旅レポ
“一度は行きたい!”エリアを巡る日タイ修好130周年・タイはじめて旅(その3)
首都バンコクで見て・食べて・買って楽しむ1日プラン
2017年10月6日 06:00
2016年は140万人以上もの日本人観光客が訪れたタイ。豪華絢爛な寺院に、リーズナブルなマーケット、名物グルメをはじめ日本から約5時間30分ほどで到着する部分など数々の魅力にあふれている。
今回、タイ国政府観光庁とタイ国際航空が共催するツアーに参加。首都バンコクの「王宮」をはじめとして隣接する「ワット・プラ・ケオ(王宮寺院)」、そして週末限定の巨大マーケットなどを訪れた様子をレポートする。
荘厳な「王宮」に華麗な王宮寺院へ。訪れる際は節度のある服装で向かおう
世界中から観光客が訪れる首都バンコクは、華麗な寺院をたくさんめぐることができるのが最大の魅力。そのなかでも最も権威のある寺院が「ワット・プラ・ケオ(王宮寺院)」だ。通称「エメラルド寺院」とも呼ばれており、必ず誰もが足を運ぶ場所でもある。タイのなかで最大の権威を誇る「王宮」の敷地内に隣接しており、1782年ラマ1世がチャクリー王朝を開いた際に建立された。黄金に輝く仏塔には、仏舎利が納められており、エメラルドブッタが安置されている。
現在、プミポン・アドゥンヤデート前国王の崩御に伴い、10月26日の本葬に向け王宮内の「ドゥースィット・マハー・プラサート宮殿」に安置されている。そのため王宮前広場では多くの人々が王宮を訪れ、弔問を行なっている。王宮周辺は警備が強化され、観光客に対してはパスポートの提示とボディチェック、荷物検査、服装確認などが必要なため必ずパスポートのコピーなどを持参し、節度ある服装をしていくことを心掛けよう。寺院に入場する際もそうだが、肌の露出を控え、必ず袖つきの服に(ノースリーブは不可)男性ならば長ズボンを、女性も長めの丈のスカートを着用し、入場ができるように万全の状態で向かおう。
1回目のチェックを終えてしばらく歩くと「王宮」へ向かうためのウィセートチャイスィー門が見えてくる。周辺には、市内同様にプミポン・アドゥンヤデート前国王を偲ぶ装飾が施された遺影が飾られている。なお、弔問のために現在は5~6時間ほどの時間が必要となっており、入場の際はそのための行列を優先。警察などによる案内で観光客も合間を縫って2度目のチェックへ向かうこととなる。
無事に21万8000m2もの「王宮」の敷地内に入ることできた。まずは「ワット・プラ・ケオ(王宮寺院)」へ。黄金の仏塔には仏舎利が納められ、エメラルド色に静かに輝く翡翠のエメラルドブッタもともに安置されており、暑季、雨季、寒季の年に3度季節に合わせて王により衣が替えられるが、今回は衣替えが数日後ということで暑季の姿だった。寺院の本堂部分は撮影禁止ながら、多くの参拝者が祈りを捧げている姿が見られた。
そして「王宮」へ。タイ様式と西洋様式が一体となった「チャックリー・マハー・プラサート宮殿」の見事さは息をのむほど。プミポン・アドゥンヤデート前国王の遺体が安置されている「ドゥースィット・マハー・プラサート宮殿」が隣に建っており、弔問の人々が列をなしていた。そのため通行が制限され両宮殿の一部へは観光客は立ち入りができなくなっている。
なお、「ドゥースィット・マハー・プラサート宮殿」は十字形でアユタヤ旧王宮のスリヤマリン玉座の間を模した造り。ラマ1世が荼毘に付す前に安置されて以降王妃や王族の遺体も同様に安置される習慣となった。
「王宮」敷地内には2012年オープンの「シリキット王妃テキスタイル博物館」もあり、伝統的な衣装からドレスや帽子、靴にいたるまでたっぷりそのファッションを楽しむことができるので女性にお勧め。
王宮、ワット・プラ・ケオ(王宮寺院)
所在地:Phra Nakhon Bangkok
拝観料:500バーツ(約1850円、1バーツ=約3.7円換算)
拝観時間:8時30分~15時30分
一瞬の船旅を楽しみつつ「暁の寺」へ。ラストは、涅槃像と足の裏の螺鈿を堪能
「王宮」周辺の見学を終え、続いては「暁の寺」とも呼ばれる「ワット・アルン」へ。ビルマ軍の侵略により廃墟と化したアユタヤを離れたタークシン将軍がこの寺にたどり着き、バンコク王朝の前身であるトンブリー王朝を開いたという。それゆえにこの名が付いた。ラマ3世の時代に完成したバンコク様式の仏塔は10バーツ硬貨にも描かれ、タイでは最も有名な寺院だ。
入場するためには、渡し船が一番スムーズ。「王宮」を出て10分ほど歩くと商店街的な場所に着くが、実はこの先が船着き場。乗船料は4バーツ(約15円)で数分の船旅が味わえる。帰りの運賃は少し安くなり3.5バーツ(約13円)。
向こう岸に着き30秒ほど歩くと「ワット・アルン」の敷地内に到着。チケット売り場で入場チケット(50バーツ、約185円)を購入しよう。現在改修中ながら、途中までは登ることも可能。急な階段を登り、周囲を見回した際の気持ちよさは格別。チャオプラヤー川を上から見ることもでき大満足だ。
なお、暑さで午前中ながら体力を消耗してしまったら周辺の屋台へ。フレッシュなフルーツや乾物をはじめいろいろ食べ歩きが楽しめる。なお、水分と塩分補給も忘れずに! 訪れた際は照り返しがあり体感温度35℃以上と思えるほどの猛烈な暑さだったため、観光の際には必ず水を持参するべきだと痛感した。
ワット・アルン
所在地:34 Arunamarin Rd., Wat Arun, BangkokYai, Bangkok 10600
拝観料:50バーツ(約185円)
拝観時間:7時30分~17時30分
そして寺院巡りのラストは「王宮」の南側に位置する「ワット・ポー」へ。バンコク最古の寺院でアユタヤ王朝のプラペートラチャ王の時代に建立された。長さ46mの涅槃像の穏やかな表情とその大きさ、そして仏教の世界観を表現した108もの足の裏の螺鈿細工が見もの。
また、タイ初の古典医療の拠点としてタイマッサージの総本山となっている。境内では実際にタイ古式マッサージを受けることもでき、本場の技術を味わおうと多くの人々でにぎわっている。
本堂の中へ進むと比較的ヒンヤリしており、多くの人がにぎわいながらもゆったりした時間が流れていた。涅槃像とともに記念写真も楽しめ、足の裏の螺鈿も網越しながらしっかり見れた。なお、現在足の裏は一部修復中となっている。
また、108の煩悩を消すことのできるアクティビティもあり、回廊に沿って並べられた鉢の中に参拝者が硬貨を入れていた。
ワット・ポー
所在地:Pra Nakorn, Bangkok
拝観料:100バーツ(約370円)
拝観時間:8時30分~18時30分
週末限定の巨大マーケットは値切り交渉も楽しいショッピング天国
週末の土日にバンコクに滞在するのならば、バンコク最大のウイークエンド・マーケットである「チャトゥチャック・ウイークエンドマーケット」、通称「JJ market」へ。約10万km2の広大なマーケット内に約1万5000ものショップが並び毎週末に20~30万人の観光客が訪れるほどの人気。タイの定番&最新ファッションアイテムから、キュートな雑貨。さらに食料品に骨董などをはじめ間口1mほどのショップにさまざまな製品がギュギュッと積まれている。約70年ほどの歴史があり、もともとは王宮前広場で開催されていたが1982年に今の場所に移設された経緯がある。
最寄り駅は地下鉄(MRT)のカンペンペット駅、そしてスカイトレイン(BTS)のモーチット駅。今回はBTSを使い宿泊先からほど近いナナ駅から向かうことに。まずは週末ということで、他エリアへ行くときや、モーチット駅での帰りの駅入場をスムーズにするためナナ駅のチケット・オフィスにて「One-Day Pass」(140バーツ、約520円)を購入。なお、別日にもBTSを利用したが、その際はカード式のチケットを使用。路線図が描かれており、BTS初心者にはありがたい仕様だった。
モーチット駅が終点の電車がちょうど来た。日本のように電光掲示板はないため次にいつ電車がくるのかは分からないが、しばらく待っていると来るのでご安心を。約30分ほど電車に揺られモーチット駅に到着。大勢の観光客が降りるため、流れに乗って進んで行けばほぼたどり着くが、途中にバナーなどもあるので確認して進もう。
マーケットのエリア前にも複数の露天がズラリと並んでいるので眺めながら歩いていると「チャトゥチャック・ウイークエンドマーケット」に。中に入ると外に比べ涼しくショッピングがしやすい環境が整っている。全部で26のセクションに分かれており、アンティークならば1と26、フードは3、19、21、そしてファッションならば2、4、12……とおおよその数字を覚えておくのが賢明。マップもオフィシャルサイトに用意されているので片手に散策してもよいだろう。
お目当ての番号にたどり着いたら早速ショッピングスタート。ファッション小物とフードを中心に回ってみたが、価格はほぼ店舗に関係なく統一されている印象。同じ製品が他店にもあることがあるので、独自の製品かどうかはいろいろ見てから買った方がよさそうな印象だった。カゴバッグとタイパンツを探しに約3時間ほど歩き回り、最終的に「SUTINA」のカゴバッグを380バーツ(約1410円)から350バーツ(約1295円)に。タイパンツは1本130バーツ(約480円)を2本買いで250バーツ(約925円)で購入できた。
チャトゥチャック・ウイークエンドマーケット
所在地:Kamphaengphet Rd, Chatuchak, Bangkok 10900
Webサイト:チャトゥチャック・ウイークエンドマーケット
名物タイスキとタイ料理で乾杯! 安心の中華で食欲もアップ
バンコク市内で各所を巡ったあとは、定番タイ料理でパワーチャージしたいもの。ならばそんな場合に使えるレストランを紹介。まずは、“タイスキ”と言えば必ず名前の挙がる有名店「コカレストラン」のサイアムスクエア店へ。創業は1957年でタイスキを世に広めた老舗レストランだ。
まず席に通されるとテーブルの上には、秘伝のスウィート・チリ・ソースと日本人向けにはソイソースを用意してくれる。カラリと仕上げた海老の素揚げが1本用意され、鍋のセッティングと完成を食べながら待つスタイル。
スタッフがスペシャルスープに、白菜、ワンタン、新鮮な肉のスライスにボール、海老などをダイナミックに投入。てきぱきと調理してくれるため、眺めているだけでOK。美味しくできあがった頃合いを見て、網を使い取り分けてくれるので、渡されたお椀に2種のソーズのどちらかをかけて味わおう。
最初に秘伝のタレを付けて食べてみたが甘辛でクセになる味わい。ほどよく煮込まれた野菜やお肉にじんわりとスープが染みて、どんどんと食が進む。スタッフが食べ終わるのを見越して次の1杯をよそってくれるので、食べ続けていられるのもよい。
合間に「スイカシェーク」(88バーツ、約330円)や「パイナップルシェーク」(88バーツ、約330円)も楽しもう。それぞれ自然な甘みでフルーツ大国ならではの贅沢な1杯だ。ラストはデザートの盛り合わせで締め。「シーフードセット」(888バーツ、約3290円)に「野菜セット」(348バーツ、約1290円)。「コンボセット」(758バーツ、約2800円)や「ミートセット」(598バーツ、約2210円)も用意。プラスアルファで自分好みの具材を追加していくのもよい。なお、ベーススープも「トムヤムスープ」「バクテースープ(肉骨茶)」。「魚スープ」に「朝鮮人参スープ」「野菜スープ」「スープ2種」も用意。通うほどに自分の好みの味が追求できる楽しみも。メニューも日本語表記と番号がふってあるため注文がしやすい。BTSのサイアム駅から徒歩数分の立地のためアクセスも抜群だ。
コカレストラン サイアムスクエア店
所在地:Siam square alley 7, Henry dunan rd., Prathumwan, Bangkok 10300
Webサイト:コカレストラン サイアムスクエア店
安定の美味しさの広東料理とタイ料理を思う存分頬張りたいならば「Fu Marn Lau Restaurant」へ。「ツイン・タワーズ・ホテル・バンコク」内に併設された広東料理専門レストランでビュッフェ形式のランチ「BUFFET DIM SUM」(500バーツ、約1850円)を選択。
点心ビュッフェというだけあり、セイロには1皿サイズのシュウマイや餃子をはじめカスタードパンまでたっぷり用意されている。もちろん、タイの定番イエローカレーなどもあり、中華とタイ料理の両方を楽しめる。なお、中国茶も料金に含まれているのもお得。街中には想像以上に中華料理屋が多いが、日本人好みの味付けで確実に美味しく食べられるので観光客にも人気のレストランだ。
Fu Marn Lau Restaurant
所在地:88 RONG MUANG,BANGKOK 10330
Webサイト:Fu Marn Lau Restaurant
ラストは、バンコクを昼間堪能し、帰国が深夜便のときに足を運びたいとっておきのレストラン。2009年にオープンした空港にほど近い「コ・ランタ・レストラン」へ。木造の船をテーマにしたインテリアがポイントで船を二艘使ったエントランスを抜けると広大なレストランエリアが目の前に。人工池では鳥たちが羽根を休め、5分おきにスワンナプーム国際空港に離発着する飛行機を眺めながらサムットプラーカーンの市場から仕入れた新鮮なシーフードをふんだんに使ったタイ料理を楽しむことができる。地元の家族会やデートスポットとしてはもちろん空港利用の観光客にも人気だ。
シーフードレストランのため、魚介料理が中心でどれを味わっても新鮮さと素材の味がしっかりと活きている印象。カリカリに素揚げされた「海老の素揚げ」は頭から頬張ってしっぽまで全部が味わえる美味しさ。「イカカレー」はふんわり卵の甘さでタイカレーがより引き立つ美味しさ。魚入りの「トムヤムクン」は、ほどよい辛さで日本人でも味わえるマイルドさがうれしい。サーモン入りの「ソムタム」もスパイシーでパパイヤサラダを頬張るのが楽しくなる。
コ・ランタ・レストラン
所在地:88/11 King Kaew Road, Sub-District Rachatheva, District Bangplee, Province Samut Prakarn 10540
Webサイト:コ・ランタ・レストラン
深夜便でバンコクから成田へ出発。20時以降はカウンター増設でスムーズに
スワンナプーム国際空港近くのレストランで時間を気にせずゆったりと過ごしたあとは、帰国のために空港へ。20時過ぎからはCのチェックインカウンターが日本便、韓国便の専用カウンターになるため通常よりもスムーズにチェックインが可能になっている。利用するのはタイ国際航空のTG640便。スワンナプーム国際空港23時50分発の8時10分成田国際空港行きだ。
チェックインと出国手続きを済ませ、定刻通りに空港を出発。今回利用したのは行きと同様のエアバス A380-800型機。行きと同様に3-4-3の10アブレストのオリエンタルな雰囲気の客席には枕とブランケット、ヘッドフォンを用意。出発してしばらくすると軽食「サンドイッチ(カニカマ/セロリ)」とドリンクが提供された。しっとりパンズに挟まれたカニカマとセロリが想像以上に相性がよく、眠る前にはぴったりの量。紅茶でほっと一息入れつつ、知り合いと「Sky Chat」で会話を楽しんだ。
到着1時間30分前ごろに朝食をサーブ。前菜は「フルーツサラダ」と「ヨーグルト」。スイカやパイナップルなどが食べやすいサイズでたっぷり。「ヨーグルト」と一緒に味わって目覚めを促せる。メインは「豚肉の炒め物 甘酢ソース タイライス」そして添え物としてクロワッサンとジャム、バター、カップ入りのフルーツジュースとなっている。「豚肉の炒め物 甘酢ソース タイライス」は甘酢ソースがしっかりと豚肉に絡み、定番の美味しさ。野菜もたっぷり入っており満足。
定刻どおり8時10分に成田国際空港に到着。揺れなども感じずにあっという間に日本へと戻って来た印象。深夜便を利用することで帰国日もフライトギリギリまで有意義に時間を使え、タイを満喫できると実感。到着も8時台で機内でしっかり寝さえすれば仕事へもそのまま行くことのできる効率のよさも知ることができた。
首都バンコクの「王宮」に華麗で壮大な各寺院から、少し足を伸ばせば日本とタイの歴史も学ぶことのできるアユタヤと寺院遺跡。さらにマッサージやスパに週末ならば限定のお買い物天国と見どころと買いどころが盛りだくさんのタイ旅。もちろんもっと味わいたいと願わずにはいられないタイグルメの数々でパワーチャージすれば、もっとタイが好きに、そして再び戻って来たいと感じられるはず。日タイ修好130周年の2017年にタイヘ旅立ってみてはいかがだろう。