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関西エアポート、関空で自走式セルフチェックインロボットの公開実験
最先端技術やITを使用してサービスの向上を目指す
2018年1月31日 00:00
- 2018年1月29日 実施
関西エアポートは1月29日、関西国際空港で自走式セルフチェックインロボットと清掃ロボットの実証実験を行ない、その様子を報道公開した。
関空の利用者数は近年増加傾向にあり、最先端の技術やITを活用して、チェックイン時の混雑緩和や利用するお客さまストレスの軽減、また人材の有効活用によるサービスの向上を図っていく狙いがある。
公開された自走式セルフチェックインロボット「KATE(ケイト)」は、スイスを拠点に航空系システム開発などを手掛ける団体SITA(シータ)が開発。このロボットは、まだ世界で実用された例はないという。
ロボットの実演前には、関西エアポート 専務執行役員のジェレミ・ゴールドストリッチ氏が挨拶し「これらを活用して将来的には、必要な場所で、必要な時間にお客さまがストレスなく円滑なチェックインができるようになれば」と期待感を示した。
自走式セルフチェックインロボット「KATE」は、空港内で混雑する航空会社の場所や時間帯を機械に登録すると、自動で目的地まで走り、搭乗券を発行するなど固定式のチェックイン機と同じ役割を果たす。走行中に、人や荷物などの障害物を感知した場合には停止するようプログラミングがされているという。
実験期間は、KATEを2台導入して第1ターミナルの国際線出国エリアで2月5日から28日まで行なう。期間中にはロボットの安全性に問題がないかなども検証し、本格導入を目指していくという。
人材の有効活用で、さらなるサービスの充実を図っていきたい
一方、LCC専用の第2ターミナルでは自走式の最新型清掃ロボット2種類を使った実証実験を公開した。
関空では、空港の清掃を行なう従業員の数は約300名程度、そのうち床清掃にあたる人は全体の1~2割ほどとなっている。空港の利用者数が増える一方で、雇用が難しくなっている状況もあることから、広い場所の清掃などは将来的に人の手から機械へ入れ替えを行なうという。
関西エアポート 執行役員 副最高運用責任者の升本忠宏氏は、「人員の削減というよりは、ロボットを活用して仕事の効率化を図ること、またロボットの活用で空いた人員を人がやらなければならないお客さまへのサービス(トイレの清掃など)へ充てていくつもり」と最新型清掃ロボット導入に対する考えを話した。
実証実験は1月29日から2月8日まで、おもに第2ターミナルで行なう。現在検討している最新型清掃ロボットは3~4台あり、それらすべての清掃能力や安全面などを見極めたあと2018年度中に第2ターミナルを中心に広い場所への導入を目指すとしている。
今回導入された清掃ロボットは、日本初上陸のシーバイエス製の「TASKI swingobot2000」と、アマノ製の「クリーンバーニーSE-500iXII」の2機。
「TASKI swingobot2000」は本体サイズが約90×135×128cm(幅×高さ×奥行き)で、清掃範囲を機械に登録し、正確な繰り返し清掃が可能なのに対し、「クリーンバーニーSE-500iXII」は本体サイズが約140.8×96×65cm(幅×高さ×奥行き)で、一度人が運転した内容を機械が記憶しそれを再現するため、小回りの利いた自動清掃ができるという。
清掃機能はどちらも洗剤を出しながら、機械に付いているモップで液体や半固形物を拭き取り、きれいに清掃を行なう。安全面に関しては、どちらの機械にもセンサーが付いており、人や荷物を感知すると、障害物をよけたり、停止するようになっている。