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ANAとベトナム航空が提携。10月30日の冬ダイヤからコードシェア便を運航
国内線30路線、国際線10路線で共同運航。マイレージ・プログラム提携や空港業務の受委託でサービスを向上
(2016/5/30 14:20)
- 2016年5月28日 開催
ANAグループは5月28日、ベトナム航空と業務・資本提携に関する最終契約書を締結した。2016年1月12日に発表した基本合意に基づき、ANNグループがベトナム航空株式の約8.8%を総額2兆4310億ドン(約117億円相当)で、7月を目途に取得する予定。
同日、ANAホールディングス 代表取締役社長の片野坂真哉氏とベトナム航空 代表取締役社長のファン・ノック・ミン(Pham Ngoc Minh)氏による調印式が報道向けに公開されたので、その模様をレポートする。
日本~ベトナム、アジア~北米における利用者へのサービス向上と収益機会の拡大に繋げる
ANAグループの中期経営戦略では、新たな成長領域拡大に向け航空関連ビジネスを中心としたアジアへの戦略的投資に取り組んでいる。その一つとして、今回のベトナム航空との提携で日本とベトナム間はもちろん、アジアと北米間における利用者へのサービスを充実させ、更なる収益機会の拡大に繋げようとしている。
ANAによれば、「ベトナムはアジアの中でもとりわけ成長ポテンシャルの高いCLMV(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム)の中心に位置し、TPP参加国の一員でもある。今回の業務・資本提携により、同地域を含むアジアと日本との経済・文化・人的交流と、訪日旅行の一層の促進に寄与していく」とのことだ。
この提携は、ベトナム政府当局からの必要な許認可の取得などを条件として実施するもので、ANAホールディングスが、ベトナム航空の発行済み株式の約8.8%に相当する新規発行株式を総額2兆4310億ドン(約117億円相当)で取得し、2016年冬ダイヤ(10月30日)から、日本・ベトナム双方の主要な国内線30路線の運航便と、日本とベトナム間の国際線10路線の運航便に相互に便名を付与し、コードシェアを実施。
また、ANAマイレージクラブ(AMC)会員は、2016年冬ダイヤよりベトナム航空とコードシェアを行なう路線におけるマイル積算が行なえるようになり、マイレージ特典航空券でベトナム航空の全運航便の利用が可能となるほか、日本とベトナムの就航地における旅客チェックイン、貨物搭降載、地上支援、ケータリング、機体整備などの空港関連業務の相互受委託を8月以降、順次実施する予定とのことだ。
両社の航空業界での発展のみならず、両国の関係発展も目的。片野坂社長とミン社長の挨拶
調印式の挨拶のなかで、片野坂社長は「インドシナの中心であるベトナムのフラッグキャリアと、戦略的な提携ができることを大変うれしく思っています。今回の提携でお客さまの利便性が格段に向上するとともに、当社の競争力が著しく高まることを期待しています。いまや日本人のベトナム訪問者は年間60万人を超える一方で、ベトナムから日本への来訪者数も毎年1.5倍のペースで増えており、まもなく20万人に達しようとしており、これからも両国の交流はますます深まるものと考えています。今後、TPPが発効すれば、さらに人、物、マネーの流れが両国間でますます活発になりますので、その往来、交流を担う航空業界として、今後もベトナム、インドシナ地域と日本との経済、文化、人的交流の一層の促進に寄与してまいりたいと思います。今回の提携を機に、日本とベトナムの架け橋として、ベトナム航空と当社がWin-Winの関係で互いに大きく成長し、両国並びにアジア、世界の発展にも寄与してまいりたいと考えております」と語った。
一方、ミン社長は「今日のベトナム航空とANAの調印式は、協力関係においても新たな一歩になると思います。パートナーを探すことと支援を調達することは、非常に重要なことだと認識しています。国際市場で大きく力を伸ばすには、皆さんとの大きな協力をしたいと思います。この提携で国際的にも大きな発展となることや、日本とベトナムの友好関係を、さらに発展させられることを期待しています。ベトナム航空の代表者として、皆さんに心から感謝を申し上げます」と話していた。