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LINE、JALやANAも参画する新サービス「通知メッセージ」。搭乗便の遅延/欠航など電力・ガス・航空・運輸の領域で重要な情報が届く
2018年3月2日 12:39
- 2018年3月1日 発表
LINEは3月1日、新サービス「通知メッセージ」を発表。新サービスは、電力・ガス・航空・運輸など公共性の高い企業が発信するメッセージを通知するもので、東京電力エナジーパートナー、中部電力、東京ガス、JAL(日本航空)、ANA(全日本空輸)、ヤマト運輸の初期参画企業6社が発表された。
通知メッセージは、LINEに登録されているユーザーの電話番号情報と、新サービスの取り組みに参画する企業に登録されている電話番号情報をマッチングさせることで、事前に「友だち」登録を行なっていないユーザーにもメッセージの配信を可能とするサービス。
通知メッセージでは広告配信は一切なしとし、ユーザーにとって重要性・必要性の高いメッセージ通知に利用範囲が限定される。例えば、搭乗便の遅延/欠航通知や公共料金の通知など個人情報は含まず、個人情報を含む通知内容の確認や手続きの継続には本人確認が必要となる。
今回発表された初期参画企業については公共性が高い事業であるとして、まずは初期参画企業とともに利便性の高い新たなユーザーサービスを順次提供して、ユーザー認知と利用拡大を図るとしている。
将来的には、同社はユーザーの反応やアカウントの動向を注視しつつ、旅行や飲食店の予約通知といった領域などへの拡大も視野に、議論と検討を進めていくという。
東京電力エナジーパートナー、中部電力、東京ガス、JAL、ANA、ヤマト運輸が参画
同日、LINE 代表取締役社長 出澤剛氏とともに、初期参画企業6社として東京電力エナジーパートナー、中部電力、東京ガス、JAL、ANA、ヤマト運輸の関係者が出席する記者発表会が開催された。
記者発表会には、東京電力エナジーパートナー 常務取締役 リビング事業本部長/商品開発室長 田村正氏、中部電力 執行役員 販売カンパニー お客さま営業部長 小山裕治氏、東京ガス 常務執行役員/リビングサービス本部リビングサービス改革プロジェクト部長/東京ガスリビングホールディングス 代表取締役社長 岸野寛氏、JAL 常務執行役員/ジャルセールス 代表取締役社長 二宮秀生氏、ANA 取締役執行役員 稲田健也氏、ヤマト運輸株式会社 営業推進部長 平島紀氏が出席。電力・ガス・航空・運輸、各領域におけるサービス事例を紹介した。
記者会見では、参画企業としてJALの二宮氏が最初に登壇。同日JALが発表した新サービスの内容を紹介した。JALでは、JALグループ国内線・国際線における30分以上の遅延や欠航など、利用者が搭乗する便の運航に関わる重要な事象が発生した場合、対象者に通知メッセージで知らせるサービスを提供する。サービス開始時期については2018年秋以降。
新サービスは、航空券予約時にLINEを利用している携帯電話番号を連絡先として登録すると誰でも利用可能。将来的には運航に関わる事象の発生に際して搭乗便の変更など、通知メッセージを利用したスムーズな手続きを実現する機能を提供予定とした。
二宮氏は「中期経営計画のJAL Visionで掲げたパーソナルでタイムリーなサービスの提供を実現するため、LINEの通知メッセージは大きな役割を果たす、期待ができるということで参画させていただいた」と新サービスへの参画理由を述べるとともに、「新サービスではご予約の段階でLINEに登録している電話番号を登録すると、そのままフライトイレギュラーの情報をご案内できる。LINEでは多くの方に通知できますしメールよりも届く率が上がっていくことに期待している。これによりPCやWebを開かずに情報を確認できる、これをまずやっていきたい。
その先は一歩先を行く価値を創っていくため、さらに便の変更やお問い合わせもその場できるようにもっていきたい。最終的な目標としてパーソナルでストレスフリーなサービスの提供を目指して取り組んでいきたい」とコメント。記者会見では、続いてANAの稲田氏らが登壇、公共料金の通知や、配送予定日時通知への活用など、それぞれのサービスの事例を示した。
LINEはコミュニケーションインフラから「生活インフラ」へ
新サービスについて、LINEの出澤氏は「ユーザーに重要性・必要性の高い情報は、いままでの公式アカウント枠組みを越えた、より広い範囲で電話番号をマッチングする仕組み。今後に関しては、まずはパートナーの皆さまとしっかりユーザーベネフィットのある実績を作っていきたい」と新サービスへの意気込みを述べた。
今後の拡大範囲については「Eコマースを利用した際の購買通知確認、行政からの各種通知、クレジットカードの利用明細、保険や金融のお知らせ、あるいは飲食店における直前キャンセル問題など、そういたものをリマインドさせるといったものにも拡大できるのではないかと考えている」と話した。
出澤氏は「我々のやりたいこととしては、ユーザーと企業さまのコミュニケーションをより便利にしたい、今の時代に合ったカタチのスムーズなものにしたいという思いがある。あるいは、ペーパーレスにより多くの紙を削減できるとか、業務の効率化など企業活動の向上にも役に立てるのではないかと思っている。LINEとしては、本日発表したパートナー企業の皆さまとこのサービスをユーザーベネフィットをもって拡げていきたい。また、LINE自身もコミュニケーションインフラの立場からさらに一歩進んで、日本の皆さまの生活を便利にする生活インフラを目指していきたい」と締めくくった。