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零戦52型も展示。県営名古屋空港の「あいち航空ミュージアム」事前内覧会実施

航空ものづくりの中心地に11月30日オープン

2017年11月30日 オープン

県営名古屋空港内にオープンする「あいち航空ミュージアム」。名古屋空港のターミナルからは歩いて10分ほど

 県営名古屋空港(愛知県西春日井郡豊山町)内に「あいち航空ミュージアム」が11月30日にオープンする。それに先立つ20日、報道向けに事前内覧会が開催された。ここでは内覧会で見られたあいち航空ミュージアムの展示物などを紹介していく。

概要

施設名:あいち航空ミュージアム
場所:愛知県西春日井郡豊山町大字豊場(県営名古屋空港内)
開館時間:10時~19時(予定)
休館日:火曜日(予定)
入館料:一般 大人1000円、高大生800円、小中学生500円、学校利用 小中学生およびその引率者300円
アクセス:
あおい交通(バス)
名古屋駅~県営名古屋空港(約20分)
JR勝川駅~県営名古屋空港(約20分)
栄~あいち航空ミュージアム(約20分) 11月20日より運行開始

名鉄バス(バス)
名鉄バスセンター~あいち航空ミュージアム(約40分)
名鉄西春駅~県営名古屋空港(約20分)

 あいち航空ミュージアムは「航空機産業の情報発信」「航空機産業をベースとした産業観光の強化」「次代の航空機産業を担う人材育成の推進」の3つのコンセプトで運営される。そのため、実際の航空機に触れられるようハンモックに寝そべって航空機を見られるようになるという展望デッキ、航空機の仕組みや歴史が学べる2階、そして実際の展示機が置かれた1階という構成。航空機産業の職業体験をするシミュレータなどもある。

 愛知県は、この県営名古屋空港のすぐ横で作られている旅客機「MRJ」など日本の航空機産業の中心地となっている。愛知近郊に住む人に飛行機に興味をもらって、航空機産業をより理解してもらうということだろう。

 また、すぐ近くに「MRJミュージアム」も同日オープンする。こちらも事前内覧会が予定されているので、後ほどお届けする。

2階 エントランス

2階の入口

 あいち航空ミュージアムは、2階から入るようになっている。2階には空港の検査ゲートのような入口があり、そこから入場すると歴史展示や、1階に展示された航空機を上から見下ろすことができるようになっている。

入口ゲート。コードの読み取り機が見られる
歴史展示。航空機の発展の歴史が模型やパネルで分かるようになっている
2階から見た、1階の展示機
入口すぐ近くに展示されていたレオナルド・ダ・ヴィンチのヘリコプター。ANA(全日本空輸)の旧塗装でも有名
2階からも県営名古屋空港を見ることができる
模型展示の1番目はアンリ・ファルマン1910年式。日本初の公式飛行となった徳川大尉が使用した飛行機
こちらはパネル展示。世界の航空機の歴史と、日本の歴史が比較できるようになっている
日本の歴史の1番目は「飛び安里」。1787年の江戸時代から始まっていた
次が日本で動力飛行を研究していた二宮忠八。明治時代のことになる
2階から見た1階奥の展示機
飛行の原理などを勉強できるサイエンスラボ
デモとして空気の粘性の解説を行なっていた。ボールの上部に空気の流れを起こすと、そこに吸い付くようにボールは回る

屋上 展望デッキ

展望デッキの眺め。手前が県営名古屋空港、奥が航空自衛隊 小牧基地。滑走路を共有している

 屋上へは階段のほか、エレベータでも行くことができる。屋上からは県営名古屋空港そして航空自衛隊 小牧基地を一望でき、各種航空機の離陸や着陸が見られる。離着陸回数としては、航空自衛隊の方が多めだろうか。

展望デッキのお立ち台。奥に見えるのがハンモックエリア
お立ち台からの風景
県営名古屋空港の各種ハンガー。県警や消防などのハンガーが並ぶ
エレベータとフロア構成

1階 展示エリア&ミュージアムショップ

YS-11 152号機。展示機のなかでは最も大きい

 1階には各種航空機が展示されている。その目玉となるのが、零式艦上戦闘機 五二型甲(以下、零戦)と、YS-11、そして地元愛知県で開発されたMU-2だろう。

 零戦は日本が第二次世界大戦前に開発した空母から飛び立つ戦闘機で、陸上戦闘機よりも不利な条件でありながら、太平洋戦争初期にはそれらを超える性能を発揮したという名戦闘機。海外でもZEROやZEKE(三二型はHAMP)としてその高性能が知られていた。静的展示とはいえ、この零戦が見られるのは貴重だろう。

 また、YS-11は第二次大戦後に日本が初めて自主開発した旅客機。展示されているのは航空自衛隊仕様の152号機で、ミュージアムショップでは、この152号機と零戦の模型が山積みとなっていた。

零式艦上戦闘機 五二型甲。当時、世界最高性能と言われた戦闘機
こちらは所沢航空博物館で実施された零戦のエンジン始動
五二型の特徴である排気管などのエンジンカウルまわり
主翼は初期に活躍した二一型よりも短いタイプ
説明パネル
三菱重工業が開発したMU-2
MU-300
ヘリコプターなども展示
航空機産業に興味を持ってもらえるよう配慮
計器類を展示
こちらは大迫力の映像が楽しめるフライングボックス
内部のスクリーン。ミニシアターといった感じ
座席は映像に合わせて動くムービングタイプ
航空のお仕事シミュレータ。ほとんどの映像はフライトシミュレータだった
ミュージアムショップ「ファンブレード」
季節のためか、カレンダーの品揃えが充実
各種グッズ類
零戦52型とYS-11の模型が売られていた。YS-11はハセガワ製
零戦52型は模型としても人気が高く、複数メーカーが模型化している。箱絵のデザインからもしかしてと思ったらファインモールド製だった。非常に高精度な模型作りで知られる

 館内にはまだ作りかけのカフェスポットがあるなど、航空機マニアでなくとものんびり過ごせるような作りになっている。県営名古屋空港を訪れる際には利用したい施設であるのはもちろん、このあいち航空ミュージアムを目的に行くのもありだ。