ボーカリスト琴音の音楽旅
メガネに近松門左衛門、意外と(!?)見どころ満載の冬の福井県鯖江に行ってきました!
(2016/1/23 00:00)
暖冬といわれているこの冬、無事に年を越しましたね。私は年越しは毎年家族で過ごしています。そろそろ自分自身の家族を持っていてもおかしくない年齢ですが、母方の祖母のいる福井県鯖江市で年越しをしました。まだ福井は北陸新幹線がつながっていないので、JR米原駅で特急しらさぎに乗り換えて鯖江に向かいます。
毎年、北陸ならでは雪に囲まれていることが多いです。しかし、今年は本当に暖かかった! こんなに雪がなく暖かいお正月は初めてでした。いつも雪の降る寒いなか、温泉に入るのを楽しみに帰るのですが。
福井は芦原温泉が有名ですが、鯖江市も温泉はたくさんあります。今回は妹たちとハマっている妖怪ウォッチの映画を観て、お正月の家族ボーリング大会で汗をかき福井鉄道 神明駅から徒歩2分の三六温泉 神明苑に行ってきました。
こちらは、スポーツジム、レストラン、宿泊まで出来る公共施設となっています。お土産屋さんに、産直の新鮮な野菜が並んでいて地元の利用者も多いようです。入湯料大人550円を支払い温泉へ。無色透明な単純泉で、少し熱めです。サウナと水風呂もあり、アメニティーはリンスインシャンプーとボディソープがあり、ドライヤー、クシの貸し出しもあります。
お風呂上がりには、瓶の牛乳や缶ビール、ソフトクリームの販売もあります。露天風呂はありませんが、内風呂だけでもしっかり温まる温泉です。そして鯖江市吉江町周辺は劇作家の近松門左衛門が幼少期を過ごしたということで今もその名残を感じることができます。
吉江町に到着すると、「近松門左衛門の里」という看板がお出迎えしてくれます。吉江藩の看板も、人形所瑠璃の作家でもあった近松のイメージにピッタリです。裏面は、近松の里を巡る地図になっています。ここで、おおよその位置関係を把握することができます。看板裏には近松会館と情報案内所があり、地図や観光スポット情報を入手できます。
こちらに駐車場があるので、車を停めて歩いてまわった方がいいと思います。しかし、この日は本当に暖かく福井の冬じゃないみたいでした。例年の福井だと、冬に歩いての散策は難しいです。基本的には福井の冬は、雪が積もっているからです。
案内所を背にして右に進むと、吉江藩館跡が出てきます。このあとに巡る「吉江七曲り通り」を作るなどした吉江藩主 松平昌親の説明や近松門左衛門と吉江藩の略年譜があります。近松門左衛門の父、杉森信義が吉江藩に仕えていたそうです。そして、ここは休憩所もあり一息つける場所となっています。
近松の作品「女殺油地獄」の看板もあり、休憩所に腰掛けて幼少期をこの地で過ごした近松の作品がどのようにできたのだろうと思うと感慨深いですね。
吉江藩館跡から、すぐそばに浅水川にかけて真っ赤な弁天橋があります。弁天橋を渡り、吉江七曲り通りへ。今でも、城下町の名残のある景色が広がっています。最近、東京でも見かけることが多くなった日本酒「梵」も実は吉江町にあります。我が家は酒飲み家系なので、本当によくお世話になっています。お正月のお酒も梵をたくさん飲みました。
そして、この七曲り通りには至るところに当時の町名の看板があります。この看板のおかげで、地図を見ながら迷わずに散策できます。城下町らしい通りを抜けると、天満神社と牛屋地蔵尊が出てきます。祭神は菅原道真公。江戸時代に吉江藩主 松平昌親公の祈願所として、御館天満宮と尊称されていたそうです。
七曲り通りから、近くにできた大谷公園に行ってきました。まだ新しい公園で、山の上にある公園です。案内看板に従うと、迷わずにたどり着けます。山の上にあるだけあって、なかなかの坂道です。これはよい運動になります。もちろん、ほとんどの方は車で来ることが多いと思います。
この日は暖かかったので、子供達がサッカーしていたり家族で遊びに来ている姿も。この公園、山の上にあるだけあって絶景なのがオススメです! 冬の福井はほとんど晴れることがないのですが、この日はうっすら晴れ、日も差していました。鯖江の大自然を感じることができる公園です。
大谷公園や吉江町でしっかり歩いたあとは腹ごしらえということで、北陸で知らない人はいない! 8番ラーメンに行ってきました。1967年に石川県で、国道8号に面していたことから店名に「8」が入ったそうです。中国やタイなど海外にもお店があるとか。
福井では、チェーン店として至るところにあります。私も小さい頃から大好きです。定番の野菜ラーメンが、野菜たっぷりでヘルシーで太麺が特徴的です。この日は、炒飯も食べたかったので小さな野菜しょうゆラーメンをチョイス。ミニサイズもあるのが女性にもうれしいところ。
北陸を中心に、西は岡山県まであるみたいですが関東にはないので福井に帰ってきたら必ず行きます! 「みそ」「しょうゆ」「しお」。家族の間でも何味派かで意見が分かれるところです。しっかり食べて、お腹いっぱいになったところで次はずっと気になっていた「めがねミュージアム」へ。
福井県鯖江市といえば、1番有名なのはメガネではないでしょうか。私の親戚も、ほとんどがメガネに関わる仕事をしています。今回、めがねミュージアムを知るきっかけになったのは、今私が一緒に演奏もしているオルガンジャズトリオ「メガネーズ」からでした。
彼らが、ツアーで福井を訪れた際にバンド名にちなんでめがねミュージアムに立ち寄ったそうです。メガネーズのCDや写真も飾ってありました。めがねミュージアムに入ると、まず国産メガネの祖である増永五左ヱ門翁像が。雪深く産業のない福井で、農家の副業として始まったそうです。
トイレにも、しっかりメガネがかけられていて芸の細かいこと。博物館には著名人の福井産のメガネが。たくさんの人に愛されていたのですね。美空ひばりさん、石原裕次郎さんが愛用したメガネも展示されています。
博物館らしく、日本でのメガネ作りの年表や大正~昭和の時代のメガネも。最近、大正時代のようなメガネが流行っているので逆に新しくオシャレに感じます。昔ながらの手作業でのメガネ作り道具なども。1981年には、世界で初めてチタン製メガネを開発、生産を行なったことで世界的なメガネ産地として認知されるようになります。
私が小さい頃、親戚のメガネ工場に行ったときのような写真や機械も展示されていました。私の亡くなった祖父もずっと、メガネに携わる仕事をしていたのでこの機械も使っていたのかなぁと亡き祖父を思い出しました。自分の親戚が、皆メガネ関係の仕事をしていますが改めて自分のルーツを知れた気持ちになれました。
めがねミュージアム、教えてくれたメガネーズありがとう。後日、お土産に買って行ったメガネドーナツもメガネーズとのリハーサルでいただきとっても美味しかったです。今後、メガネーズともバンドとして一緒に活動していくので、皆さん応援お願いいたします。
今回は里帰りがてら、改めて鯖江の新たな一面を知ることができました。よく見知ったつもりでいた土地でも、まだまだ知らないところもあるものですね。今年もまた1年、頑張ろうという気持ちになれる旅になりました。皆さん、今年もご愛読お願いいたします。