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名古屋城本丸御殿、6月8日完成公開。空襲で焼失したかつての国宝を復元
舘ひろしさんや名古屋市長がセレモニーに参加
2018年6月7日 14:04
- 2018年6月8日 完成公開
名古屋市観光文化交流局 名古屋城総合事務所は、「名古屋城本丸御殿」の10年におよぶ復元計画が終わり、6月8日に完成公開を行なう。
名古屋城本丸御殿は、尾張藩主の住居・藩の政庁として1615年(慶長20年)に徳川家康の命によって建てられた。1930年(昭和5年)に天守閣とともに城郭として初めて国宝に指定されたが、1945年(昭和20年)の空襲により建物の大部分を焼失。2009年から復元工事が始まり、6月8日に完成公開を迎える。
名古屋城の築城と復元の歴史
1610年:名古屋城築城に着手
1615年:本丸御殿が完成
1930年:天守閣とともに建物が国宝指定される
1945年:戦災により天守閣とともに焼失する
1992年:障壁画復元模写開始
2006年:基本設計
2009年:復元工事着手
2013年:第一期公開(玄関・表書院など)
2016年:第二期公開(対面所・上御膳所など)
2018年:完成公開(上洛殿・湯殿書院・黒木書院など)
名古屋市観光文化交流局 名古屋城総合事務所による「復元の特徴」
城郭として「国宝第1号」に指定
1929年(昭和4年)に国宝保存法が施行され、 1930年(昭和5年)に名古屋城天守閣、本丸御殿等が国宝第一号に指定される
総工費150億円(うち寄付50億円)
城郭御殿復元最大規模の総工費150億円をかけて復元。天守閣の木造復元に向けて、「金シャチ募金」も設置
忠実に最大規模の御殿 完全復元
焼失を逃れた1049面の障壁画、309枚の実測図、約700枚の写真、約2000個の礎石などの史料から復元
築城当時と同じ木曽檜を使用「木造平屋建こけら葺き書院造」
江戸時代に尾張藩が保全した森林は現在も豊かな自然を残しており、「木造平屋建こけら葺き書院造」には築城当時と同じ木曽檜を使用
匠の技で400年前にタイムスリップ
伝統工法により400年前の姿をそのままに木造建築で完全復元。江戸時代の武家文化の空間を体感できる
天才絵師「狩野探幽」の障壁画
上洛殿の障壁画は、「狩野探幽」による山水(水墨画)
完成公開の6月8日は、9時10分から名古屋城本丸御殿玄関車寄前でオープニングセレモニーを開催。名古屋出身の俳優・舘ひろしさんの名古屋城アンバサダー就任、名古屋市長 河村たかし氏のあいさつ、くす玉開披などを予定している。