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ANA、長野県のグルメや景勝地をPR、「Tastes of JAPAN by ANA NAGANO」を3月~5月実施
飛行機に乗って来日する外国人観光客を信州へ
2017年2月20日 17:45
- 2017年2月20日 発表
ANA(全日本空輸)は、日本各地の地方の魅力を国内外に発信するプロジェクト「Tastes of JAPAN by ANA」の第15弾として、2017年3月~5月の3カ月間、長野県、茨城県、高知県を特集する。この開始にあたり、2月20日に長野県で「Tastes of JAPAN by ANA NAGANO」についての記者会見を実施した。
Tastes of JAPAN by ANAは2013年9月にスタートした地域発信プロジェクトで、3カ月のサイクルで3件ずつを取り上げ、47都道府県すべてを紹介するというもの。ANAの機内サービスやWebサイト、通信販売などを通じて各都道府県の「食」「酒」「スイーツ」「文化」などを発信する。
今回取り上げる長野県について、ANA代表取締役社長の篠辺修氏は「3000m級の日本アルプスを要しており、善光寺、松本城、諏訪大社、上高地など日本を代表する景勝地、観光地がたくさんある。上高地は特別名勝・特別天然記念物に指定されて65周年という節目」と紹介。
さらに、長野市が市制施行120年、松本市が同110年という節目を迎えることも、この2017年に長野県を取り上げる一つの理由として挙げた。
Tastes of JAPAN by ANA NAGANOを通じては、「地獄谷野猿公苑は世界で唯一猿が温泉に入るということで、特に外国人のお客さまにとっては大人気の観光スポットになっている。例えばヨーロッパにいるとお猿さんが日常のなかにいない。日本に来られる海外のお客さまにもっと文化や名所旧跡を見ていただきたい」とする一方で、「Tastes of JAPAN by ANAをやってみて、日本人も(各地に)行っていないというのがよく分かった。もっと国内線でも、機内販売でもいろいろな宣伝をしていきたい。機内販売でヒット商品が出れば事業としてもよいこと」と、国内・国外双方に向けた情報発信をしていくことを強調した。
ちなみに、長野県にある松本空港(信州まつもと空港)にはANA便が就航していないが、「地上交通機関には期待を寄せている。長野は新幹線で日本海側とも、首都圏とも、名古屋ともつながっている。若干の悔しさはあるが(笑)新幹線が金沢まで延伸して、便利なったことで海外のお客さまに来ていただければ、その方々は飛行機で日本に来られる方がほとんど。空港、路線があろうとなかろうとどんどん宣伝していく」とコメント。
新幹線ネットワークにおける長野県を、航空ネットワークにおけるハブ(結節点)になぞらえ、「どちらからのお客さまも長野からまたいろんなところへ行ける。その発信力のお手伝いをできれば」と述べるとともに、「松本空港も利用者が増えれば、我々にもチャンスが生まれるのではないかと思うので、そのチャンスを生むためにもこのプロジェクトが成功してほしい」と将来への期待を寄せた。
続いて挨拶した長野県知事の阿部守一氏は、「海外から多くの観光客を迎える県になってきている。信州といえば、日本のなかでの観光地というポジションはほぼ確立しているといっても過言ではないと自負しているが、海外からの誘客については、いま一つ遅れているというのが私の率直な感覚」とし、訪日客の多くが利用する飛行機を運航する航空会社とのコラボレーションを通じた発信に期待。長野県ののべ宿泊者数は2016年の1月~11月で約107万人と初めて100万人を突破。200万人を次の目標としている。
さらに、「若干の宣伝を」と前置きしたうえで、長野県の魅力を次のように紹介した。
「長野県は、日本で唯一だと思うが日本酒・ワイン振興室を作っている。ワイナリーも増えている。日本酒も鑑評会で“信州日本酒全国No.1奪還プロジェクト”を進めている。酒蔵の数は180を超えているし、先日の内閣府のイベントで外に向けてもっと日本酒をPRしていく取り組みを進めている。
内陸県なので海産物などにはやや課題があるが、今回取り上げていただいている信州サーモンや信州大王イワナなど、淡水魚でありながら海の魚にひけをとらない良質なものも水産試験場で開発をしてきている。
日帰り温泉日本一多い県。スキー場は海外からもたくさんお越しいただき、オリンピック・パラリンピックを開催した地でもある。
最近は星空観光がかなり注目集めているが、県平均が標高1000mを超えている宇宙にもっとも近い県で、国立天文台や東京大学などの宇宙観測施設も多くある。
文化的にもセイジ・オザワ 松本フェスティバル(サイトウ・キネン・フェスティバル松本)という、小澤征爾氏を中心に毎年夏から秋にかけての音楽イベントがある。
国宝としては松本城、善光寺などがあり、言い出すと切りがないので、このへんで止めるが、これらをANAの皆さんと協力して世界に発信していきたい」。
記者会見中には、後述のコラボレーションメニューのなかから、羽田空港国際線 ANA SUITE LOUNGE DINING hで提供する「信州和牛モモのステーキ」の試食も行なわれた。阿部知事は、「美味しい。長野県もいま食を中心に観光アピールしていこうと思っている」とコメントしたほか、「牛肉の分野は都道府県間の争いが極めて激しい分野。今回のANA SUITE LOUNGEには舌の肥えたお客さまが大勢いらっしゃると思うので、そういう皆さんにアピールすることで信州の牛肉の素晴らしさを伝える契機にしたい」と今回の取り組みに感謝と期待の言葉を寄せた。
一方の篠辺氏は、「この取り組みでいくつかの都道府県をまわっているので、いろいろななお肉を食べて舌が肥えてきたが、美味しい。赤身の美味しさがよく出ている」と評価した。
このほか、会見の最後には、ANA執行役員 中部支社長の丹治康夫氏が挨拶。「この機会で、長野県とANAの絆は一層深くなった。昨今は訪日旅客数の増加が取り沙汰されているが、海外のお客さまは意外なところから意外な形で火が着くことがある。長野県は8つの県に囲まれている。直接の航空旅客をお運びするのは今のところ難しいが、北陸ルート、関東ルート、中部ルートといろんなルートから海外のお客さまがいろんなところから来られる希有な立地。我々はその立地を活かして、富山空港、新潟空港、セントレア、もちろん関東も含め、海外から多くのお客さまを運ぶこと」が使命であるとし、長野県の情報発信に力を注ぐ意向を示した。
また、「今回の主旨とは外れるが」と前置きしたうえで、飯田市が進める航空産業クラスタ形成のプロジェクトにも言及。「飯田地区では私どもの整備面で非常にお世話になっている。航空産業の発展は目覚ましいものがあると思うので、飯田地区の貢献も我々は非常に期待している。一緒に航空産業の発展にも携わっていきたいと思っている」とした。
Tastes of JAPAN by ANA NAGANOの取り組み
ラウンジ提供メニュー
信州和牛モモのステーキ
長野県産の和牛モモを利用者の好みに焼き、浜御塩・和風ソースとともに好みの味付けで提供。
提供ラウンジ:羽田空港国際線 ANA SUITE LOUNGE DINING h
提供期間:2017年3月1日~31日
信州サーモン燻製の瞬間焼き、イカスミパスタ添え 焼き菜種オイルソース
表面だけ瞬間焼きした「信州サーモン」の燻製に、イカスミパスタを添えた。
提供ラウンジ:羽田空港国際線 ANA SUITE LOUNGE DINING h
提供期間:2017年4月1日~30日
マリネポークのロースト 熟成味噌ソース
石井味噌の熟成された味噌をベースとした「十年熟成味噌ソース」でポークをマリネ。
提供ラウンジ:羽田空港国際線 ANA SUITE LOUNGE DINING h
提供期間:2017年3月1日~5月31日
ANAオリジナルパフェ 長野県産甘酒
クリームたっぷりのアイスクリームと、甘さ控えめな赤い桃のコンポートで、「信濃錦 純正あま酒」(宮島酒店)の風味を味わえる。
提供ラウンジ:羽田空港国際線 ANA SUITE LOUNGE DINING h
提供期間:2017年3月1日~31日
松本一本ねぎ餃子
風味豊かな「松本一本ねぎ」をたっぷり使用した餃子。ネギの特徴が出るようにニンニクは使用していない。
提供ラウンジ:羽田空港/成田空港国際線 ANA SUITE LOUNGE
提供期間:2017年3月1日~5月31日
長野県産あきたこまち(金芽米)
「亜糊粉層」という米の一番美味しいと言われる部分を残した長野県産あきたこまちの金芽米。
ラウン
提供ラウンジ:羽田空港/成田空港国際線 ANA SUITE LOUNGE
提供期間:2017年3月1日~5月31日
ラウンジで「國酒」を提供
羽田空港国際線と関空国際線のANA LOUNGEの「國酒」のコーナーで、長野県産14銘酒を提供。羽田空港国際線ラウンジでは1カ月4銘柄ずつを3カ月、関空国際線ラウンジでは2銘柄を3~5月の3カ月間提供。
2017年3月、羽田空港 国際線 ANA LOUNGEで提供
・株式会社今井酒造店「若緑 大辛口」
・木内醸造株式会社「初鶯 特撰本醸造」
・合資会社宮島酒店「信濃錦 特別純米酒 命まるごと」
・株式会社丸世酒造店「旭の出乃勢正宗」
2017年4月、羽田空港 国際線 ANA LOUNGEで提供
・黒澤酒造株式会社「純米酒生酛造り(ト)」、※(ト)は○の中にト
・宮坂醸造株式会社「真澄 奥伝寒造り」
・七笑酒造株式会社「七笑 純米酒」
・大信州酒造株式会社「大信州 手の内 純米吟醸」
2017年5月、羽田空港 国際線 ANA LOUNGEで提供
・信州銘醸株式会社「瀧澤 特醸(本醸造)」
・髙天酒造株式会社「髙天 純米吟醸」
・米澤酒造株式会社「今錦 純米大吟醸」
・株式会社薄井商店「白馬錦 純米吟醸 美米酒」
機内食
信州サーモンのタルタルとフレンチトースト 塩レモンとともに 宮崎キャビア1983 を添えて
フレンチトーストの上に、細かな肉質・とろけるような味わいの「信州サーモン」のマリネのタルタル仕立てをアレンジ。ちなみに「宮崎キャビア1983」は2016年3月~5月の国際線ファーストクラス提供機内食で使用されて以来、1年ぶりの再登場となる。
提供路線:欧米路線・シンガポール路線の一部の便(日本発、一部路線を除く)
提供クラス:ファーストクラス
提供期間:2017年3月1日~5月31日
信州発えのきヨーグルトのフローズンアイスクリーム ビスキーマルジョレーヌ添え
信州産のえのきたけから抽出したエキスと信州産生乳を使用した「えのきヨーグルト」を、フローズンヨーグルトアイスクリームに。
提供路線:欧米路線・シンガポール路線の一部の便(日本発、一部路線を除く)
提供クラス:ファーストクラス
提供期間:2017年3月1日~5月31日
クロワッサンワッフル 長野県産あんずジャムとバニラアイスクリームを添えて
ほんのり温かいクロワッサンワッフルにバニラアイスクリームを添えたスイーツ。長野県産のあんずを使用したジャムと一緒に味わう。
提供路線:欧米路線・シンガポール路線の一部の便(日本発、一部路線を除く)
提供クラス:ファーストクラス
提供期間:2017年3月1日~5月31日
郷土料理 長野
長野県ブランド魚「信州サーモン」、長野名物の「野沢菜」を使った料理など長野県産品をふんだんに使用。
前菜:浸し豆、山賊焼き、山葵漬け
煮物:野生種えのき
造り:信州サーモン叩き
主菜:信州サーモン幽庵焼き、野沢菜おやき
ご飯:長野県産・金芽米きんのめぐみ
香の物:野沢菜漬け、しょうゆ豆
提供路線:バンコク・シンガポール・ジャカルタ・クアラルンプール路線(日本発、一部路線を除く)
提供クラス:ビジネスクラス
提供期間:2017年3月1日~5月31日
和牛のロール仕立て 長野県産きのこ添え 高知県産生姜風味の和風ソース
彩り鮮やかな長野県産の「ときいろひらたけと・たもぎ茸」のソテーを添えた和牛のロール仕立て。さっぱりとした生姜風味の和風ソースを合わせている。
提供路線:欧州・バンコク・シンガポール・ジャカルタ・クアラルンプール・インド路線(日本発、一部路線を除く)
提供クラス:ビジネスクラス
提供期間:2017年3月1日~5月31日
機内販売
国内線機内サービス「My Choice」で、軽井沢ブルワリーの「THE軽井沢ビール~桜花爛漫~」を販売。満開の桜を爽やかなのどごしで再現しているビールだという。
機内番組
カメラを搭載したドローンで上空から撮影した長野県の魅力、味や名産品を紹介するオリジナル機内番組「SKY EYE~空からのメッセージ~牛に★引かれて★長野編」を放映。約26分の番組には、長野県観光大使で俳優の峰竜太氏が出演。ナレーションは女優の余貴美子氏が担当。
国際線全便で3月~5月の3カ月間、国内線では3月の奇数便で放映する(いずれも一部機材を除く)。