangar bay Cafe by PABLO」はANA(全日本空輸)と焼き立てチーズタルトの「PABLO」がコラボレーションした初の店舗。Hangar Bayとは格納庫という意味で、店内は開放感がありながらも温かみのある、わくわくするような空間になっている。
座席数は72席。店内での飲食や雑貨購入で100円につき1マイル貯まるというマイル付与も。全14店舗のなかで、航空会社が関わっている施設はこの「ANA Hangar bay Cafe by PABLO」だけだ。
実はこの「ANA Hangar bay Cafe by PABLO」は、ANAの「バーチャル・ハリウッド」という社内取り組みによって発案され実現したもので、ハリウッド映画のようなワクワクや感動を届けたいという社員の自発的な提案活動とのこと。今まで1600人ほどのANAグループ社員が提案し、「ANAデザインの気球を飛ばす」「空の上の結婚式」など、実現した活動内容は音楽やスポーツなど多岐にわたる。
このカフェの発案者は、高校時代からカフェをやりたいという夢を持っていたという羽田香織氏。「こんな形で実現するなんて!」と感激した様子のご本人に話を聞いた。
2017年9月、100名ほどの役員陣の前で今回のカフェのプレゼンをしたという羽田氏。その後、発案がとおって採用となってからは、22名のメンバーとともに試行錯誤しながら進めてきたとのこと。2018年3月にはカフェ運営を進める専門部署に引き継いだことで自身の手からは離れたというが、「今の仕事をさせてもらえて本当に感謝しかありません。どうやったらお客さまに身近に感じていただけるカフェになるか? それをずっと考えてきたチームの皆さんの思いの結晶です」と、心の底からうれしそうに話す笑顔がとても印象的だった。
この日は航空写真家のルーク・オザワ氏が来店。店内に飾られている2枚の大きな展示作品にサインするというパフォーマンスがあった。
搭乗予定がなくても空港に来たくなる施設がたくさん
EXILEが所属するLDHによるライブエンタテイメントレストラン「LDH kitchen THE TOKYO HANEDA」は12月20日オープン。ステージを併設した広い店内からは滑走路が眺められる抜群のシチュエーションだ。生バンドの演奏を楽しめるオールデイダイニングになっている。
首都圏だけでも74拠点を持つレンタルオフィス・ビジネスラウンジの「リージャスエクスプレス羽田空港第1ターミナル」は、ほかの施設に先行して2017年5月にオープン済み。搭乗までの待ち時間や到着後にノートPCを開く場として利用者が増えつつあるという。フライトが大幅に遅れたときなどに有効に時間を使ってほしいとのこと。
プレーンビューが素晴らしいスターバックスコーヒー(羽田空港第1ターミナル THE HANEDA HOUSE5階店)は、ファニチャーが個性的で滞在しているだけで楽しくなる空間だ。デザインコンセプトは「Under the Big Wing」。ドリンクやフードはそのまま機内への持ち込みが可能というのもうれしい。席数は100席でたっぷりある。
多くの空港でフィットネススタジオを備えるアメリカやカナダと比べて、「なぜ空港でフィットネス?」という意見が多いという日本。この「THE HANEDA HOUSE」のオープンにより空港の概念が変わり、フライトがなくてもフィットネスに訪れるようになればとオープニングセレモニーであいさつしたb-monster 代表取締役の塚田美樹氏。興味津々で「b-monster」を覗いてみると、空港とは思えない本格的なスタジオでびっくりした。空港利用者はもちろん、5万人いる空港勤務者にも利用してもらいたいという。
プロのフィッターが要望を聞きながらサイズを測る「KASHIYAMA the Smart Tailor」は、最短1週間で希望の場所に届けてくれるというカスタムオーダースーツショップ。カスタマイズ料金は3万円(税別)から。忙しいビジネスマンが気軽に立ち寄ってもらえたらと1時間1コマのWeb予約制になっている。
7mあるというシューウォールを備える「adidas Brand Core Store」も空港内は初出店。スポーツシューズやウェアをフライトの待ち時間を利用して選ぶことができるのは忙しいビジネスマンにとってはありがたいかも。トレンドを押さえたラインアップが充実しているのでスポーツをしたい!という気持ちが盛り上がるに違いない。
購入後、持ち帰りの場合は飛行機に積めるオリジナル輪行袋をプレゼント。そのまま旅先で乗ることができるという折りたたみ自転車を取り扱う「DAHON/Tern」。コンパクトな折りたたみ自転車なので、どこへでも持っていけるというメリットを活かしての出店だ。旅先や出張先で自分の自転車でサイクリングを楽しみたいという夢が叶うのがすごい。
スポーツ・健康グッズサロンの「phiten(ファイテン)」には大型のアクアチタン浴カプセルが完備。同社独自の技術に磁気の力を加えることでリラックス効果が期待され、毎晩よく眠れないという人などは、この中に25分間(非会員3000円)入るとあっという間に眠りについてしまうのだとか。全国に158店舗あるショップのIPコーナー会員は、この羽田空港店ではすべて半額で体験できる。到着後に旅の疲れを癒やすだけでなく、旅に出る前にも立ち寄ってほしいと話していた。
今回の14店舗のなかでも特にびっくりしたテナントが「GDO Golfers LINKS HANEDA」だ。訪れてみるとゴルファーのための洗練されたくつろぎ空間にさらにびっくり。センスのよいカフェラウンジを設けていて、ここは「ゴルフをしない方でもぜひ利用してほしい」とのこと。ゴルフのレッスンも受けられる。
ヘッドスパ&リフレクソロジーの「Q's for-rest」は、PCやスマートフォンの使用など精神的なストレスによって引き起こる頭のコリをほぐせるリラクゼーション施設。水もオイルも使わず髪が濡れないヘッドスパが特徴だ。ゆったりとした空間で頭の筋肉のケアをぜひ。施術は15分から用意されている。
「IZONE NEW YORK」は旅の必需品ともいえるサングラスのお店。うっかり持ってくるのを忘れてしまっても安心だ。鼻の付け根に跡形が残らないプティエルが今のイチオシ商品。
静かで落ち着いた一番奥のエリアにあるのが鍼灸マッサージの「グローバル治療院」。空港内で本格的な鍼灸が受けられるのは日本でもここだけとのこと。その人の症状に合わせてマッサージや運動法、鍼治療、光線治療など組み合わせが可能な統合治療を用意している。30分4320円、60分8640円。
オンライン販売のみの展開だったカスタムヒールシューズ「FAMZON(ファムゾン)」は今回が商業施設として初店舗となる。ボディ本体は18種類、着せ替えヒールは200以上。ヒールの高さも6cm、8cmと用意されているのでカスタマイズが楽しい。出張用と夜のお出かけ用とヒールで使い分けることができる。メンズ靴も開発中とのこと。