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JAL、2017年4月~12月の第3四半期連結業績。売上高は7.2%増の1兆460億円、純利益は5.4%増の1141億円

2017年9月就航のメルボルン線、コナ線はともに計画を上回る利用率

2018年1月31日 発表

JALは会見を開き、2017年度第3四半期の連結業績(2017年4月~12月)について説明した

 JAL(日本航空)は1月31日に会見を開き、取締役専務執行役員 財務・経理本部長の斉藤典和氏と執行役員 総務本部長の日岡裕之氏が、2017年度第3四半期の連結業績(2017年4月~12月)について説明した。

 第3四半期連結累計期間(以下、第3四半期)のグループ連結売上高は前年同期比7.2%(705億円)増の1兆460億円、営業費用は7.5%(626億円)増の9008億円、営業利益は5.8%(79億円)増の1452億円、経常利益は4.5%(61億円)増の1421億円、純利益は5.4%(58億円)増の1141億円となった。

JALグループ連結業績

 市況の上昇による燃料費の増加、エンジン整備費の増加によって営業費用が増加したことから、営業利益率としては0.2ポイント減の13.9%となっている。JALは2017年11月に予約・購入・搭乗手続きに関わる基幹システムの刷新を行なったが、費用についてはイレギュラーもなく「想定の範囲内」だったとした。

 国際旅客収入では日本発の高単価需要が堅調に推移し、燃油サーチャージ収入の増加と為替の影響を合わせて10.2%(320億円)増の3464億円。旅客数は新路線の就航、増便による供給増、旺盛な需要に伴い有償旅客数は1.5%、有償座席利用率も1ポイント増の80.8%となった。単価は需要構成の変化により8.6%上昇した。ビジネスクラスのプロモーションが奏功し、渡航者が増えているとのこと。また、日本人だけでなく、中国を中心とした海外からのビジネスクラス利用客についても増加が見られる。

 国内旅客収入は4.6%(176億円)増の3985億円。有償旅客数は前売り系運賃利用者の増加による個人需要の増加、平成28年熊本地震からの回復による団体需要の増加、機内Wi-Fiインターネットサービスの無料化施策の効果があり、5.3%増加した。提供座席数自体は大きく増えていないものの、有償座席利用率が3.2ポイント上昇の72.5%となっている。

日本航空株式会社 取締役専務執行役員 財務・経理本部長 斉藤典和氏

 連結財政状態については9カ月経過段階で総資産は700億円増の1兆7988億円、自己資本が800億円増の1兆520億円で、自己資本比率は3月末対比で2.3ポイント増の58.5%となった。

 連結業績予想と配当については前回発表時から据え置きとなっている。増収傾向ではあるが、通期の見通しについては旅客・貨物の需要動向、燃油や整備関連費用の増加を勘案しての据え置きとのこと。

JALグループ連結財政状況
JALグループ連結業績予想と配当

 JALは2017年12月に超音速旅客機の開発に取り組む米国のBoom Technologyと資本業務提携を結んでいるが、これは「移動時間の短縮に大きな価値がある」と考えてのことという。マッハ2以上だと東京~サンフランシスコが5時間半、東京~シンガポールが3時間と短時間で海外に行けるようになり、旅行の価値の1つとして時間には興味があり、今後も協力していきたいとした。

 Boom Technologyからは、2023年に米国航空当局などからの承認を取得し就航開始を狙っていると聞いているそう。開発には既存の航空機技術とエンジニアを多く取り込んでいることなどから、「実現可能性は大いにあるのでは」と述べた。

米国Boom Technologyが開発を進める超音速旅客機(イメージ)

 2017年9月1日に就航した成田~メルボルン(オーストラリア)線についてはロードファクターは平均80%を超え、9月15日に就航した成田~コナ線も70%以上とのことで、「いずれも当初の計画を上回るもの」と説明した。10月29日に深夜便を増便した羽田~ロンドン線についても好調であるとのこと。

 機内Wi-Fiサービス「JAL SKY Wi-Fi」を2017年6月から国内線で無料提供しているが、顧客アンケートから「Wi-Fiが無料だからJALにした」という声が多く、計画を上回る効果が非常にあり国内線好調の一因となっているという。

日本航空株式会社 執行役員 総務本部長 日岡裕之氏