ニュース

ブルーインパルス、“ジャンボ”の政府専用機最後の千歳基地航空祭に「サクラ」を描く

スペシャルマーキングの描かれた尾白鷲ファントム IIも展示

2018年7月22日 開催

ブルーインパルスは“ジャンボ”の政府専用機の上に、「サクラ」を描いた

 航空自衛隊 千歳基地(北海道千歳市)は7月22日、毎年夏に行なわれている「平成30年度 千歳基地航空祭」を開催した。2017年は開庁60周年が話題となったが、2018年は千歳基地が運用しているボーイング 747-400型“ジャンボ”の政府専用機が年度内で退役予定とあって、曇天にもかかわらず朝から多くの来場者が訪れた。

 千歳基地側も、この“ジャンボ”の政府専用機が最後の参加となることに配慮し、寄せ書きコーナーや、特製ステッカーなどを用意。特製ステッカーは、政府専用機展示エリアで政府専用機スタッフに質問などした子供らに配られていたようだ。

 天候の問題から、事前に予告されていたF-15などとの異機種混合フライトは実施されなかったものの、政府専用機のみのデモフライトは実施。1度のみの航過を行なった。

政府専用機のデモフライト時は雲も低かった
そのため迫力の低空飛行となっていたが、少し上昇すると雲の中へ
午後はすっかり晴れたため、青空の下で政府専用機を見学できた
午後には政府専用機の見学エリアを拡大。さまざまな角度から眺めることができた
政府専用機の寄せ書きコーナー
政府専用機の特製ステッカー

 午前中は雨がぱらつくほどの天気だったが、午後に向けて天候は急回復。13時半過ぎに行なわれた航空自衛隊 アクロバットチーム「ブルーインパルス」の演技時には青空が見え、11時予定だったデモフライトをブルーインパルス以後に行なった室屋義秀選手のフライトパフォーマンス時には、雲のない北海道の夏らしい抜ける青空が多く広がっていた。

【千歳基地航空祭 ブルーインパルスと政府専用機】

 ブルーインパルスは、視程や天候などによって実施する演目を変更し、快晴のときに行なわれるのがフルショーの1区分。そこから主に雲の状態によって演目が変更され、今回は3区分となっていたようだ。この3区分には1区分にはない、6機でさくらを描く「サクラ」という演技が含まれている。演技後半にブルーインパルス6機は政府専用機上空に大きなサクラの花を描き、引退を間近に控えた政府専用機に花を添えた。これには会場から大きな拍手が起き、「本当に感動した」などの声も聞くことができた。

ブルーインパルスの演技時には、青空が広がり始めた
演技終盤になればなるほど、青と白のコントラストがきれいに見えた
終盤の演技、ローリングコンバットピッチ
エアレース世界チャンピオン、室屋義秀選手のフライトパフォーマンス
政府専用機の上を飛ぶ室屋選手
演技を終え、観客にあいさつ

 そのほか、会場にはスペシャルマーキングを施したF-4EJ ファントム IIも展示されていた。このファントム IIは百里基地に所属する302飛行隊のものだが、もともと302飛行隊は千歳基地で編成されたため、尾翼のマーキングは302がデザインされた尾白鷲。302飛行隊のファントム IIも退役間近で、機体には「final year 2019」と描かれていた。

302飛行隊のF-4EJ
尾翼のマークは、北海道の尾白鷲と302をデザインしたもの

 なお、千歳基地航空祭の来場者数は約8万4000人。ここ5年間では、最大の来場者数となった。