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JAL、ホログラフィック コンピューター「Microsoft HoloLens」を運航、整備訓練に活用する業務活用プロトタイプ開発

2016年4月18日発表

 JAL(日本航空)は4月18日、米Microsoftが開発したホログラフィック コンピューター「Microsoft HoloLens」をボーイング 737-800型機の運航乗務員用トレーニングや、ボーイング 787型用エンジン整備士訓練に活用できるプロトタイプを開発したと発表した。引き続き開発して将来の実用化を目指すほか、そのほかにも活用を検討する。

Microsoft HoloLens

 ボーイング 737-800型機運航乗務員訓練生用トレーニングツールは、Microsoft HoloLensを頭部に装着することで、目の前にコックピット空間を再現するもの。

 現在の運航乗務員の訓練初期はコックピット内の計器・スイッチ類を模した写真パネルに向かって操縦手順を学習しているが、Microsoft HoloLensの活用により、目の前の空間にホログラムとして浮かび上がるコックピット内の計器やスイッチ類を、Microsoft HoloLens上の映像や音声ガイダンスに沿って自らの体を使ってシミュレーションができ、効果的な訓練が期待できるとしている。

ボーイング 737-800型機運航乗務員訓練生用トレーニングツール

 また、ボーイング 787型用エンジンの整備士訓練用ツールもリアルに体感、学習することを目指す。現在は飛行機が運航していない時間を活用してエンジンを学習したり、エンジン構造は教科書の平面図で学習したりしているが、Microsoft HoloLensの活用で、いつでもリアルに訓練ができるとしている。

ツールを起動してコックピットかエンジンかを選択する

 なお、Microsoft HoloLensの活用は2015年8月より米Microsoftと共同でJALの業務への活用を検証してきた。

 Microsoft HoloLensは本体にWindows 10を搭載し、PCなど外部機器の接続が必要なく、単独で使用できるホログラフィックコンピューター。リアル空間にホログラムを配置することができ、その世界を見て、デジタルコンテンツを操作することを可能にする機器。開発者向けセットが米国とカナダで提供されている。

(編集部:正田拓也)