ニュース
福岡空港、早朝の滑走路を歩く「ランウェイウォーク2018」。JALとANAの特別塗装機や空港消防車の放水デモを見学
2018年8月6日 14:53
- 2018年8月4日 実施
福岡空港は8月4日、滑走路を間近で体感できるイベント「福岡空港ランウェイウォーク2018」を開催した。事前応募のなかから当選した29組の参加者が夜明け前に空港へ集合し、始発便が飛ぶ前の早朝の滑走路を自分の足で歩いた。そのほか、JAL(日本航空)やANA(全日本空輸)の機体見学や空港消防署によるデモンストレーションなどを楽しみ、朝一番の離陸機を見送るという内容となっていた。
3時30分、福岡空港国内線ターミナルビルの隣にある大阪航空局 福岡空港事務所 庁舎には、ランウェイウォーク当選者が集結してきた。今回も夏休み期間中の開催ということもあり、親子連れの姿が目立った。
福岡空港は「1分半に1機が離着陸する羽田より忙しい空港」
スタッフから、事前の注意事項などの説明があり、最後に国土交通省大阪航空局 福岡空港事務所 空港長の大屋文人氏よりあいさつがあった。
大屋氏は、「早朝といいますか、深夜からお集まりいただきまして誠にありがとうございます。この取り組みは平成23年(2011年)の東日本大震災からチャリティ活動の一環として始まり、9回目を迎えました。今回の応募総数は761通で、29組80名の方にお集まりいただき、倍率は26.2倍ということで非常に貴重な機会かと思います。
福岡以外からの参加も多く、12府県からの応募もあり、他の九州各県、遠くは大阪府から、6~80歳と幅広い年齢層のご参加をいただいております。
滑走路は、我々空港職員でもなかなか立ち入る機会がございません。今日は滑走路を歩く以外にも航空機の見学や消防署の見学もあり、短い時間ではございますがお楽しみいただければと思います。
現在の福岡空港の利用状況ですが、大変混雑というか活気がありまして、羽田、成田、関西空港に次いで4番目に忙しい空港です。福岡空港の特徴は滑走路が1本しかないところで、1年間で17.8万回の離着陸、2400万人の利用客数、そのうち630万人が国際線のご利用となっています。1日あたり約500便の離着陸があるということで、滑走路1本あたりで羽田空港よりも忙しい空港といえます。だいたい1分半に1機が離着陸している計算になります。
都心部に近く利便性も高くはありますが、その分、騒音などの問題もあり、住民の方々のご理解で成り立っています。空港は今、ますます発展しようとしておりまして、2019年4月から民間委託となり、福岡国際空港株式会社が立ち上がりまして、滑走路やエプロンの運営を行なっていきます。管制業務は引き続き、国が管理していくこととなります。
ということで、今日はなかなか立ち入ることができない滑走路を楽しんでいただければと思います」とコメントした。
その後、参加者は玄関に集合、手荷物検査を受けてバスに乗り込み、出発した。
参加者を乗せたバスは、庁舎の南側にあるゲートより入場。厳重なセキュリティチェックを受けて、誘導路をさらに南に進んだ。34滑走路の端から北に向かい、反対側の16滑走路から500mのところまではバスで進む。ウォーキングの開始ポイントに到着し、参加者はバスから滑走路に降り立った。
すべての参加者が滑走路上のウォーキング開始地点に進むと、管制塔からの操作で誘導灯が点灯し、参加者からは歓声が上がった。そうしてウォーキングの終着ポイントまで、思い思いに楽しむ姿があった。
滑走路上の航空機が実際に降り立つゾーンには横溝が掘られていて、タイヤと路面の摩擦力を上げる仕組みなどについて学習できたほか、左右方向に緩やかに傾斜していることも間近で感じられ、雨天での水捌けにも配慮されていることが理解できた。
途中、7月22日の落雷によって滑走路のアスファルトが剥がれた箇所では大屋氏から説明があり、当日の深夜に本格的に修復されたとの説明があった。ウォーキングの終点にはバスが待機しており、全員が乗り込んで次なるポイントに移動開始。途中、管制塔の前を通るところでバス内では「管制官が手を振っています」とアナウンスがあり、参加者は大きく手を振り返していた。
JALとANAの特別塗装機を見学
ランウェイの見学が終了し、次なるポイントは機体見学。国内線側の最も端の駐機場である29番スポットまで移動。夜間駐機されている機体だが、特別塗装機が用意されているということもあり、子供たちだけでなく大人の注目度も高かった。
ANAはC-3PO JETを駐機しており、ANAの機材メンテナンスを担当しているANAラインメンテナンステクニクスのスタッフから、機体の詳細について説明があった。その後、自由時間となり、翼や胴体の真下など、通常ではなかなか体験することのできない機会に、記念撮影をする姿が目立った。JALもSAMURAI BLUE 応援ジェットを駐機し、多くの記念撮影に対応していた。
最後は、そのまま消防署の敷地に移動し、消防庁舎にて化学消防車の見学や放水のデモンストレーションですべての見学プログラムが終了した。