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愛犬と機内でも一緒! JALが「ワンワンJETツアー」開催

成田~鹿児島のチャーター便同乗レポート

2017年1月27日~29日 実施

JALとジャルパックは1月27日~29日、愛犬と飛行機の客室内で一緒に過ごせるツアー「JALチャーター便で行く ワンちゃんとの旅 ワンワンJET鹿児島3日間」を実施した

 JAL(日本航空)とジャルパックは1月27日~29日、愛犬と飛行機の客室内で一緒に過ごせるツアー「JALチャーター便で行く ワンちゃんとの旅 ワンワンJET鹿児島3日間」(以下、ワンワンJETツアー)を実施した。

 ツアーは2泊3日で、成田~鹿児島間は往復ともJALのチャーター便を利用。宿泊は、愛犬と一緒に泊まれる「ドッグリゾート鹿児島 CoCoフォレいむた」か、「霧島観光ホテル」の「Kiri Dog」「D+PREMIUM」のいずれか。ツアーは12月13日の発売日に完売するほどの人気だったとのことだ。32組、63名と32匹が参加したこのツアーの1日目に同行したので、往路の様子や宿泊先についてレポートする。

JALチャーター便で行く ワンちゃんとの旅 ワンワンJET鹿児島3日間

期間:2017年1月27日~29日 2泊3日
運航区間:成田(09時30分)発~鹿児島(11時50分)着予定、鹿児島(15時25分)発~成田(17時00分)着予定
機材:ボーイング 737-800型機(JA339J)
便名:JL1111便(ワンワンワンワン)※往復同一便名
料金:14万8000円など(4名+愛犬1匹で1室の場合、1人あたりの料金)
宿泊先:ドッグリゾート鹿児島 CoCoフォレいむた/霧島観光ホテル「Kiri Dog」「D+PREMIUM」のいずれか(※食事は朝夕付き)

 ワンワンJETツアーは、JALとジャルパックにとってペットを客室内に入れる初めての試みであったため、イオンペットとイオンコンパスの協力を得て企画。全国の宿泊地をリサーチし、愛犬を連れての宿泊に適した施設を備え、温泉や観光資源が豊富であることなどからドッグリゾート鹿児島と霧島観光ホテルが選定された。

 ツアーは往復の飛行機と宿泊以外はフリープランとなっており、これは飼い主と愛犬にマイペースに観光を楽しんでほしかったからとのこと。現地での移動は犬の同乗がOKのレンタカーを利用するが、車内ではクレート(キャリー)に入れてシートに固定するルールで、給餌は禁止となっている。ツアー代金には往復の航空券、宿泊(朝夕食付き)、レンタカー代などが含まれている。またツアー中は2名の獣医師が同行する。

成田国際空港 第2ターミナル 国内線チェックインカウンターには、ワンワンJET専用の受付が設けられていた

 成田国際空港 第2ターミナル 国内線チェックインカウンターでは、7時30分からチェックインが開始された。チェックインカウンターは一般の搭乗客とは分けられており、ツアー客はフロアのツアーの奥に進んで受け付けを行なう。受付では今回のツアー専用に作られたクレートを渡される。往復の機内やレンタカーの車内では、愛犬をこのクレートに入れて移動することになる。

 チェックインカウンター前にはパーテーションで仕切られたエリアがあり、このなかには愛犬との記念撮影ができるスペース、受け取ったクレートに愛犬を入れるスペースが設けられていた。

受付を済ませたツアー客には今回のツアーのために作られたクレート(キャリー)が渡される
7時30分から受け付けが開始された
チェックインカウンター前にパーテーションで仕切られたエリアが設けられていた
パーテーション内では愛犬と記念撮影ができるようになっている。往路の機内までプロカメラマンが同行する
ここから鹿児島空港を出るまで愛犬はクレートの中なので、スペース内には水を飲んだり用を足したりできるスペースがある。環境が異なると、きちんとしつけられた犬でも粗相をしてしまうことがあるので、犬用のおむつが用意されているのはうれしい配慮だ
ここで愛犬をクレートに入れる

 クレートに入れ終えると、あらためてチェックインとなる。犬の耳を頭に着けたJALスタッフが対応していたが、スタッフのなかにも犬を飼っている人が多く、愛犬話に花を咲かせていた。このチェックインでは犬にも搭乗券が発行されるため、愛犬の名前が入った搭乗券に、ツアー客はとても盛り上がっていた。

チェックインカウンターでは犬の耳を頭に着けたJALスタッフが対応
犬用の搭乗券も用意されていた。バーコード部分には肉球シールが貼られており、搭乗口などでバーコードをかざす必要はない
どの犬もクレートの中でとてもおとなしくしていた
保安検査場を抜けて搭乗口へ向かう

 ワンワンJETの便名は「JL1111便(ワンワンワンワン)」(運航上はJL4901便)。ツアー客も案内表示の「JL1111」を笑顔で指差したり撮影したりしていた。出発はIゲートから。ゲート前にも記念撮影スペースが設けられ、搭乗記念の「顔はめパネル」ならぬ「クレートはめパネル」が用意されていた。

出発はIゲートから。ワンワンJETの便名は「JL1111便(ワンワンワンワン)」
出発のIゲート前でも記念撮影スペースが設けられていた
ワンワンJETに使用されるボーイング 737-800型機(JA339J)
搭乗開始までしばし待機

「JL1111」のワンワンJETへ搭乗

いよいよワンワンJETへ搭乗
入り口では犬のぬいぐるみがお出迎え

 記念撮影で盛り上がり、ツアー客同士も徐々に打ち解けてきた雰囲気のなか、搭乗開始のアナウンス。「またあとで」と声を掛け合いながら、愛犬とともにボーイング 737-800型機に乗り込んでいった。

 機内では、愛犬の名前が入った特製のヘッドレストカバーにあちこちから歓声が上がる。愛犬のシートはすべて窓側で、シートはビニールシートで養生されており、クレートはシートベルトを使って固定する。うまく固定できない人をCA(客室乗務員)がサポートしていた。愛犬用のお土産が用意されており、「わんこのおやつ工房 Le Ponta」特製のクッキー、ラスク、鹿肉、ノンアルコールワインなどがメッセージカードとともに袋に入っていた。

 ワンワンJETは定刻より少し早めの9時26分にプッシュバックを開始。9時49分に鹿児島へ向けて離陸した。

クレートはシートベルトを使って固定できるようになっている。愛犬の名前が入った特製のヘッドレストカバーには、あちこちから歓声が上がっていた
愛犬用のお土産が用意されており、「わんこのおやつ工房 Le Ponta」特製のクッキー、ラスク、鹿肉、ノンアルコールワインなどがメッセージカードとともに袋に入っていた
ワンワンJETツアーには2名の獣医師が同行する。写真左から松井匠作氏、小倉政光氏
離陸時の振動や気圧の変化で具合がわるくなった犬がいないか見回り、飼い主に声をかけていた

 離陸してしばらくすると、機長の小城章裕(こしろあきひろ)氏から運航状況などのアナウンスのあと、ツアー客への挨拶があった。

 自身も5歳の柴犬を、副操縦士の横田睦(よこたあつし)氏は4歳のラブラドール・レトリバーを飼っていることに触れ、「我々も犬好きということでワンワンJETの乗務を希望しました。犬を家族の一員と考える我々にとって、同じ飛行機、同じ室内で一緒に旅行に出かけられることは夢と言っても過言ではありません。

 皆さまの思い出に残る旅行のお手伝いができることを、乗務員一同光栄に感じております。本日のご搭乗、まことにありがとうございます」と話すと、拍手をするツアー客も見られた。

 ツアー客に話を聞くと、以前貨物室に犬を預けて飛行機の旅をしたことはあったが、とても心配だったそうだ。犬が少しぐったりしているようにも見られたので、帰路は航空券をキャンセルして陸路で帰ったことがあったそうで、こうして隣で水をあげたり、「大丈夫だよ」と声をかけたりしながら旅をできるのがとてもうれしいと話してくれた。

 ワンワンJETが富士山付近を通過する頃、機内アナウンスで記念撮影タイムが始まること、パイロットやCAの犬サイズのコスチュームが用意されていること、この時間はクレートから飼い主の膝の上に愛犬を出していいことが告げられると、大きな歓声と拍手が起きた。

ワンワンJETが富士山付近を通過する頃、機内アナウンスで記念撮影タイムが始まることが告げられた
記念撮影用にパイロットやCAの犬サイズのコスチュームが用意された

ワンワンJETは鹿児島空港に到着

 ワンワンJETは11時33分に鹿児島空港に着陸、11時37分に到着した。具合がわるくなる犬もなく、地上に降りてツアー客もほっと一安心という印象だった。ここからツアー客はレンタカーで移動となる。

 ツアー客を運び終えたワンワンJETはこのあと、搭乗客を乗せずに羽田空港へ移動して清掃される。シートや床はもちろん、空調フィルターなどまで徹底して掃除されるそうだ。

ワンワンJETは11時37分、鹿児島空港に到着
地上に降りて、ツアー客も少しほっとした雰囲気
「飛行機の中ではおとなしくていい子でしたねー」と飼い主が声をかける
ワンワンJETはこのあと搭乗客を乗せずに羽田空港へ移動して清掃される
預け入れ荷物をピックアップ
いよいよ外へ
もう少しの辛抱
鹿児島空港
外に出てうれしそうに歩き回る
ワンワンJETツアーでは空港近くにあるバジェット・レンタカーを利用する
空港からバスで移動してきたツアー客は、ここからレンタカーでの移動となる

犬同伴客専用に作られた霧島観光ホテルの「Kiri Dog」「D+PREMIUM」

霧島観光ホテルの「Kiri Dog」「D+PREMIUM」の入り口には、ウェルカムメッセージが貼られていた

 ワンワンJETツアーでは「ドッグリゾート鹿児島 CoCoフォレいむた」か、霧島観光ホテルの「Kiri Dog」「D+PREMIUM」のいずれかに宿泊するが、記者は「Kiri Dog」と「D+PREMIUM」を取材したのでその様子をお伝えする。

 霧島観光ホテルでは一般客と犬同伴客とは入り口も建物内もしっかり分けられていて、お互いが遠慮や不快な思いをしないよう配慮されている。「Kiri Dog」は霧島観光ホテルの1階の一部と6階のすべてが使用されており、このエリアは愛犬と一緒に歩ける。6階の客室数は6室。1階には犬同伴客専用のレストラン「MISTY DOG」があり、愛犬と一緒に夕食を楽しむことができる。犬専用の夕食メニューもあり、メインディッシュを数種類から選べて、取材時は鹿肉、鶏肉、魚が用意されていた。

 ちなみに霧島観光ホテル周辺のお勧めの散歩コースをスタッフに聞いてみたところ丸尾の滝が有名だそうで、のんびり歩いて20~30分ほどの距離にあり、温泉水が流れ落ちる珍しい滝とのこと。昼食には、マテリア霧島グループが運営するカフェ「マテリアランチ.com」(火曜定休)が愛犬を連れてもOKでお勧めだと教えてくれた。

霧島観光ホテル
「Kiri Dog」の入り口は一般客の入り口とは別に設けられている
「早くいったん落ち着きたかったので」とツアー客が早くも到着
続々とツアー客が到着。チェックインしていく
ペットバギーが3台用意されており、宿泊客は自由に使える
施設は一般客と犬同伴客でしっかり区分けされている。エレベータやレストランなども分けられているので安心だ。「Kiri Dog」は霧島観光ホテルの1階の一部と6階のすべてとなっており、このエリア内は犬と一緒に歩ける
犬同伴が禁止のエリアには扉があり、その旨が明示されている
「Kiri Dog」の客室は和室/洋室/和洋室のタイプがあり、6階に6室。
廊下などさまざまな場所に、犬が粗相をしてしまったときの掃除具一式が備えられている
洋室タイプ
和室タイプ
犬用グッズも各客室に備えられている
客室の壁には犬のリードを引っ掛けるためのフックが設けられている
床材には汚れが取れやすい材質のものが使われており、フローリングでは犬が滑りにくいような加工が施されている
ツアーに同行している獣医師による健康相談コーナーが設けられ、犬の体調を確認してくれる。これは到着日と翌日に行なわれるとのこと
犬同伴客専用のレストラン「MISTY DOG」。犬用の夕食メニューは2~3種類用意されていて、S/M/L/LLとサイズ別に量と料金が設定されている
取材時のメインディッシュは鹿肉、鶏肉、魚が用意されていた
食事の際、愛犬は床の上でもいすの上でも飼い主の膝の上でもOK。ペットバギーを使ってもよい。ここにも各テーブルごとにリードを掛けるためのフックが用意されている
ドッグランは霧島観光ホテルの「Kiri Dog」「D+PREMIUM」それぞれに1カ所ずつ設けられている。「Kiri Dog」のドッグランは約220m2ととても広い
「Kiri Dog」のドッグランには犬用の水遊び場と、人間用の足湯がある。どちらも霧島観光ホテルの温泉が出る

「D+PREMIUM」も霧島観光ホテルの敷地内にあり、こちらは以前は宴会場として使われていたスペースをリノベーションして広めの4つの客室を設けた、少し贅沢な仕様とのこと。「D+PREMIUM」では、愛犬と一緒に部屋で食事をとれる。受付はなく、宿泊客は客室に通されてからチェックインを行なうそうだ。人間用と犬用の露天風呂を備えた一番広い客室を見学した。

「D+PREMIUM」は写真右側の赤い建物の中にある
霧島観光ホテルの少し奥まった場所に入り口がある
犬の足洗い場や足拭き用のタオルなどが用意されている
「D+PREMIUM」でもっとも広い、露天風呂を備えた客室
洗面スペースやシャワースペースを抜けると露天風呂に出られる
こちらは人間用の露天風呂
こちらは犬用の露天風呂。どちらも温泉
霧島観光ホテル「Kiri Dog」「D+PREMIUM」

所在地:鹿児島県霧島市牧園街高千穂3885
TEL:0995−78−2531
チェックイン/チェックアウト:15時/10時
Webサイト:霧島観光ホテル「Kiri Dog」「D+PREMIUM」

マテリアランチ.com

所在地:鹿児島県霧島市霧島田口2458-8
TEL:0995-57-0291
営業時間:11時~用意した材料がなくなるまで
定休日:火曜
Webサイト:マテリアランチ.com

ドッグリゾート鹿児島CoCoフォレいむた

所在地:鹿児島県薩摩川内市祁答院町藺牟田1806
TEL:0996-56-0121
チェックイン/チェックアウト:15時/10時
Webサイト:ドッグリゾート鹿児島CoCoフォレいむた

 ジャルパック担当者に、今後このワンワンJETツアーのような企画が実施される可能性について聞いたところ、「現段階で決定したものはないが、初めての試みなので、今回の参加者から意見を伺いつつ、ペットを同伴できる全国の宿泊・観光施設の状況、チャーター便の離発着の条件などを勘案して、今後もお客さまのご要望に応えられるよう検討していきたい。今回の内容を検証してペットと飼い主の皆さまがストレスなく旅行できる企画を、JALグループとして検討していきたい」と答えてくれた。