大城和歌子の沖縄グルメ&スポット

アイスであそぼ! ブルーシールのアイスパーク

「冬だ! アイスクリームだ!」

 え、なに言ってるの? アイスは夏でしょ。

 いやいや、沖縄ではあながち間違ってもいない事実なのだ。

 体感的に、アイスが食べたくなるのは夏よりも冬。夏は暑すぎるのでアイスが溶けてしまうのと、甘いものよりも水やお茶が欲しくなる。しかし、平均20℃前後ある沖縄の冬は、食欲が増すことも手伝ってアイスが食べたくなるのだ。

 さて、沖縄でアイスといえばブルーシール。戦後まもない1948年、アメリカのフォーモースト社が沖縄に上陸したことがルーツ。今年創業69年を迎える歴史あるアイスクリーム屋さんなのだ。

 沖縄の素材を使ったフレーバーも開発され、うちなーんちゅのソウルスイーツと言えるほど子供の頃から親しみのあるアイスだ。

 浦添市にあるブルーシール牧港本店の隣に、2016年9月、アイスのテーマパーク「アイスパーク」がオープンした。「食べるだけのアイスから楽しむためのアイスへ」という思いから誕生した。アイスが食べたくなるこの季節、アイスバー作りを体験しに行った。

浦添市牧港のブルーシール牧港本店
その隣に直結する形でアイスパークがある

 牧港本店と直結したアイスパークは、パステルカラーでとてもかわいい雰囲気。パーク内もアイスをモチーフにしたテーブルセットなどで出迎えてくれる。

かわいいテーブルセット。このフリースペースは誰でも入ることができる。隣の本店で買ったアイスをここで食べてもOK

 入ってすぐにあるヒストリーゾーンには、ブルーシールの歴史を展示。懐かしい写真とともに沖縄でのブルーシールのあゆみが紹介されている。歴代の商品のパッケージも一部展示され、当時を知っている人には懐かしく、知らない人でもちょっと昔の沖縄に触れられるひととき。

ブルーシールの歴史が分かるヒストリーゾーン。貴重な、当時の写真も満載。歴代商品のパッケージも見どころのひとつ

 アイスバー作り体験は予約制。10時30分から20時まで一日に5回行なわれている。予約はアイスパークのWebサイトから申し込みができる。

 インフォメーションで受け付けを済ませ、時間になると体験ゾーンに案内してくれる。

インフォメーションカウンターでアイスバー作り体験の受け付けを。1人1000円で、アイスバーおよび保冷バッグがセットになっている。10歳以下の参加者の付き添いの方は入場無料

 体験ゾーンは6台のテーブルがあり、最大32名までの参加が可能。この日も私以外に2組の親子連れが参加していた。それぞれ割り当てられたテーブルに着いたら、テーブル名が書かれたネームシートに自分の名前を書く。これはあとで必要になるもの。

体験ゾーンもパステルカラーでかわいらしくまとめられている。ネームシートには、どのテーブルで作業するかが書かれている。私は「チョコレート」テーブルだ。テーブルの下には荷物を置けるスペースもある

 テーブルに着いたらさっそくアイスバーのデザインに入る。

 メインのアイスはどんな形にするか? 何のフレーバーにするか? どんなトッピングを使うか? 選ぶ項目は5点。ベースとなるアイスの形は星型、スマイル、ハート型の3種類からスマイルをチョイス。次にフレーバー。バニラ、チョコ、紅芋、マンゴーから紅芋を選んだ。

 そのアイスのコーティングを3種から選ぶ。チョコレート、ストロベリー、ホワイトチョコからストロベリーをチョイス。そして「おえかきペン」。これは模様や文字を描いたり、トッピングをベースのアイスにくっつけたりする接着剤の役割もする。こちらは4色のなかからブラックを選んだ。

 オーダーシートの裏面ではトッピングをチョイス。大きいものを2種類、小さいものを3種類、全部で5種類選ぶ。

オーダーシートに、どんな材料を選ぶか記入していく。私のオーダーはこんな感じ
裏面にはトッピングを選ぶ項目。全部で5種類が選べるのだが、けっこう迷う

 パーツを選んだらデザイン画を作成。

 むむむ、手が止まった……。

 意外とアイディアが湧いてこない。ほかの参加者の子供たちはスラスラと楽しみながら描いている。大人になるとこういう創造力が薄れてくるのか……。

 微妙な感じでデザイン画が完成。一応、テーマは「ロックスター」だ(笑)。

デザイン画を作成。なかなかイマジネーションが働かない(苦笑)

 スタッフがスライドショーとともにアイスバーの作り方を説明。このときにすべての事項を記憶しなくても大丈夫。作業しているときもスタッフさんが説明してくれる。

一連の作業方法をスライドショーを使って説明。なんとなくの流れが分かればOK。作業しながら分からないことは聞けばよい

 作業に入る前にしっかり手洗い。

 テーブルに戻ると、作業用トレイが置かれている。タイマーは、作業時間を測るためのもの。5分に設定されている。

 トレイを持って材料を受け取りに行く。最初に自分が選んだトッピングをピックアップ。次にベースとなるアイスを受け取り、最後にお絵描きペンを受け取る。

手洗い場は、小さな子供でも洗いやすいように低く作られている。消毒用アルコールも設置
トッピングは小さなカップに小分けされているので、カップごとピックアップしていく
ベースとなるアイスバーがにっこりと並んでいる。選んだものを手渡してもらう
材料が揃った

 さあ、作業開始!

 まずアイスバーを、コーティング。根元までしっかり着けて、持ち上げてから20秒間待つとコーティングが固まる。

 トッピングを始めるときにタイマーのスイッチが押された。アイスが溶けないうちに作業を終えるためだ。5分間の真剣勝負。

 トッピングを乗せていく作業はとても楽しい。童心に帰る心持ちだ。しかし、細かいトッピングをつかむのが困難(苦笑)。おそらく子供たちは難なくこなすのだろう。

コーティング剤はおのおのの作業テーブルに設置されている。自分の選んだコーティング剤にアイスバーを着ける
ストロベリーのコーティングを施したところ。元の色とあまり変わらないっていう……(苦笑)
カラーペンを使ってトッピングをくっつけたり文字を描いたりしていく。おえかきペンは時間が経つと固まってしまうため、迷いは禁物!
トッピングを載せていく。もう、デザイン画はほとんど無視(笑)

 下絵どおりにいったかどうか微妙だが、だんだん形になってきた。今になって思ったが、ちょっと平面的すぎたなぁと。もうちょっとデコってもよかったかも……。

 5分のタイマーが鳴って作業終了。アイス保存用の容器に入れ、保冷バッグに収める。アイスの上にドライアイスを乗せれば作業完了だ。アイスの食べごろは1時間後。それまで保冷バッグの中で冷やされ、固まっていく。

なんとか完成したが。もうちょっとデコればよかった
でき上がったものは、まずプラスチック容器に入れ……
箱に収め……
専用の保冷バッグに入れて上にドライアイスを置く

 アイスバー作りが終わると冷凍庫体験が待っている。アイスが保管されているのは約-20℃。その温度をアイスになった気分で体験しようというもの。10℃を切ると極寒に感じる沖縄では、マイナス気温は未知の世界。いざ、冷凍庫へ! 10秒間の貴重体験だ。

-20℃の世界を体験。カメラの結露が心配だったので内部の写真は撮っていません……。悪しからず

 最後はソフトクリームマシンにてソフトクリーム体験。コーンかカップを選択し、自分でアイスをサーブできる。コーン(カップ)を回しながらうまく形作るのがコツ。付き添いの人も体験できる。余ったトッピングを乗せて、締めのアイス、いただきます!

締めは自分でサーブするソフトクリーム。ううむ、形が微妙

 親子連れはもちろん、大人がカップルや友達同士で来ても楽しいと思った。完成したアイスバーをお互いに交換したりするのも楽しいだろう。

 また、この空間を利用したイベントもいろいろと考えているそうで、実際にクリスマスのときには、アイスケーキ作りのイベントを開催したそうだ。

 作って楽しい、食べて美味しい、コミュニケーションも深まる。新しいアイスとの付き合い方ができる、まさに「アイスであそぼ」な場所だ。

ブルーシール アイスパーク

所在地:沖縄県浦添市牧港5-5-6(ブルーシール牧港本店隣)
TEL:098-988-4535
営業時間:10時~21時
体験開始時刻:10時30分~/14時~/16時~/18時~/20時~(要予約)
入場料:無料
体験料:1000円(アイスバー1本、オリジナル保冷バッグ付き)※10歳以下は保護者同伴が必要
Webサイト:ブルーシール アイスパーク

大城和歌子

横浜生まれのウチナーンチュ二世。東京での出版社勤務を経て1998年11月に沖縄移住、フリーのライターとなり「和歌之介」のペンネームで活動。主に音楽系記事を得意とし、沖縄インディーズの隆盛を間近で体感した。自らも音楽活動をゆる~く展開。現在、那覇市内でレコードバー「リンドウ」を営んでいる。