ニュース

「JAL向津具(むかつく)ダブルマラソン」開催、300m以上の高低差に元“山の神”柏原竜二氏も「ぶち、むかつく!」

山口県長門市とJALの共催

2017年6月11日 開催

「JAL向津具(むかつく)ダブルマラソン」が6月11日に開催された

 JAL(日本航空)と山口県長門市との共催による「JAL向津具(むかつく)ダブルマラソン」が、6月11日に開催された。

 山口県長門市の北西に位置する向津具半島を舞台として、42.2kmのフルマラソン、84.4kmのダブルフルマラソン、30.2kmをウォーキングする棚田ウォークの3種目が行なわれた。

 スタートとゴール地点となる油谷総合運動公園(山口県長門市油谷河原)には、早朝から多くのランナーが集結。レースのスタート時刻は、ダブルフルマラソンが6時、シングルフルマラソンと棚田ウォークが9時。距離の長いダブルフルマラソンが先にスタートする。

 スタートセレモニーでは、大会会長であり長門市 市長の大西倉雄氏、実行委員会の名誉顧問の安倍昭恵氏、ゲストランナーの柏原竜二氏らが出席し、スタート前のランナーに向かって激励の言葉を述べた。

大会会長の大西倉雄長門市長
実行委員会 名誉顧問の安倍昭恵氏
日本航空株式会社 九州・山口地区支配人の溝之上正充氏
ゲストランナーを務めた柏原竜二氏は「走る気はあるかー!!」とランナーたちに向けてエールを送る
6時にダブルフルマラソンがスタート

高低差300m以上の勾配を駆け上がる難所に「ぶち、むかつく!」

「JAL向津具ダブルマラソン」のコース

 6時にダブルフルマラソンのスタートを告げる号砲が鳴り、約320名のランナーたちが運動公園から向津具半島の西に向かった。この3時間後には、フルマラソンと棚田ウォークのスタートが控えている。

 コース途中には、各自治体のボランティアによるエイドポイントが設置されており、ドリンクやフードなどをランナーに提供する。エイド間には給水ポイントもあり、ボランティアにはおよそ500人が参加したとのこと。

 コースは「立石観音」や「元乃隅稲成神社(もとのすみいなりじんじゃ)」「千畳敷」など、長門市が誇る景観のよいポイントを通るルートとなっている。先にスタートしたダブルフルマラソンのコースやエイドポイントなどから紹介していく。

油谷大橋の下をくぐって西に向かう
最初の給水ポイントはスタートから8kmの位置
ダブルフルマラソンとシングルフルマラソンの分岐点。ダブルフルマラソン組は直進し、向津具半島の西側を周回する
スタートから11.7kmにある最初のエイドポイント「パタ屋エイド」。飲料のほかに、バナナやチョコレート、梅干しなどが用意されていた
22.4kmの「大浦エイド」。地元住民により運営されていた
半島の北端にある川尻岬の手前に折り返しポイントが用意されており、半島を時計回りに進む。シングルフルマラソンのコースに合流するかたちとなっている
31km地点の給水エリア
33.6km地点に設置されていた「川尻エイド」。こちらにはアンパンも用意されていた

9時にシングルフルマラソンと棚田ウォークもスタート

シングルフルマラソンがスタート
5分後に棚田ウォーク(約30km、計測なし)がスタート

 ダブルフルマラソンのスタートから3時間後の9時、シングルフルマラソンと棚田ウォークがスタートした。

 向津具半島は東西に長く、ダブルフルマラソンのみ半島の西端を周回するコースとなっている。シングルフルマラソンと棚田ウォークは、半島の付け根側の立石観音や元乃隅稲成神社に向かって北上し、東まわりで再び油谷総合運動公園に帰ってくる。

 ダブルフルマラソンは西側で35km以上を走り、東に向かう途中でシングルフルマラソンのコースと合流し、ゴール前で再び西に向かってからゴールに帰ってくるハードなコース。

 今回のマラソンコースの最大の特徴として、高低差が挙げられる。海抜0mに近い場所から最高地点である千畳敷(標高333m)と、急なアップダウンを強いられることとなり、ランナーには距離以上の疲労が蓄積するレース。

 続いて全参加者が走る半島の東側を紹介する。

シングルフルマラソン最初の給水ポイントはスタートから約6kmの地点。ダブルフルマラソン組が合流してくる地点でもあり、すでに36kmほどの距離を走っている
ゆるやかな下りのストレート。左手には日本海が見える
8.1km(ダブルフルマラソンは38km)地点には「立石観音」が見えてきた。左側は約41mの沖の島、右側は約20mの地の島と呼ばれている
立石観音にも「立石エイド」が設置されていた。漁港の婦人部による運営とのこと
およそ12km(ダブルフルマラソンは約42km)には、元乃隅稲成神社(もとのすみいなりじんじゃ)があり、絶景と運営スタッフによる撮影サービスのポイントとして賑わっていた
元乃隅稲成神社を過ぎてすぐの場所に計測ポイントが設置されていた。ここを通過しないと記録されない

 元乃隅稲成神社を過ぎて、次なるポイントは一番大きなエイドポイントである千畳敷。標高333mと今回のコースで最高の標高で、向かう道も急勾配。その坂の登り口ではゲストランナーの柏原竜二氏がランナーたちとハイタッチで応援。途中、誰もが急勾配を歩いて進むところに、声をかけながらダッシュで駆け上る姿を見せるサービスも。元「山の神」の姿を間近で見られたランナーたちは表情を明るくしていた。

勾配の中腹あたりで撮影していると、なにやら下の方から声が……。柏原氏が「行くぞー!」と声を上げながら坂を駆け上がっていく場面に遭遇
16.3km(ダブルフルマラソンは47.3km)地点には、2カ所目(ダブルフルマラソンは5カ所目)の千畳敷駐車場がエイドポイントとして設置されていた
JALのテントには東京や福岡からボランティアで参加したスタッフたちの姿があった。今回参加したJAL社員は100名を超える
エイド会場内では、JAL機内で提供されているSKY TIME(キウイ味)が人気だった
長州鶏を使用したカレーでしっかり栄養補給
エイド会場となった駐車場の奥には千畳敷の広大な芝生が広がっていた
千畳敷エイドを出てすぐには分岐ポイントがあり、左がマラソン、棚田ウォークは直進となる
19km地点(ダブルフルマラソンは50km)の給水所
黄波戸温泉交流センターをベースとした「矢ケ浦エイド」。スタートから23.2km地点(ダブルフルマラソンで約54.2km)に位置していた。提供メニューは基本的にどのエイドも変わらないが、このエイドではさらに豆腐が提供されていた
最後のエイドポイントとなっていた「宇津賀エイド」。スタートから34km地点(ダブルフルマラソンで65km)。シングルフルマラソンは残り10kmを切りラストスパート。
ダブルフルマラソンのスタートから7時間以上が経過し、上位グループがゴールし始めた
スタートとゴールの会場となった油谷総合運動公園の芝生広場にはさまざまなショップが出店していた
表彰式は男子が39歳以下、40歳台、50歳以上に分けられ、女子は49歳以下、50歳以上で上位3名の表彰式が行なわれた
表彰式で記念品の贈呈を行なったのは、JALのCA(客室乗務員)である岡本由佳氏(左)と中村未羽氏(右)。2人とも山口県美祢市の出身

 今回のレースは、2016年12月にエントリー受付が開始されたが、初日の数時間ですべてのクラスが埋まるほどの人気だった。来年も開催予定とのこと。

 なお、今回の各クラスのトップタイムは、ダブルフルマラソン(84.4km)で男子が6時間30分47秒、女子が8時間37分44秒。シングルフルマラソン(42.2km)は、男子が2時間57分9秒、女子が3時間33分だった。

 柏原竜二氏の言葉を借りると、地名と過酷なコース条件により「ぶち、むかつく!」ことで、来年も人気のレースとなりそうなマラソン大会だ。