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JAL、北海道と関西の観光復興で割引運賃を設定。「オールジャパン体制で支援したい」と赤坂社長

2018年9月21日 発表

ツーリズムEXPOジャパン2018の会場で取材に応じる日本航空株式会社 代表取締役社長執行役員 赤坂祐二氏

 JAL(日本航空)は9月21日、平成30年北海道胆振東部地震や台風21号などの影響が北海道と関西の観光需要に大きな打撃を与えていることを受けて、運賃割引などの復興支援を発表した。

 すでに救援物資の輸送支援や義援金の寄付、マイル寄付の募集などを行なってきたが、今回の発表はより直接的な観光復興に踏み込むもの。

北海道を支援する取り組み

 北海道の復興支援では、特設サイト「さあ、でかけよう! 北海道 ~JALは、旅で北海道を応援します。~」を立ち上げ、「復興支援ロゴ」の設定、特別塗装機の運航などを行なうほか、「応援先得」として、北海道発着路線の割引運賃を設定する。

 対象は道内路線を含む北海道発着路線の全便で、対象搭乗期間は10月28日から2019年3月30日。運賃例として、羽田~新千歳(札幌)が片道で最安6400円~(約84%割引)、関空~新千歳が同8000円~(約83%割引)などを挙げている。また、訪日外国人旅行者向けの日本国内運賃「Japan Explorer Pass」も期間限定で値引きする。

 このほか、航空券と宿泊プランを組み合わせられるダイナミックパッケージでは、地域や旅行会社の協力を得て割安なツアーを用意するとしており、“厚真町産のハスカップと天塩町宇野牧場のミルクを使ったアイスクリーム”をJALのさまざまな媒体でアピールするなど、産品の活用なども進めていく。

関西を支援する取り組み

 一方、関西は特に訪日外国人旅客に大きな影響が出ていることから、インバウンドを支援する取り組みを展開。

 関空発着の国際線において、海外発のキャンペーン運賃を設定する。対象は上海/台北/バンコク/ロサンゼルス~関空路線で、発売期間は各国の認可取得後から10月31日まで。対象出発日は10月1日から12月15日で、割引率は「最大3割程度」としている。

 また、観光庁、JNTO(日本政府観光局)、香港政府観光局は、2019年1月1日から12月31日までを「2019 日本香港観光年」と定めているが、同プロジェクトにJALも協力していることから、香港~伊丹線の臨時便を設定。香港出発の往路は10月17日未明発、復路は10月21日夕方発としている。

 このほか、北海道支援と同様、「Japan Explorer Pass」の期間限定値引きも実施。

「“オールジャパン体制”で臨む。それくらい事態は深刻」と赤坂社長

 これらの取り組みについて、ツーリズムEXPOジャパン2018の会場で取材に応じたJAL 代表取締役社長執行役員の赤坂祐二氏は、「正直に言ってお客さまは減っている。特に外国のお客さまが。本日関空が全便再開したが、まだまだ不安を感じている方が多い。早く手を打たないと、今はある意味風評被害のような部分もあるが、このまま定着してしまう恐れがある。早く海外のお客さまに『来ても大丈夫だ』ということを伝えたい。

(国も支援策を打ち出したが)我々も今できることは何か、ということを考えて決めた。そのなかで同じことを考えている人たちがいて、どうせなら一緒にやった方がいい、“オールジャパン体制”で臨む。それくらい事態は深刻」と現状について説明した。