旅レポ
北米最大のショッピングモール「Mall of America」に行ってきた
ミネアポリス セントポール国際空港からライトレールで約15分のお手軽アクセス
2016年12月14日 00:00
アメリカには、巨大ショッピングモールやアウトレットモールが各地にあり、観光がてらショッピングを楽しんでいる人も多いだろう。そんなアメリカの巨大ショッピングモールのなかで最大規模を誇るのが、ミネソタ州ミネアポリスにある「Mall of America」だ。今回、デルタ航空便を利用してミネアポリス経由でナッシュビルを訪れた際に、ミネアポリスでも滞在することになっていたので、買い物がてらMall of Americaに出掛けてみることにした。
空港からライトレールで約15分のアクセス
アメリカのショッピングモールは、その多くが郊外に位置していることもあって、訪れるにはレンタカーなどの足がほぼ間違いなく必要となる。海外でのクルマの運転に慣れていないと、なかなかレンタカーを借りてショッピングモールに行ってみようとは思わないかもしれない。また、タクシーを使うにしても、郊外まで行くとなるとかなりのコストがかかることもある。そのため、アメリカでショッピングモールに行ってみたいけど行ったことがない、という人も少なくないはずだ。
しかし、ミネアポリスのMall of Americaは、ほかの多くのモールとは異なり、足を心配する必要がない。なぜなら、ミネアポリス セントポール国際空港と、ミネアポリスのダウンタウンを結んでいるライトレール「Blue Line」が、Mall of Americaにも乗り入れているからだ。しかも、Blue Lineを使えば、セントポール国際空港からわずか15分ほどで到達できる。徒歩移動や待ち時間を加えても、空港から30分も見ておけば確実に到達できる。そのため、Mall of America自身も、セントポール国際空港での乗り継ぎ時間が3時間あれば十分にショッピングを楽しめる、とアナウンスしている。
実際にセントポール国際空港からBlue Lineを使ってMall of Americaまで行ってみたが、確かに空港のBlue Line乗り場からMall of Americaの駅まで、15分弱で到達できた。もちろん、Blue Lineの待ち時間や、空港ターミナルからBlue Lineの駅までの移動時間なども含めるともう少しかかるが、それを含めても25分かからなかった。
Mall of Americaからセントポール国際空港に戻る場合にも同様の時間がかかるため、往復1時間は余裕を見ておく必要がある。そう考えると、乗り継ぎ時間3時間では、ショッピング可能な時間はせいぜい1時間ほどとなるため、ゆっくりウィンドウショッピングや食事を楽しむといったことは難しいかもしれない。それでも、買いたいブランドが決まっているなら、問題なくショッピングを楽しめそうだ。
また、空港からMall of America内まで、一切野外を通らずアクセスできる点も、大きなポイントだ。ミネアポリスの冬は非常に寒く、できれば外に出たくないところ。雨の日も同様だが、Mall of Americaなら天候を一切心配する必要がない。これも、利用者にとって大きな魅力となるだろう。
ミネソタ州は、服や靴、一部生活必需品が非課税なのでショッピングに最適
もう1つ、Mall of Americaでのショッピングが魅力的な大きな理由がある。それは、Mall of Americaが位置するミネソタ州では、服や靴、生活必需品の一部などが非課税となっているという点だ。ほかの州での買い物には日本の消費税と同じように、各州が決めた税金が課せられるのに対し、ミネソタ州ならそれがないため、買い物も安く上がるというわけだ。服や靴などを買う予定があるなら、ミネソタ州が絶対的にお得だ。
加えて、Mall of Americaでショッピングを楽しむ際に手に入れておきたいのが、クーポンブックだ。クーポンブックには、Mall of Americaのショップやレストランで使えるさまざまなクーポン券が収録されている。有名ブランドで使える割引クーポンはもちろん、フードやドリンクがプレゼントされるクーポンもある。
なお、クーポンブックは無料ではなく、9.95ドル(約1150円、1ドル=115円換算)で販売されている。加えて、すべてのショップのクーポンが収録されているわけではない。それでも、利用しようと考えているショップのクーポンが含まれていればあっという間に元が取れるので、中身を確認しつつ、目的に合うなら必ず入手しておこう。
“大きいことはいいことだ”を体現するかのような巨大さ
さて、実際にMall of Americaに足を踏み入れて驚いたのは、なんと言ってもその巨大さだ。モールは東西南北4エリアに分かれ、それぞれ4階建ての構造となっているが、その1つのエリアだけでも十分な大きさのモールと感じる。そして、全エリア合わせて520店のショップ、50店のレストランがあるという。ここまで数が多いと、数時間の滞在だけではもったいないと感じてしまう。訪れる客の数も桁違いで、年間4000万人を超える客が訪れるという。クルマ社会のアメリカらしく、駐車場も1万5000台収容と非常に巨大だ。
しかも、Mall of Americaはショップやレストランだけではなく、全14スクリーンの映画館に、水族館、IMAXスクリーンを利用した4Dシアター、ミニゴルフ場、さらには屋内型遊園地までもが併設されている。屋内型遊園地には、ジェットコースターをはじめとする絶叫マシンや、アスレチック的なアトラクション、メリーゴーラウンドなどの小さな子供も楽しめるアトラクションまで、非常に本格的なものとなっている。最近は減ってきているが、日本ではデパートの屋上にミニ遊園地のようなアトラクションやライドを設置することもある。しかし、Mall of Americaの屋内遊園地は、それだけで遊園地として十分に成り立つほどの規模で、それがショッピングモールの一部として用意されているという点はかなりの驚きだ。
そのほか、Mall of Americaでは年間50を超えるイベントを開催しているという。有名アーティストを呼んで開催されるイベントも多いそうで、タイミングが合えば思わぬ楽しみが舞い込んでくるかもしれない。
このように、Mall of Americaはショッピングだけでなく、子供から大人まで楽しめる施設も数多く用意されているので、まさに観光地に遊びに行くような感覚で楽しめる場所と言える。これも、ほかのモールにはない大きな特徴と言えるだろう。
コインロッカーがあるので手荷物があっても大丈夫
ミネアポリス セントポール国際空港での乗り継ぎや、搭乗便までの空き時間を利用してMall of Americaを訪れる場合に気になるのが、手荷物の扱いだろう。トランクなどの手荷物を引きずりながら巨大なショッピングモールで買い物というのは、できれば避けたいところ。しかし、Mall of Americaでは、大型のコインロッカーが完備されているので、荷物を預けて安心してショッピングを楽しめる。
また、ミネソタ州の観光案内パンフレットも豊富に用意されている。ショッピングのあとにミネソタ州を観光しようと考えている場合でも、ここだけでミネソタ州全域を網羅する観光情報を入手可能。こういった部分は、Mall of Americaが、ミネアポリス セントポール国際空港の利用者を取り込むべく、旅行者へ配慮したものといえるが、利用者目線のうれしい配慮だろう。
乗り継ぎの合間ではなく、ゆっくり訪れるのがベスト
今回、実際にMall of Americaを訪れて感じたのは、3時間程度の乗り継ぎの合間に訪れるのはもったいない、ということだ。確かに、3時間あれば買い物を楽しめないことはないが、ゆっくり買い物を楽しむだけでなく、さまざまなアトラクションなどを楽しむには、もっと時間が欲しい。できればミネアポリスで1泊して、ゆっくり訪れたいものだ。
そういった場合に便利なホテルとしてお勧めなのが「Hyatt Regency Bloomington-Minneapolis」。ミネアポリス セントポール国際空港とMall of Americaの中間に位置するホテルで、ホテル目の前にBlue Lineの駅があるため、空港からもMall of Americaからも非常にアクセスが優れている。また、日本人宿泊者向けとして、部屋にスリッパや湯沸かし器を用意するサービスも行なわれているので、快適に宿泊できる。また、使い捨てタイプのスリッパはそのままその先の旅にも持って行けるので、旅行中の快適度も高まるだろう。オープンしてまだ間もないホテルのため、施設や部屋も非常に綺麗で、快適に滞在できるはずだ。
Mall of Americaの日本からのアクセスは比較的容易だ。なぜなら、ミネアポリス セントポール国際空港はデルタ航空がハブ空港として利用しており、羽田から毎日ミネアポリス セントポール空港便を運航している。もし、羽田~ミネアポリス便を使ってアメリカ各地への旅行を計画しているなら、ぜひミネアポリスに1泊する計画を組み込んで、Mall of Americaにも足を運んでみてはいかがだろうか。