【イベントレポート】

【パリ航空ショー2017】ミシュラン、次世代タイヤテクノロジー「NZG(Near Zero Growth)」をアピール

2017年6月19日~25日(現地時間) 開催

ミシュランブース

 パリ航空ショーでは、新型機の展示、航空機メーカーのカンファレンスや発表会のほか、多数の航空部品会社によるブース展示が行なわれている。本記事では、文字どおり航空機の足下を支えるタイヤを紹介する。

 ミシュランといえば、日本では“一つ星”“二つ星”“三つ星”のミシュランガイドが有名になってしまったが、本業はフランスに本社をおく世界有数のタイヤメーカー。地元開催となるパリ航空ショーでは、ボーイングの新型旅客機 737 MAX 9型機に採用されたNear Zero Growthテクノロジー採用のラジアルタイヤ「MICHELIN Air X」などを展示していた。

ボーイングの新型旅客機 737 MAX 9型機や、フランスの軍用機に採用されたタイヤなどが並ぶ

 ミシュランはタイヤ業界において、常に先進的な技術を採り入れてきており、その代表的なものにラジアルタイヤがある。それ以前はバイアスタイヤと呼ばれるタイヤが主流で、バイアス(斜線)の文字どおり、タイヤ内部の構造部材となるカーカスの繊維を斜めに組み合わせて、タイヤの形状を作り出していた。現在の主流となるラジアルは、タイヤの構造繊維を直交させたもの。これによりバイアスタイヤより、接地形状の維持がしやすくなり、接地面積の向上、転がり抵抗の低減などさまざまなメリットを得られている。

バイアスタイヤとラジアルタイヤの比較。タイヤも軽く作ることができ、航空機の燃費面によい影響がある

 ミシュランブースでは、バイアスとラジアルタイヤの違いに加え、新たに同社が投入した次世代タイヤテクノロジー「NZG(Near Zero Growth)」をアピール。このNZGでは、タイヤの構造繊維にアラミド+ナイロンを用いることで、従来のラジアルタイヤよりも膨らみにくく、正しい形状を維持することで、タイヤとしてより正確に機能していく。

NZGの訴求。構造面の説明などを行なっている
NZGが従来のラジアルタイヤよりも優れている点。こちらも燃費を訴求。運航コストの低減に直結するため航空機用タイヤにとって一番の訴求ポイントになるのだろう

 ボーイングの新型旅客機 737 MAX 9型機採用されたタイヤも、このNZGを用いており、投射型のスクリーンでNZGのメリットを訴求していた。