ニュース
日本トランスオーシャン航空の初代ジンベエジェットが退役。発案者パイロットが最終フライトを担当
新旧ジンベエジェットが最後の揃い踏み
2018年4月3日 12:33
- 2018年3月31日 実施
JTA(日本トランスオーシャン航空)の特別塗装機「ジンベエジェット」の初代機(ボーイング 737-400型機)が、3月31日をもって退役した。
那覇空港のオープンスポットでは、最終フライトとなった宮古~那覇(沖縄)線のフライトを終えた初代ジンベエジェット(JTA572便)をバックに退役セレモニーが行なわれた。
2012年12月26日に就航した初代ジンベエジェット。提案したのはパイロットの佐々木敏文氏だ。その誕生秘話はJTAのWebサイトで紹介している。最終日となったこの日、生みの親である佐々木氏が、初代ジンベエジェットの機長を務めることとなった。
最終フライトに先立ち、那覇空港では初代ジンベエジェットと新ジンベエジェット(ボーイング 737-800型機)が並んで駐機するとのことで撮影へ。16時45分、初代ジンベエジェットが到着。その約5分後に新ジンベエジェットが到着した。新旧ジンベエジェットの揃い踏みもこれがラストチャンス。仲よく隣合うスポットに2機が駐機した。
17時30分、初代ジンベエジェットは宮古島へ(JTA571便)。この帰り便が最終フライトとなる。那覇空港のオープンスポットでは、19時40分に到着予定のJTA572便を待つ関係者が横断幕を掲げて出迎えの準備をする。定刻より5分ほど早く初代ジンベエジェットが到着した。
タラップを降りる搭乗客を、佐々木機長と副操縦士の千葉旭人氏が手を振って見送る。全搭乗客を送り出したのち、機長、副操縦士、CA(客室乗務員)が降機し初代ジンベエジェットの退役セレモニーが始まった。
初代ジンベエジェットを背に、佐々木機長が「最後のフライトを担当できて幸せだった。多くの人が手を振ってくれてうれしく思った。きっかけを作ったのは私だが、みんなの力で素敵なジンベエジェットとなった」とあいさつ。
そして、これが初代ジンベエジェットの卒業式ということで、佐々木機長自ら用意した卒業証書を読み上げた。「5年前、初めて飛んだ日のことを覚えていますか。君の青い機体は沖縄の青い空に映えます。台風など厳しいなか、故障することもあったがパイロットや整備士とともに乗り越え、安全に運航してきたことは誇りです。向かい風を力に変え、飛び立つ姿に力をもらいました。この力を新ジンベエジェットに引き継いでいきます。卒業おめでとう」。
また、たくさんのファンがメッセージを寄せてくれた色紙も披露。ジンベエジェットが愛されていることを実感させた。天候にも恵まれた3月31日。日中は青空が広がり、夜には満月が光り、初代ジンベエジェットの卒業を祝った。