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ハローキティ新幹線の撮影会も。JR西日本「新幹線ふれあいデー」で綱引きやおそうじ体験

2018年10月21日 実施

JR西日本が博多総合車両所で「新幹線ふれあいデー」を開催

 JR西日本(西日本旅客鉄道)は、博多総合車両所を開放するファン感謝イベント「新幹線ふれあいデー」を10月21日に開催した。

 広大な敷地内では、新幹線の運転台見学(事前申し込み)や、ミニ新幹線の乗車体験、新幹線との綱引きなど、親子で楽しめるコンテンツが充実。2018年は「ハローキティ新幹線」の展示もあり注目を集めた。

博多総合車両所のある那珂川町が10月1日より「那珂川市」に

正門の入口前にてセレモニーの準備が進む
来場者プレゼントとして配布されたカンセンジャーが表紙のノート
9時半に開場し、待機列の来場者が敷地内へ

 開会セレモニーの冒頭、JR西日本 福岡支社長の小沢裕一氏は、「ここ博多総合車両所は、新幹線の技術を結集させた基地でございます。山陽新幹線の開業以降、40年以上の歴史を誇っております。

 お客さまに新幹線を安心してご利用いただけるようにグループ会社含めまして約2000人の社員が日々検査を行なうなど努力を積み重ねております。博多総合車両所の内部を公開するふれあいデーは、山陽新幹線の魅力に直接触れることができる大変貴重な場であると思っております。

 本日まで博多総合車両所の社員を中心に、関係者全員で協力して準備を進めてまいりました。国鉄から民営化して、昨年30周年を迎えました。この間、山陽新幹線のご利用は1日20万人以上、ここ博多南線は1日1万5000人以上まで成長することができました」と感謝の意を述べた。

西日本旅客鉄道株式会社 福岡支社長 小沢裕一氏

 続いて、那珂川市長の武末茂喜氏は、「那珂川町から那珂川市になるにあたって、さまざまな政策をとりましたが、何と言っても博多総合車両所が春日市と那珂川市の両方にあることこそが人口増加の要因になっていると思います。

 私事ですが、子供が幼いころに場外で新幹線を眺めて楽しんだこと、今でも覚えております。今日お見えの皆さまも、同じようなことを子供たちに伝えていただけるのではないかと思っております」と地域と基地の歩みについてコメントした。

 時刻は10時ちょうどを迎え、列を作っていた来場者たちが入場開始し、ふれあいデーがスタートした。

那珂川市長 武末茂喜氏
開会セレモニーの参列者
テープカット
テープカットと同時に吹奏楽団による演奏がはじまった
10時ちょうどに入場がはじまった
N700系の前が記念撮影スポットとなっていた
N700系の運転台見学は事前申し込みによる抽選で当選した来場者のみ対象となっていた

着発線展望所から本部棟内の充実した展示物

 正門から入場し、北(博多南駅方面)に歩いていくと、本部棟があり1階には展示物が用意されていた。さらに屋上も開放し、博多総合車両所の全貌を高所から眺めることができる。その先にも本部食堂や、ずらりと新幹線の並ぶ風景が一望できる着発線展望所がある。時折、通常運行している新幹線も入線し、車庫内に入っていく様子も見学できた。

本部食堂が開放され、来場者向けに軽食が提供されていた
「のぞみロード」を歩いていくと……
着発線展望所にたどり着く
1階と屋上が開放されていた本部棟

 本部棟の1階に入ると、岡山~博多開業時に使われていた連動表示版と信号操作卓、博多総合車両所のジオラマ、0系の運転シミュレータ、そしてNゲージのジオラマやミニシアターと、充実した展示物が並ぶ。

連動表示版と信号操作卓
博多総合車両所のジオラマ
新幹線のスケールモデル展示スペース
0系新幹線の運転シミュレータ
ミニシアターではカンセンジャーが登場する安全啓蒙プログラムが放映されていた
Nゲージのジオラマは操作することが可能となっており、長い順番待ちができていた
自動販売機のある休憩室の椅子は新幹線のもの

 エレベータで屋上に上がると、南北それぞれを行き来できるフロアがあり、北側は博多南駅方面、南側は車庫や九州新幹線の高架を眺めることができる。屋上には九州新幹線のダイヤも貼り出されており、通過時刻を確認できる配慮がされていた。

本部棟の屋上
博多南駅方面(北側)
熊本方面(南側)

 本部棟のすぐ脇にある地下道を進んでいくと、台車検修場建屋に向かうことができる。検査場では、保線モーターカーの展示や記念撮影、車両のジャッキアップ、そして台車検修場内を見学できるコースがあり、部品の展示や車輪の圧入のデモンストレーションなどを見て回れるようになっていた。

地下道入口
地上に出てくると検査場建屋が現われる
建屋内にはさまざまな型式の新幹線が停車していた
保線モーターカーが展示されており、オレンジの制服を着て記念撮影することができた
ジャッキアップの様子を見学することができた
コースが設定されていた台車検修場
大型クレーンを使ったクレーンゲーム
通路上は、ガラス越しに工場内を見ることができた
新幹線のブレーキパーツ
0系の台車が展示されていた
こちらは700系レールスターの台車

屋外展示ではWIN350の車内見学、艤装場内で新幹線と綱引き体験

屋外展示は新幹線の先頭車両と試験走行車
0系新幹線の先頭車両
高速試験電車「WIN350」

 台車検修場を出ると、屋外には0系新幹線の先頭車両、500系新幹線の試作車となった高速試験電車「WIN350」が展示されており、記念撮影に長蛇の列ができていた。そこから芝生広場を挟んだ反対側の艤装場と解装場が連なっている建屋内でも、さまざまな体験アトラクションが行なわれていた。

芝生広場
艤装場

 建屋内では、非常停止ボタンの取り扱い体験、パンタグラフ動作体験、ミニ新幹線、ドア開閉動作体験、おそうじ体験などの各ブースが並んでおり、どの体験アトラクションも数十分待ち状態だった。

非常停止ボタンの取り扱い体験
パンタグラフ動作体験
ミニ新幹線の乗車体験
ドア開閉動作体験はボタンで開閉
VRで走行風景を体験できるブースもあった
おそうじ体験では子供用のユニフォームが用意されており、水分に反応してブザーが鳴るほうきを使って一連の清掃を体験
ステージでは時間によってカンセンジャーショーや吹奏楽団の演奏が行なわれていた
新幹線との綱引き体験

 建屋の外ではミニSL乗車体験ができる線路が設置されており、注意書きには黒鉛が飛び衣服に付く可能性があると記されていた。そこから再び台車検修場の方に歩いていくと、大きな階段が見えてくるが、従業員が普段利用している大食堂がある。

ミニSL乗車体験
一般開放されていた大食堂
九州大学鉄道研究同好会による大型のジオラマ
通路にはアイテムなどを販売するテントが立ち並んでいた

 大食堂では食券を購入し、多くの親子連れがランチ休憩をする場所となっていた。ステージの前には九州大学鉄道研究同好会による大型のジオラマが展示されており、人だかりができていた。

 正午を過ぎたころ、館内放送にて「ハローキティ新幹線」の展示が開始されるアナウンスがあり、予定時刻の13時、正門からすぐ南側に歩いていく「西ロード」沿いにハローキティ新幹線が入ってきた。多くの来場者が金網越しに記念撮影。

「ハローキティ新幹線」は、予定時刻とおり13時に展示用線路に入線

 例年は、923系ドクターイエロー(新幹線電気軌道総合試験車)が展示されているが、今年はハローキティ新幹線が特別展示に選ばれた形となった。