ボーカリスト琴音の音楽旅
高円寺で昭和回帰! 古本古着屋、昭和歌謡ライブの旅
2017年4月22日 00:00
3月21日に東京国際フォーラム・ホールCで開催された、日本シャンソン協会が主催する「フェスティバル・ドゥ・シャンソン2017-プリスリーズ」というシャンソンのコンサートに出演しました。
このコンサートでは30歳以下に限定した「第3回 次世代シャンソン歌手 発掘コンテスト」も併催しています。予選を通過した優秀賞5名のなかから、最優秀新人賞を決定するというものです。
この発掘コンテストの第1回で私は最優秀賞を受賞し、第2回は太田恵愛ちゃん、そして第3回は薮内彩奈ちゃんが受賞しました。今回優秀賞の5名のなかで高橋絵実ちゃんという歌手の女の子と知り合いました。すごく個性的で面白い人で、高円寺でライブがあるということで、4月のある日に行ってきました。
私は18歳の頃、高円寺に住んでいたことがあるのでとても懐かしい街です。阿波踊りでも有名な高円寺ですが引っ越した今でも、たまに古着屋さんなどに買い物に行ったりします。なくなってしまったお店もあるし、今でも残っているお店もあり今回も色々と散策してきました。
まずは、ねじめ正一さんの小説でもお馴染みの「純情商店街」に入ります。私はこちら側に住んでいたので、よくお世話になっていた商店街です。
そこから庚申通り商店街へ。「ジャンプ」というお肉屋さんはリーズナブルなのに美味しくて、よく買い物をしていました。八百屋さんなども本当に安くて、節約生活をしたい人に高円寺は本当にオススメです。この商店街にある、「TEA MARKET G clef」という紅茶・中国茶専門店が私の昔からのお気に入りです。オリジナルの茶葉や茶器も買えますし、カフェも併設されています。
私は不思議の国のアリスの女王様をイメージした「女王様のロイヤルミルクティー」をいただきました。甘さ控えめのミルクティーで、クロテッドクリームとローズのジャムで、ハートの女王様のバラ園にいる気分に。店内もとてもかわいいです。残念ながら5月14日でこの高円寺店は閉店してしまうそうですが、阿佐ヶ谷店、吉祥寺店もあるので、近くのに行った際はオススメのお店です。スコーンやワッフルなどのスイーツメニューも充実しています。
美味しい紅茶でエネルギー補給したあとは、念願のお買い物タイム! 金髪にしてから、さらに派手ファッションが好きになったので個性的なお店を中心に回りました。北口パル商店街を入ってすぐ「元祖 仲屋むげん堂 八番組」へ。インドや民族系の雑貨、食料品を扱うお店です。私はインドから輸入したという、ワンピースを購入しました。海やお風呂帰りにサラッと着たい感じ。
そこから、パル商店街を抜けてルック商店街へ。前からお気に入りの古着屋さん「Tatouage by ZOOL(PURPLE)」へ。今回もかわいいお洋服をたくさん買えました。古着の星柄サテンセットアップ、赤のドットシャツなど。試着室も本当かわいい! テンション上がりますね~。
ウキウキでルック商店街を進み、こちらもお気に入りの古本屋さん「アニマル洋子」へ。アングラな古本や、ビデオやDVDも扱っています。以前こちらでケン・ラッセル監督の「サロメ」のビデオを購入したのですが、ネットではプレミアが付いて高額になっていました。
今回は「ハムレット」シャンソン歌手セルジュ・ゲンズブールとジェーン・バーキンの娘シャルロット・ゲンズブールの映画「アンナ・オズ」のビデオ、寺山修司、澁澤龍彦の古本を購入。安価でゲットできて、幸せ!
そして、ほとんどお向かいの「LOVER SOUL」という古着屋さんで買い物しました。ポップな1960~80年代の古着を扱っているお店です。対バンしたことのある昭和レトロバンドのCDなども、ディスプレイされていました。
お買い物もひと段落したところで、駅前のコインロッカーに荷物を預け腹ごしらえに。
「ハンバーグステーキ専門店 NEW-BURG(ニューバーグ)」へ。高円寺に住んでいた時は、庚申通り商店街にある姉妹店「マッシュ」の方によく通っていたのですが駅近くのこちらに来ました。入り口すぐの食券機で、サービスセットの食券を購入。
ハンバーグ、目玉焼き、付け合せのスパゲッティ、フライドポテト、ミックスベジタブル、本日のフライ、ご飯、味噌汁、ミニサラダが付いて……。衝撃の600円!! この日のフライはトンカツでした。安すぎる。店内に流れるラジオ、ハンバーグをひと口食べた瞬間に18歳の頃にトリップした感覚に。懐かしい味でした。サラダのドレッシングも、お味噌汁の具も全部当時のままでした。お腹いっぱい、心も満たされて目的の高橋絵実ちゃんのライブへ。
ニューバーグからすぐの「cafe etc..traghetto」というお店でのライブでした。お酒の種類も豊富なカフェバーで、定期的にライブが開催されているようです。店内の内装もかわいい。食事メニューも豊富です。
絵実ちゃんライブは、この日は昭和歌謡、戦後ジャズが日本に入って来たときに歌われていた日本語ジャズといったラインナップでした。私と同じレパートリーもありましたが、絵実ちゃんの個性的な声で歌うとまったく違う雰囲気でとっても素敵。本当に戦後のラジオから聞こえてくるような絵実ちゃんの歌声。古いようで、懐かしくて、でも新しさを感じさせる歌声でした。バラ柄の衣装もかわいかったです。最後に絵実ちゃんとパシャリ。
絵実ちゃんのライブ訪問が目的の高円寺ツアーでしたが、お買い物もたくさんして大満足。18歳の頃の自分に戻ったような感覚と、好きなものはまったく変わっていない自分と心の旅をしたような気持ちになりました。もちろん、その頃から変わったところもありますが根本は変わってませんでした。高橋絵実ちゃんと知り合うきっかけになった「次世代 シャンソン歌手 発掘コンテスト」、来年も開催されるようなので、30歳以下でシャンソンを歌っている方はぜひ受けてみては? 色々なご縁のきっかけになるかと思います。
私も、さまざまなご縁や自分の成長のきっかけになりました。情報は日本シャンソン協会のWebサイトで。私の昔から好きな昭和レトロや、シャンソン、カンツォーネ、タンゴなど……変わらない思いを歌い手として、もっと世の中に広めていきたいという気持ちも強くなりました。
18歳の頃、高校を卒業してガムシャラに歌の道を模索していた自分。怒られてばっかりで「歌いに行きたくない……。」と思っていると、電気屋さんのBGMでその日自分が歌わなくてはいけない曲が流れてきたり。「頑張れ!」と励まされていたような気がします。
そんな自分から、本当に好きなことに向き合えていて応援してくださる方がいることに感謝しました。絵実ちゃんのライブに行こう、というきっかけから原点回帰のような高円寺旅になりました。さまざまな出会いに感謝です。
来月は、ついにタンゴを聞きに念願のアルゼンチン・ブエノスアイレスへ旅立ちます。滞在は2週間ですが、この連載では5月、6月の2回にわたって記事を書こうと思います。高円寺で原点回帰をしてから、どんな旅になるのか今から楽しみです。