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ラスベガス最大のコンベンションは「CES」、アメリカン航空は日本から直行便を用意。モノレールはマッカラン国際空港方面へ延伸
ラスベガスとセドナの観光セミナーより
2018年12月23日 17:57
- 2018年12月12日 実施
ラスベガス観光局とセドナ観光局、アメリカン航空は12月12日、東京都内で旅行代理店などの旅行業界関係者を対象としたセミナーを開催した。
セミナーでは、代表者それぞれがプレゼンテーションを行ない、最新情報などを紹介した。
ラスベガスは自然、食、アトラクション、ショーなどさまざまなアクティビティが楽しめる
ラスベガス観光局からはトラベルトレードマネージャーの加藤雅代氏が登壇し、ラスベガスの最新情報などを中心にプレゼンを行なった。
2017年のラスベガスへの訪問者数は4220万人で、そのうち660万人がコンベンションで訪れるほど、ラスベガスのコンベンション開催数は北米ナンバーワンになっているという。そのなかでも、最大級のコンベンションとなるのが、毎年1月に開催されている「CES」で、2018年1月に開催された「CES 2018」の参加者は約18万2000人、そのうち約6万3000人が海外からの参加だったという。そのため、2019年のCES開催に合わせて、アメリカン航空の成田~ラスベガス線を含め、多くの臨時直行便が運航予定だという。
玄関口となっている空港は、マッカラン国際空港で、空港内に1000台以上のスロットマシーンが設置されるなど、特徴のある空港となっている。また、2018年の北米空港満足度調査のメガ空港部門(年間乗降客数3250万人以上)でナンバーワンも獲得していると紹介した。
次に、ラスベガスの見どころが紹介された。まずはラスベガス周辺の大自然。ラスベガスは、砂漠の中にできた都市で、周辺には国立公園などの見どころが多くある。なかでも有名なのがグランドキャニオンで、ラスベガスを拠点としてグランドキャニオンを観光する観光客はかなり多いという。また、レッドロックキャニオンをはじめとした国立公園へもクルマで30分~1時間ほどで行けるというように、少し街から離れるだけでアメリカの大自然に恵まれることから、アメリカの原風景に出会える自然の宝庫と言われているといったことが紹介された。
続いてラスベガス市街を紹介。マッカラン国際空港からラスベガス市街へはクルマで10分ほどと近く、アクセスが非常に便利となっている。通称「ストリップ」と呼ばれている、南北約6.8kmの「ラスベガスブルバード」周辺が中心地となっており、多くのリゾートホテルがストリップ沿いに建ち並んでいる。
公共交通機関としてはタクシーやバスに加えてモノレールがある。モノレールは片道5ドル(約565円、1ドル=113円換算)で、「MGM Grand Las Vegas」から「SLS Las Vegas」のあいだを運行。このほか、ホテル間を結ぶトラムもいくつかあり、観光時にはそれら公共交通機関を有効に活用してほしいと紹介された。ただ、UberやLyftなどのライドシェアサービスを利用する場合には、ホテルによって乗車位置が通常のタクシーと異なっているので注意してほしいとのこと。
次に、ホテルの最新事情を紹介。現在ラスベガスのホテル数が277軒、客室数は約15万室で、東京と大阪のホテルの客室数を合わせたのとほぼ同じぐらいの数となっている。また、今後1.5万室が増える予定にもなっているという。平均客室占有率は88.6%と非常に高く、ストリップ地区のホテルでは休日には94%にも達するとのことで、稼働率は非常に高い。ただ、平均客室単価は129ドル(約1万4577円)と、年間を通じて手ごろに泊まれる点も特徴になっているという。
このほか、各ホテルでは日々リノベーションが進んでいることや、近年カジノがなく全館禁煙のホテルが増えていることなども紹介された。さらに、2020年に開業を予定している、アジアリゾートをテーマとした新しいリゾートホテル「Resorts World Las Vegas」も建設中とのことだ。
次に、レストランやアトラクションなどの最新情報を紹介。近年ラスベガスでは、セレブリティシェフの店や、テレビ番組などで活躍しているシェフの店が登場し、それらセレブリティシェフの店が人気を集めているという。また、気軽に楽しめるテイクアウトのお店も人気を集めているそうで、なかでもThe Cosmopolitan of Las Vegasにある「Block 16 Urban Food Hall」や、12月17日にストリップ地区にオープンする「Eataly」は特に注目を集めているという。
最新のアトラクションとしては、「The LINQ Hotel & Casino」の横にある商店街「The Linq Promenade」には、11月にジップライン「Fly LINQ」が登場。また、The LINQ Promenadeの奥にある世界最大級の観覧車「ハイローラー」の隣に、東南アジアの音楽や芸術、ファッションなどをテーマとした複合施設「Kind Heaven」も2019年にオープン予定となっている。
ラスベガスで開催されているショーのうち、日本人観光客から人気が高いのはシルク・ドゥ・ソレイユのショー。ラスベガスでは6種類のショーが常設で行なわれているが、そのうち4種類ではVIPシートが用意されているという。それらVIPシートでは、専用のプライベート空間でドリンクや軽食を楽しみながらショーを鑑賞できたり、ショーに出演するパフォーマーとの記念撮影が行えたりするそうだ。
芸術関係のトピックとしては、「Mob Museum」では日本語ツアーが実施されているため、日本人観光客も気楽に鑑賞できることや、フォトジェニックなスポットとしても人気を集めている「Seven Magic Mountains」が3年間展示期間を延長することなどを紹介。また、ダウンタウン地区の「Fremont Street」の電光アーケード「Fremont Street Experience」が、2019年2月から改修工事に入ることも紹介された。工事は2019年12月に完了予定で、従来よりも明るい映像が楽しめるようになるという。
最後に、2020年に完成予定のフットボールスタジアムも紹介された。アメリカンフットボールの人気チーム、レイダースが本拠地をラスベガスに移転することとなり、その本拠地となるスタジアムが現在建設中だという。2020年の完成に向けて、モノレールのスタジアムへの延伸なども計画されているとのことで、新たなラスベガスの観光資源として注目を集めそうだ。
スピリチュアルな体験が可能な”世界で最も美しい街”セドナ
続いて、セドナ商工会議所&観光局 観光開発ディレクターの佐渡祥子氏がセドナの最新情報を紹介した。セドナは、アリゾナ州にある人口約1万人の小さな街だが、1年で300万人以上の観光客が訪れるという人気の観光地だ。アリゾナ州のフェニックスから北に約2時間ほどの距離、アリゾナ州のほぼ中央に位置するセドナは、“世界で最も美しい街”とも呼ばれることもあるそうで、街自体が非常に美しいという点が魅力となっている。
また、比較的短時間でグランドキャニオンやモニュメントバレー、ネイティブアメリカン居住区などに到達できることもあって、セドナを拠点として国立公園や各種モニュメントをまわる、といったツアーにも最適なのだという。
このセドナへの観光客は、76%がアメリカ国内から訪れているそうで、海外からの観光客はまだそれほど多くないそうだが、そのなかで、日本からの観光客は最近では10%ほどと上位に位置しているという。また、アリゾナ州へ訪れる日本人観客の数も右肩上がりで伸びているそうで、日本でセドナの人気が高まっている証拠だと胸を張った。
セドナでは、観光アクティビティが非常に充実している点が大きな特徴だという。そのなかでも人気が高いのがアウトドアのアクティビティだ。例えば、オフロードのツアーがその一つで、ハマーなどのオフロードカーでレッドロックの中を走ったり、観光地を巡ったり、グループでレッドロックの中でバーベキューを楽しむ、といったことが可能になっているという。
また、ヘリコプターや熱気球のツアーも人気があるそうで、クルマや徒歩でもなかなか到達できない場所を観光できる点が大きな魅力となっているそうだ。このほか、ハイキングやネイチャーウォーク、マウンテンバイクツアー、星空を楽しむツアーなど、都会ではなかなか楽しめない充実したアウトドアツアーが網羅されているとのことだ。
芸術や文化もセドナの魅力の一つになっている。セドナには300人ほどのアーティストが拠点として活動しており、たくさんのギャラリーがあるだけでなく、アートクラスも多く実施されているそうだ。また、ネイティブアメリカン居住区が近いということで、ネイティブアメリカンの文化に触れられる点も魅力の一つで、ネイティブアメリカンの遺跡やパワースポット「ボルテックス」を巡るツアーなどもあり、スピリチュアルな体験が可能とのことだ。
そして、もう一つのセドナの魅力がウェルネスだ。セドナには、世界ナンバーワンにも選ばれるスパがあるなど、ウェルネスリゾートとしても注目を集める存在だという。また、セドナの自然の中でヨガを体験するプログラムもあり、ほかにはないディープなウェルネス体験ができる点も、大きな魅力となっているそうだ。
そして、セドナからはベルデバレーやグランドキャニオン、モニュメントバレーなど周囲の観光地へ数時間でアクセスできるため、セドナを拠点として観光地を日帰りで巡るというのもお勧めだという。このほかにも、セドナのリピーターに向けて、セドナでまだ知られていない見どころを紹介するWebサイト「Sedona Secret 7」を開設し、7つのカテゴリーに分けて見どころを紹介しているという。
ところで、セドナは小さな街なので、たくさんの人が1泊前後の短期滞在で訪れるということは望んでいないという。できれば、セドナが好きな人には3泊以上の長期滞在型で楽しんでほしいとのことで、セドナ観光局でも日本、イギリス、ドイツ語圏にターゲット絞り、ローシーズンとなる夏と冬にプロモーションを行なっているという。とはいえ、夏はモンスーンの時期で、ワイルドな雲や綺麗な虹が見えるほか日照時間も長く時間を有効に活用できる。また、冬は寒さもそれほど厳しくないため過ごしやすく、ゆったり街を散策したり、運がよければめったに見られない雪景色が楽しめたりすることもあるというように、ローシーズンならではの楽しみもあるとして、特にローシーズンにこそセドナを訪れてほしいとした。
日本発着路線を最新機材へ入れ替え、19年にはシカゴ便にプレミアムエコノミー搭載機材を採用
アメリカン航空からは、アカウントマネージャーの西野健人氏が日本発着路線の最新情報を解説した。現在アメリカン航空は、JAL(日本航空)と共同事業を展開しており、どちらの便を利用してもマイルが貯まるのはもちろん、発着時間の調整、双方の便を利用した旅程を組むことが可能となるなど、シームレスなサービスを提供している。
JALとの共同運航便は、2019年3月より就航予定のJALのシアトル便を含めると、1日あたり9都市、16便となる。また、アメリカン航空は1日あたり約7000便を運航しており、日本発着路線のアメリカでのハブ空港となるロサンゼルスでは220便、シカゴでは500便、ダラス・フォートワースでは800便となっており、アメリカ各都市へ容易に乗り継げるという。
また、アメリカン航空は最新航空機への入れ替えが進められており、2017年までに約400機の入れ替えが完了。日本発着路線では、シカゴ便で2019年以降プレミアムエコノミー座席搭載の機材を導入予定となっており、全路線が新機材に置き換わることになる。合わせて、サービス面の強化という意味も合わせ、2018年だけで日本語を話せるCA(客室乗務員)を300名採用し、日本発着路線では日本語を話すCAが各便3名以上乗務しているという。
座席に関しては、ビジネスクラスの「Flagshipビジネス」では、フルフラットシートの採用は当然として、フラットにした場合に隣の座席から顔が見えない設計になっている。18インチの大型スクリーン、アメリカの寝具メーカー「キャスパー」製寝具を採用しているほか、米系航空会社として初めてバーコーナーを用意しアルコールや軽食なども楽しめる点などが特徴だと説明。
また、日本発太平洋路線のビジネスクラスの機内食として、東京・芝大門の和食店「くろぎ」が監修した和食も提供。出発24時間前までの事前予約が可能となっているため、ビジネスクラス利用時にはぜひ事前予約をして、食事を楽しんでもらいたいとアピールした。
プレミアムエコノミークラスでは、ノイズ低減ヘッドフォンの用意や、手荷物優先タグの装着、空港での優先チェックインサービス、オリジナル機内アメニティなどを提供。このほか、機内Wi-Fiサービスの提供や、アメリカのテレビ局のライブ映像を楽しめるサービスを提供していることなども紹介された。
最後に、2019年1月にラスベガスで開催される「CES 2019」に合わせて2019年1月4日から14日までの期間限定で運航する成田~ラスベガス直行便についても紹介。すでにビジネスクラスはほぼ完売となっているそうだが、1月13日や14日の日本発便ではまだエコノミークラスに空きがあるそうなので、ぜひ使ってもらいたいとアピールした。