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JR西日本、「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」の旅の始まりを彩る「瑞風ラウンジ」が京都駅に完成

2017年5月31日 公開

「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」のラウンジがホテルグランヴィア京都に完成

 6月17日から運行を開始するJR西日本(西日本旅客鉄道)の「TWILIGHT EXPRESS 瑞風(みずかぜ)」(以下、瑞風) の運行開始に合わせ、瑞風の旅のスタート地点となる専用ラウンジが京都駅に完成、5月31日に報道公開された。

 京都駅「瑞風ラウンジ」は、駅と直結する「ホテルグランヴィア京都」の15階にある。内装は、瑞風の車両インテリアの監修を務める建築家・インテリアデザイナーの浦一也氏が手がけたもので、アール・デコ調の直線を基調とした室内で、瑞風グリーンに合わせた色調となっている。

 同様のラウンジは大阪駅にも設けられるが、そちらは「ホテルグランヴィア大阪」20階の「クリスタルルーム」を、瑞風の運行に合わせてラウンジとして使用するもので、瑞風専用の常設ラウンジは京都駅のみの設置となる。また、下関駅にはホーム上に瑞風乗客がくつろげるスペースが用意されるが、ラウンジは設けられないようだ。

 瑞風に京都から乗車する乗客は、まずこの「瑞風ラウンジ」でチェックインを行なう。チェックインはいたってシンプルで、専用のペンで署名するのみ。ルームキーを渡されて完了となる。乗車券はないとのことで、まさに走るホテルだ。なお、チェックイン時間は瑞風出発時刻の約90分前からとのこと。

京都駅「瑞風ラウンジ」エントランス
エントランスを通ると受付があり、ここでチェックインを行なう
瑞風グリーンの専用ペンと、ルームキー。旅への期待感がふくらむ

 チェックインが済むと、出発まではラウンジで過ごす。受付やトイレを含まないラウンジスペースは約80m2で、瑞風の定員34名分の椅子が用意され、ゆったりと過ごせる。椅子には木製のテーブルが備え付けられており、ドリンクやお菓子のサービスも置き場所を気にせず楽しめる。

ラウンジ全景。定員34名がゆったりと過ごせる
スタッフは最大約20名が待機、うち14名が乗客を案内して瑞風に乗務する
テーブル付きの椅子。パーソナルスペースも広めにとられている
窓際の席。京都タワーや京都市中心部が一望できる

 ラウンジでは、特別な旅の出発にふさわしいおもてなしが提供される。その一つが、ドリンクやスイーツの提供だ。ドリンクはジュースなども用意されるが、特に日本酒とお茶は京都らしさにこだわっている。

 日本酒は、佐々木酒造(京都市上京区)の「聚楽第大吟醸エクストラプレミアム」。その名のとおり、聚楽第跡地に湧き出る名水「銀明水」を使ったもので、精米歩合40%の山田錦を杜氏が精魂込めて醸しあげた最高級品質の大吟醸だ。平成28酒造年度(2016年)の全国新酒鑑評会で金賞を受賞している。

「聚楽第大吟醸エクストラプレミアム」を手にする支配人 樺山高弘氏。乗客へのサービス全般の責任者を務める
ドリンクとスイーツをサーブするサービスクルーの古賀梨紗子氏
スタッフは常に気持ちのよい笑顔で応対

 お茶は、小畑園(京都府宇治田原町)より瑞風ラウンジ用に仕上げた最高級の玉露が用意され、茶どころ宇治で400年の歴史を持つ窯元「朝日焼」による瑞風オリジナルの茶器で提供される。

ドリンクとスイーツ。もちろんコーヒーや紅茶も最上のものが用意される

 もちろん、スイーツも瑞風オリジナル。京都北山マールブランシュ(本店:京都駅伊勢丹内)による「四季の瑞風アソート」は、クラシカルな旅行鞄のようなお菓子箱に、京スイーツのお濃茶ランドグドシャ「茶の菓」と、チョコレート「お干菓子猪佇古礼糖(おひがしちょこれいと)」が丁寧にしまい込まれたもの。繊細な味わいはもとより、食べ終わったあともお菓子箱を持ち帰りたくなるほど上質な仕上がりだ。

「四季の瑞風アソート」。大きさはたばこの箱くらいで、非常に凝った作りになっている
お菓子とドリンクのサーブの様子が実演された

 なお、ラウンジでは瑞風の出発前に、京都の文化にゆかりのある人物たちによる高話があるという。その内容に関しては明らかにされていないが、5月末日時点では以下の文化人・知識人の高話が予定されているとのこと。

・鈴鹿加奈子氏(聖護院八ッ橋総本店 専務取締役)
・笠岡隆甫氏(華道 未生流笠岡 家元)
・大西清右衛門氏(釜師)
・大原千鶴氏(料理家)
・荒木稔雄氏(魚三楼 九代目当主)
・川尾朋子氏(書家)

 乗客のチェックインが済み、瑞風の旅の出発時刻が近づくと、ラウンジ入口にスクリーンが現われ、瑞風のプロモーション映像が上映される。内容は、瑞風アンバサダーである葉加瀬太郎氏による「瑞風~MIZUKAZE」の爽快なバイオリンの音色に合わせ、雄大で美しい景色を走る瑞風の雄姿や、車内でサービスを行なったり、食事やカクテルを作ったりするスタッフの様子などが次々に映し出されていくもの。これから始まる旅への期待感がいっそう高まる。

 プロモーション映像の上映が終わると、いよいよ瑞風への乗車となる。14名のスタッフが定員34名の乗客を案内し、京都駅0番線ホームに停車する瑞風に向かう。このルートはホテルグランヴィア京都の15階にある瑞風ラウンジから瑞風までわずか2~3分とのことで、公開はされていない。また、改札も経由せず直接ホームにつながっているという。

 TWILIGHT EXPRESS 瑞風の運行まで、残り2週間あまり。瑞風ラウンジも完成し、ハード面ではほぼ準備は完了したが、サービスなどソフト面ではいっそう完成度を高めるべく、乗員・スタッフの訓練が続いている。

瑞風の総責任者を務める、列車長の長尾寛氏。「乗客の皆さまにご満足いただける世界一の列車にしたい」と話す
樺山氏と古賀氏。古賀氏は「乗客の皆さまと絆が生まれるような応対を心がけたい」と話した