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NEXCO中日本、“地産地消”“プチ贅沢なメニュー”テーマに第9回「メニューコンテスト」開催
管内サービスエリアの35店舗から勝ち抜いた11店舗の新作メニューからグランプリを決定
2017年2月24日 20:58
- 2017年2月19日 開催
NEXCO中日本(中日本高速道路)は2月19日、第9回「メニューコンテスト」を東京・代々木にある服部栄養専門学校で開催。同社管轄のSA(サービスエリア)のレストランから栄えあるグランプリ(最優秀賞)を決定するものだ。
今回のテーマは「地域の食材を使った“自分へのご褒美になるプチ贅沢な逸品”」で、高速道路の利用客が旅行を楽しむ際に少しだけ贅沢をする、ワンランク上のメニューを提供することになっている。
コンテスト本選に臨むにあたり、35店舗が予選に参加。東京、静岡、名古屋、八王子、金沢の各地区ごとに試食審査を行ない、勝ち抜いた11店舗が今回のコンテストに参戦した。
コンテストは審査員5名による調理審査と試食審査が行なわれ、最優秀賞(1品)、審査員特別賞(3品)、優秀賞(それ以外の出品メニュー)が決定される。審査は「味」「品質」「価格」「独創性」「こだわり」の5項目をチェック。学校法人服部学園 理事長の服部幸應氏、フードジャーナリストの中村壽美子氏、中央公論新社 常務取締役 グループ・メディア担当の福士千恵子氏、中日本エクシス 代表取締役社長の青山忠司氏、中日本エクシス 東京広報室 食生活ジャーナリストの加藤貞仁氏の5名が担当した。
なお、国際交流の特別ゲストとして台湾の関西サービスエリアを運営している「新東陽」も参加した。新東陽は台湾各地に土産物屋を展開していることでも知られている。今回は“プチ贅沢な逸品”ということで、ハタの一種である高級魚の「タマカイ」を使った郷土料理を披露した。
開会にあたっては、中日本エクシス 代表取締役社長の青山忠司氏が登壇し、「メニューコンテストの目的としては、レストランの料理長に意欲的に新規メニューの開発に取り組んでいただき、地域性、創造性にあふれる料理をお客さまに喜んでもらいたいという思いで開催しています」とコンテストの目的を説明。続いて「今回は“プチ贅沢な逸品”というテーマに沿った高速道路のサービスエリアならではのおもてなし、自分へのご褒美となる少しだけ贅沢なメニューを提供し、楽しんでいただくという思いを込めて設定したものです。各地域の旬の食材を活かしたメニューを楽しんでいただくことが高速道路と地域の連携、ひいては地産地消、地域の活性化につながることを期待しています」と挨拶した。
結果発表
調理審査、実食審査を経て、各賞が発表された。まず、審査員特別賞として、新東名 NEOPASA駿河湾沼津(上り)の「富士山麓・水と緑の彩り膳」、東名 浜名湖SAの「浜名湖彩り玉手箱」、中央道 諏訪湖SA(下り)の「さくらしゃぶしゃぶ(馬味到福)」の3メニューが選ばれた。
そして最優秀賞には、北陸道 有磯海SA(下り)の「越中とやま食の味めぐり ~つなぐ~」が選出された。製造元であるホテルニューオータニ高岡は、NEXCO創立10周年を記念して昨年に行なわれたNEXCO 3社合同開催の「SA・PAメニューコンテスト全国大会」でもグランプリを勝ち取った実績を持つが、今年は料理長である畑氏から副料理長の麻生氏に役目をバトンタッチ。そのプレッシャーを見事はねのけて栄冠に輝いた。
惜しくも届かなかったその他の7メニューには優秀賞が贈られた。結果発表が遅れるなど審査は難航を極め、どの審査員も僅差で選出した旨を繰り返し語るなど、実力伯仲の戦いだったことが伝わってきた。なお、特別参加した台湾の新東陽には、台湾の食文化を日本に伝え、国際交流に貢献したとして、「食文化特別賞」が贈られた。
各審査員のコメント
中村壽美子氏(フードジャーナリスト)
これだけがよかったというわけではないのです。私たち審査員は毎回苦しんでおります。本当に僅差なのです。落ちた方は運が悪かった、受賞された方は運がよかったと、それくらいの気持ちで次回も頑張ってもらいたいと思います。今回のメニューのなかで、私はさくら肉が苦手だったのですが、今回から好きになりました。生で食べさせたり、あぶったりと、変化をつけて握り寿司を楽しませてくれました。品数は少なかったのですが、十分満足いく食べさせ方が入っていたと思います。私は器にもうるさいのですが、食材に合ったお皿を用意するなど、食べる楽しみもありました。今の時代はお肉にしてもエサはどこのものを使っているのか、そういったことも重要になってきています。今後も総合的に視野を広げた形で来年も勝負してもらいたいと思います。
福士千恵子氏(中央公論新社 常務取締役 グループ・メディア担当)
審査させていただくのは初めてなのですが、予想以上に皆さんが地元の食材、食文化、歴史を勉強されてメニュー作りをされていたことに感心いたしました。高速道路のお店の場合だと、街にある店舗とは違って、入った店舗で偶然に出会う料理も多いかと思います。そうした時に、その地域を知る最初の窓口となるお膳だったり、お皿だったりするかと思います。その際に料理だけでなく、提供される時のプレゼンであったり、ご案内も大切かと思いますので、そういった部分もご配慮されてお客さまと接してもらえるといいなと思います。
加藤貞仁氏(中日本エクシス 東京広報室 食生活ジャーナリスト)
今年は昨年優勝したホテルニューオータニ高岡を破ってくれるところが出てきてくれないかなと思っておりましたが、結果はこのようになりました。ですが、昨年優勝した畑さんがサポートに回り、麻生さんという若い力で勝ち取った。これは職場の力だと思います。1人の傑出したシェフに任せるのではなく、みんなで知恵を出し合ってきたのではないかと思います。同じところが最優秀賞を取りましたが、ものすごく大きな意義があることだと思います。注文があるとすると、旬でもない生のトマトを彩りだけで加えることはいかがなものかと思います。その時期に美味しいものなのかどうかを、今一度考えてメニューの素材選びをしてもらいたいと思います。
服部幸應氏(学校法人服部学園 理事長)
長年審査員をやってきて感じたのは、地産地消が当たり前になってきました。昔は北海道から沖縄まで、金太郎飴のように“どこを切っても同じ”といったように、同じものが出てきていたのですが、今ではその地域の特徴あるものが活かされている。うれしいことです。我々、審査していてどこに入れようか大変悩み、0.1点とかそれくらいの差で決まったような部分もあります。組織力の強さという話がありました。私は今、食べログで高い評価を得ている店に行っています。5点満点なのですが、最高は4.6で、4.5以上の店だと20軒くらいしかありません。ほとんどが3カ月先まで予約で埋まっていて、その時の体の調子や本当に美味しいのか分かりませんが、予約をして行っています。それで、何を見に行っているかと言うと、そこのお店の料理はもちろんのこと、サービスなんですよね。4.5を超えたところは一律、このサービスが素晴らしい。これは、料理人をはじめとして、スタッフも1位を取ってやろうと思っているからなんですね。今回のコンテストに出てきた料理はどれもが素晴らしいです。さらにそのなかで、従業員の方も同じように動いて、一体になっていけるかどうかも含めて検討してみてください。もっともっと、評判のよい店になっていくと思います。