旅レポ
デルタ航空のミネアポリス直行便の利便性を確認してきた(後編)
米国国内線への乗り継ぎに便利なミネアポリス・セントポール国際空港
2016年11月4日 00:00
前回は、デルタ航空の成田~ミネアポリス線、DL616便を利用して、ミネアポリス・セントポール国際空港に到着したところまでを紹介した。今回は、そのミネアポリス・セントポール国際空港での乗り継ぎや、空港に用意されている施設などを紹介していく。
デルタ航空なら国際線から国内線へターミナルを移動せず乗り継げる
ミネアポリス・セントポール国際空港は、米国・ミネソタ州にある空港だ。ミネソタ州最大都市のミネアポリスと、州都セントポール、このミネソタ州を代表する2つの都市に隣接する場所に位置していることから、この名前が付いている。
ミネアポリス・セントポール国際空港には2つのターミナルがある。ターミナル1には114ゲート、ターミナル2には10ゲートが用意され、米国国内線126都市、国際線29都市へのフライトが運航されている。2015年の利用者は約3658万人で、規模としては米国で16番目。ニューヨークやロサンゼルスなど、おなじみの大都市にある巨大空港に比べると、規模はやや小さめと言える。
デルタ航空は、ミネアポリス・セントポール国際空港をハブ空港として利用している。これは、デルタ航空と合併した旧ノースウエスト航空が、ミネアポリス・セントポール国際空港の近くに本拠地を構え、ハブ空港として活用していたからだ。
現在デルタ航空は、ミネアポリス・セントポール国際空港を、米国中西部の各都市や、東海岸、南部の都市を結ぶ乗り継ぎの要所として活用しており、成田からミネアポリス・セントポール国際空港への直行便を運航しているのも、乗り継ぎの利便性を考慮してのもの。10月30日からは、昼間の時間帯に羽田空港からミネアポリス・セントポール国際空港への直行便を運航しており、この路線を利用することで、北米110都市へと乗り継ぎが可能だ。
デルタ航空の運航便は、ミネアポリス・セントポール国際空港の2つあるターミナルのうち、ターミナル1を利用している。それも、ターミナル1にあるAからFまでの区域のうち、E以外の区域すべて、大多数の区域を利用している。また、日本からの便を含めた国際線、そして米国国内線ともにターミナル1を利用しているため、デルタ航空を乗り継ぐ場合にはターミナルを移動する必要がないので便利だ。
今回利用したDL616便は、「G8」番ゲートに到着した。そして入国審査、預け入れ手荷物の受け取りと乗り継ぎカウンターでの預け入れ手荷物の再チェックイン、セキュリティチェックを経て、乗り継ぎ便の出発エリアへと移動した。
乗り継ぎ予定のナッシュビル行きDL4513便は、「C19」番ゲートからの出発予定となっていた。巨大空港に比べると比較的コンパクトなミネアポリス・セントポール国際空港ではあるが、ターミナル1自体は結構大きく、C19番ゲートは、セキュリティチェックを抜けた場所からは最も遠いエリアに位置していた。
また、Cゲートエリアはかなり横幅が長く、この距離を歩いて移動するとなると結構な時間歩くことになり、かなり疲れそうだ。ただ、途中には動く歩道が多く用意され、Cゲートエリアにはトラムも用意されている。今回はトラムを使って移動したため、距離の割には楽に移動できるという印象で、セキュリティチェック通過後5分ほどでゲートにたどり着けた。
レストランやバーではタブレット端末で乗り継ぎ便の情報をチェックできる
乗り継ぎに時間がある場合や、帰国便搭乗までの待ち時間などには、ターミナル内のレストランやカフェなどで過ごしたり、ショッピングを楽しみたりしたいだろう。ミネアポリス・セントポール国際空港のターミナル1には95のショップやレストランがあり、食事やショッピングと、待ち時間を有意義に使えそうだ。
ショップには有名ブランドから地元ミネソタ州の名産品などを扱うショップなどがあり、なかなか充実している。また、規模の大きな免税店も12月にオープン予定となっているので、日本への帰国便の待ち時間にお土産を買うといった場合にも、さらに便利になりそうだ。
そんなときに気がかりなのが、乗り継ぎ便のステータス情報。多くの場合、ターミナル内に設置されている案内ディスプレイをチェックする必要があるが、レストランやバーにいると、チェックが難しい場合もある。
しかし、ミネアポリス・セントポール国際空港のレストランやバーには、座席やテーブルにタブレット端末が置かれ、それを利用して出発便のステータス情報を簡単にチェックできる。座席で食事やドリンクを楽しんでいるときにも、手元で乗り継ぎ便のステータスを簡単に把握できるのは、かなり便利と感じる。
また、このタブレット端末は、店内での注文に利用したり、新聞の閲覧、SNSの利用といったことも可能だ。しかも、このタブレット端末は多言語対応で、日本語表示にも対応している。このあたりから、ミネアポリス・セントポール国際空港は日本人に優しい空港という印象を強く受けた。
このほか、搭乗ゲート付近のチェアやデスクには、AC電源を多数設置するとともに、充電スタンドも数多く用意されている。電源の用意が少ない空港では、電源のある場所に座り込んでノートPCなどを使っている人をよく見かけるが、この空港なら電源がなく困ることはなさそうだ。もちろん、空港内には無料で利用できるWi-Fiを完備。待ち時間をネットアクセスで過ごすことも容易だ。
空港内にPGAのゴルフ複合施設があるのはミネアポリス・セントポール国際空港だけ
ところで、ミネアポリス・セントポール国際空港には、ほかの空港にはない、非常に珍しい施設がある。それが「PGA MSP Airport」だ。アメリカプロゴルフツアー「PGA」が運営する施設で、ゴルフ関連グッズの販売、バーでの軽食やドリンクのサービスに加えて、ゴルフシミュレータを利用したゴルフのプレイ、PGAの認定を受けたトレーナーによるゴルフレッスンなど、ゴルフ好きには見逃せない内容が満載の施設となっている。空港に設置されているPGAのゴルフ複合施設は、世界でもここだけとのこと。
目玉の施設といえるゴルフシミュレータには、米国国内だけでなく、日本も含めた世界中の実在コースデータが収録されており、好きなコースを選んでプレイできる。また、隣にあるバーでビールなどを買えば、飲みながらのプレイも可能だ。実際に当日も、ビールを飲みながら楽しそうにプレイするグループが見られた。
ゴルフシミュレータやゴルフレッスンなどの利用は有料で、ゴルフシミュレータは30分40ドル(約4200円)から、ゴルフレッスンは15分35ドル(約3700円)からとなっている。ただ、150ドル(約1万5800円)の年間パスを購入すれば、ゴルフシミュレータはいつでも無料で利用可能になるそうだ。ミネアポリス・セントポール国際空港を頻繁に利用する機会のあるゴルフ好きなら、年間パスの購入はかなりお得といえる。ただし、ゴルフのプレイに熱中しすぎて、飛行機に乗り遅れることのないよう注意したい。
日本人にやさしく乗り継ぎに便利
今回筆者は、初めてミネアポリス・セントポール国際空港を利用したが、確かにロサンゼルス国際空港などの巨大空港に比べて、乗り継ぎはかなり便利と感じた。小ぶりとはいえ、ハブ空港として利用される空港だけあって、それなりの大きさがあり、利用する便のゲートによっては、かなりの距離を歩く必要がある。それでも、デルタ便の国際線から国内線への乗り継ぎでもターミナルを移動することなく乗り継げるという点は、大きなメリットだ。
そのほか、ショップやレストランが充実していること、ゲート付近のイスやテーブルにAC電源が多く用意されていたり、充電スタンドも多く設置されているという点も、利用者にとってうれしい部分だ。
さらに、日本人にとってかなり利用しやすい空港だという印象も持った。なぜなら、空港内の案内板の多くに日本語が併記されているからだ。旧ノースウエスト航空がハブ空港として利用していた頃から日本発着便が就航し、日本人利用者が多かったことから、案内板に日本語を併記しているとのこと。初めて利用する海外の空港では、どこに行けばいいか分からず迷ってしまうこともあるが、案内板に日本語もあることで、迷わず移動できるだろう。
このように、ミネアポリス・セントポール国際空港は、乗り継ぎに便利なだけでなく、日本人にやさしい空港という印象を強く受けた。なかなかアメリカ中西部や南部に足を運ぶ機会はないのだが、次にその方面へ行くときには、またミネアポリス・セントポール国際空港経由で渡航したいと強く感じた。