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ヤマハ、ジョイスティックで操船するスポーツクルーザーなどボートショー2016でニューモデルを発表

国内初「ヘルム・マスター」採用の「SR320FB」など

2016年3月3日~6日 開催

会場内でもひときわ大きく展開していたヤマハのメインブース

 ヤマハは、3月3日~3月6日にパシフィコ横浜および横浜ベイサイドマリーナで開催される「ジャパンインターナショナルボートショー2016」(以下、ボートショー2016)にブースを出展し、ニューモデルや参考出品モデルを展示した。本記事では、出品艇の紹介とプレスカンファレンスについて紹介する。

 ボートショー2016は日本マリン事業協会が主催するイベントで、パシフィコ横浜を第1会場とし、最新のヨットやボート、PWC(パーソナルウォータークラフト、水上オートバイ)、マリンウェアや書籍などが展示される。第2会場は横浜ベイサイドマリーナで、大型ボートやセーリングクルーザーが係留桟橋を利用して展示される。2つの会場間アクセスは無料シャトルバスと有料のシャトルボートが利用できる。

 まずは、パシフィコ横浜の展示艇から紹介する。第1会場ヤマハのメインブースはひときわ大きく、ボートの特性に合わせて「クルージングスポーツ」「フィッシング」「マルチ」「PWC」と4つのゾーンに分け、13艇のボート、5艇のマリンジェットを展示。ほかに、船外機やマリン用品の展示や、マリンクラブ、ボート免許の案内スペースが設置される。PWCゾーンは、メインブースの向かい側に設けられた「PWCワールド」に出品されている。

クルージングスポーツゾーン:船外機用操船制御システム「ヘルム・マスター」を国内初めて採用

SR320FB

ヨーロピアンスタイルのフォルムを持つ「SR320FB」

 ヨーロピアンスタイルのフォルムに優れた走行性能と快適な居住性を兼ね備えるフライブリッジタイプのスポーツクルーザー。エンジンには、経済性や環境性能、メンテンナンス性、スペース効率などに優位性を発揮する船外機を搭載するとともに、船外機操船制御システム「ヘルム・マスター」を国内で初めて採用した。2016年3月3日より発売されるニューモデル。

「ヘルム・マスター」とは、ヤマハと、スウェーデンの船舶用エンジンメーカー「AB Volvo Penta(ボルボ・ペンタ)」が共同開発した船外機用操船制御システム。大型4ストローク船外機(225~350馬力)を2基、もしくは3基搭載する中・大型ボートを対象とした操船制御システムで、ステアリングやシフト操作、スロットル開度など船外機のコントロールをすべて電子的に制御する。通常のステアリングとリモコンボックスでの操船に加え、低速時にジョイスティック1本で360度の移動・回転が可能となり、離岸・着岸時や狭水路、マリーナ内など特に狭いスペースで容易な操船を可能としている。

 船外機には、経済性、信頼性に定評がある250馬力船外機「F250D」を2基搭載。フライブリッジにはL字型のシートとテーブルを配置。舷をまたがずにボートに乗り降りできるサイドゲートを左右両舷に設置。また、2機の船外機の間にトランサムステップを設置している。アフトデッキには状況に応じて格納できるシートを設置。回転式バックレストはデッキからトランサムステップへのアクセスを容易にする。

 広いメインサロンには、対面式のシートレイアウトを採用。シートや家具に高級感のある素材を採用ししている。新形状のポートライトを採用したバウバースは明るく、広々とした空間で、大人2人がゆったりと横になれるスペースを確保している。

全長:10.25m
全幅:3.20m
完成質量:4655kg
定員:12名
搭載エンジン:F250DETX×2
搭載馬力:183.9kW(250ps)×2
燃料タンク容量:800L
航行区域:沿海
メーカー希望小売価格(税抜、船体・エンジン+沿海セット価格):3025万6000円

アフトデッキ&センターステップ
サイドゲート
メインサロン
ギャレー
パウダールーム
バウバース
フライングブリッジ
コックピット
「ヘルム・マスター」のジョイスティックとリモコンボックス
フライングブリッジのL字型シートとテーブル
アフトデッキ&センターステップ
250馬力船外機「F250D」を2基搭載する

EXULT 36 Sport Saloon:ヤマハのフラッグシップ「EXULT」シリーズのクルージングモデル

「EXULT 36 Sport Saloon」

 高出力・多機能な「IPS500」を搭載。デザインや質感だけでなく、走行性能や機能性も最高レベルで追求したプレミアムボートのカテゴリー「EXULT(イグザルト)」シリーズのサロンクルーザー。

 DPS(Dynamic Positioning System、定点保持システム)やオートクルーズシステムなど、快適な操船性を実現させる機能を採用している。キャビン木部、キャビンソファ、ラインテープなどは、ボートショー2016用の特別仕様となっている。

全長:11.98m
全幅:3.97m
完成質量:9857kg
定員:12名
搭載エンジン:VOLVO IPS-500×2
搭載馬力:272kW(370ps)×2
燃料タンク容量:900L
航行区域:沿海
メーカー希望小売価格(税抜、船体・エンジン+沿海セット価格):7380万800円

SR310X:船外機艇のイメージを覆す、斬新なデザインのバックサイドビュー

「SR310X」

 ラウンジシート、サンベッド、スイミングプラットホームの採用で、ゆとりあるデッキレイアウトを実現。デッキのラウンジシートから続く船内は、船外機とスクエアバウで広さを確保している。チャインに下向きの角度をつけ、船側にブレード形状を持つ独自のA.R.B.(アンチ・ローリング・ブレード)で、停泊時の静止安定性だけでなく、波浪中の横安定性や、航走時の走行安定性も実現。船底のキール部分を大きくつまみ出したような独特な形状を持つ「W.T.B.(ウェーブ・スラスター・ブレード)」が、風に流される距離や船首が風下に向くのを抑え、船外機艇でありながらも船内機艇に近い優れた風流れ抑止性能を発揮している。

全長:9.43m
全幅:2.69m
完成質量:2976kg
定員:10名
搭載エンジン:F350AETX
搭載馬力:257.4kW(350ps)
燃料タンク容量:100L
行区域:限定沿海
メーカー希望小売価格(税抜、船体・エンジン+限定沿海セット価格):2192万6810円

フィッシングゾーン

190FSH Sport:フィッシング機能も充実したスポーツボートのニューカテゴリ

 走行性能と後部デッキの親水性、クルージングやトーイングプレイなどが楽しめる従来のスポーツボートの特徴をそのままに、ボートフィッシングを楽しむことのできる新たな機能を併せ持つスポーツボート。デッキにはT-トップ付きのセンターコンソールを設置し、ウォークアラウンドタイプのレイアウトを採用。センターコンソールのジェット推進システムは世界初。

 バウデッキやサイドデッキには、釣りに便利なスペースを確保したほか、ライブウェル(イケス)も装備している。通常のプロペラ仕様のボートでは困難な浅瀬での釣りにも対応する。

全長:5.8m
全幅:2.4m
完成質量:1040kg
定員:8名
搭載エンジン:1812cc High Output Engine
エンジンタイプ:4ストローク/4気筒
搭載馬力:132.4kW(180ps)
燃料タンク容量:L
航行区域:限定沿海
メーカー希望小売価格(税抜、船体・エンジン+限定沿海セット価格):586万7300円

SR-XX:小型船外機艇の人気モデル

「SR-XX」

 スタイルを際立たせるだけでなく、前方からの風雨をシャットアウトし、ウォッシャー機能付きのワイパーも装備したハードトップ&フロントウインドウ。パイプ径をアップし、強度を高めた専用の大型レールをバウとスターンに標準装備。キャスティングやジギングなどスタンディングポジションで、フィッシングをサポートする。

全長:6.2m
全幅:2.28m
完成質量:1129kg
定員:5名
搭載エンジン:VMAX F165AETL
搭載馬力:121.4kW(165ps)
燃料タンク容量:100L
航行区域:限定沿海
メーカー希望小売価格(税抜、船体・エンジン+限定沿海セット価格):502万4550円

DFR-36FB:広々としたフィッシングスペースと充実の釣り機能を備える

 エンジンは低燃費で環境性能に優れた「D9-500」を搭載。ヤマハのFSR(フィッシングサポートリモコン)とVOLVOの電子トローリングシステムを組み合わせた新開発の「スーパースローリモコン」を装備することができ(工場オプション)、簡単な操作でエンジンの超低速運転、船位の微妙な調整を可能としている。定員2人のフライングブリッジを採用。フライングブリッジ以外に、ロアーステーション(キャビン内の操船席)を装備。また、アフトデッキにも操船システムを追加(工場オプション)できる。

全長:11.07m
全幅:3.20m
完成質量:5592kg
定員:12名
搭載エンジン:VOLVO PENTA D9-500
エンジンタイプ:
搭載馬力:368kW(500ps)
燃料タンク容量:650L
航行区域:沿海
メーカー希望小売価格(税抜、船体・エンジン+沿海セット価格):3217万6900円

YFR:アングラー視点で開発された中型船外機艇

 船底に独自技術「STEP HULL(ステップハル)」を取り入れた新設計のハル(船体)を採用し、スピードや安定性といった基本性能に加え、風流れ抑止性能、後進時の舵効き性能などを向上。ワイドなデッキ形状を持つスクエアバウや広いサイドウォーク(ブリッジ横の通路)幅の採用、トランサム(船尾)デッキの設置等により、このクラスとしては広い釣りスペースを確保している。

全長:8.80m
全幅:2.70m
完成質量:2275kg
定員:10名
搭載エンジン:F250DETX
エンジンタイプ:
搭載馬力:183.9kW(250ps)
燃料タンク容量:350L
航行区域:限定沿海
メーカー希望小売価格(税抜、船体・エンジン+限定沿海セット価格):965万4410円

FR-29:ディーゼル・インボード艇新登場

 快適なキャビンと優れた走行性能、マルチパーパスな機能性を併せ持つ幅広いニーズに応えるプレジャーボート。V型船型のハルにインボードディーゼルを搭載し、外洋での航走性能を発揮するとともに、快適な居住性を備え、本格的なボートフィッシングはもちろん、ファミリーレジャーユースにも対応する。特にキャビンは、テーブルやロッカーに木目調の素材を使用するなど上質なくつろぎの空間を演出。ギャレーカウンターも標準装備している。

全長:9.56m
全幅:3.00m
完成質量:3234kg
定員:9名
搭載エンジン:VOLVO D6-330
搭載馬力:243kW(330ps)
燃料タンク容量:L
航行区域:沿海
メーカー希望小売価格(税抜、船体・エンジン+沿海セット価格):1615万1060円

マルチゾーン

242X E-SIREIES:ジェット推進システムのスポーツボートのフラッグシップ

 スムーズかつ容易なシフト操作とスロットル操作を可能にする、新開発のDBW(DRIVE BY WIRE)リモコンを搭載。2基のエンジン回転数のシンクロ(同調)制御、1本のシフトレバーで2基のエンジンを同時に操作するシングルレバーモード、GPSを利用したスピードコントロールなどの機能も搭載する。ソーラーパネル付きのゲートタワー標準装備。アフト部の左右に2基、ミジップに1基のウォーターバラストを設置し、ウェイクボードにとって理想的な引き波を作ることが可能となっている。

全長:7.3m
全幅:2.6m
完成質量:1829kg
定員:11名
搭載エンジン:1812cc High Output Engine×2
エンジンタイプ:4ストローク/4気筒
搭載馬力:132.4kW(180ps)×2
燃料タンク容量:189L
航行区域:限定沿海
メーカー希望小売価格(税抜、船体・エンジン+限定沿海セット価格):1183万7700円

SR-X 24 F200:次世代のマルチボート

 バウライダースタイルのデッキスタイルを採用。2016年夏に販売を予定しているモデル。参考出品。

全長:7.2m
全幅:2.59m
定員:8名
搭載エンジン:F200FETX
航行区域:限定沿海

PWCゾーン

PWCゾーンは、「PWCワールド」の一角として展示される
次世代ヤマハマリンエンジン「TR-1」のカットオフモデルも展示
高い操縦性を実現させる「RiDE」を体験できるコーナーも設置される

212X:ウェイクボードだけでなく多彩なマリンプレイに対応

 ジェット推進式のエンジンを搭載し、パワフルな加速と高いスピード性能、軽快なハンドリングで多彩なマリンレジャーに対応する高い機能性を持つモデル。6.5mの艇体に総排気量1812ccの高性能NAエンジンを2基搭載。ウエイクボードに最適な約380Lのバラストタンクやトーイングゲート、快適なラウンジシートを備えたハイパフォーマンスモデル。

全長:6.5m
全幅:2.6m
完成質量:1388kg
定員:9名
搭載エンジン:1812cc High Output Engine×2
エンジンタイプ:4ストローク/4気筒
搭載馬力:132.4kW(180ps)×2
燃料タンク容量:189L
航行区域:限定沿海
メーカー希望小売価格(税抜、船体・エンジン+限定沿海セット価格):778万7700円

AR192:スタンダードモデル

 スーパーチャージャーを搭載した総排気量1812cc、210psの「Super High Output(スーパーハイアウトプット)」エンジンを搭載。可動式キールを新たに採用することで、操縦性を向上させている。優れた走行性能とアクティブなハンドリングを両立し、コンパクトな艇体ながらスペースをフル活用したワンランク上の居住性を実現している。

全長:5.8m
全幅:2.4m
完成質量:990kg
定員:8名
搭載エンジン:1812cc Super High Output Engine
エンジンタイプ:4ストローク/4気筒
搭載馬力:154.5kW(210ps)×1
燃料タンク容量:114L
航行区域:限定沿海
メーカー希望小売価格(税抜、船体・エンジン+限定沿海セット価格):594万300円

MJ-FZR SVHO:マリンジェット発売30周年記念モデル

 ヤマハが1986年にマリンジェット発売以来、今年で30周年となる。「MJ-FZR SVHO」は、北米市場の人気モデルの1つで、マリンジェット発売30周年記念モデルとして6年ぶりに国内導入をする。独自技術である超軽量素材「NanoXcel2(ナノエクセル2)」を採用した高性能艇体に、排気量1812cc、最新のスーパーチャージャー付きエンジンを搭載するなど、加速性能と旋回性能をさらに高め、走ることの楽しさ、操ることの楽しさを追求している。2016年4月1日発売。限定60台。

全長:3.37m
全幅:1.23m
完成質量:359kg
定員:2名
エンジンタイプ:4ストローク/4気筒4バルブ
呼称最大馬力:183.9kW(250ps)/7500rpm
燃料タンク容量:70L(無鉛プレミアムガソリン)
航行区域:日本小型船舶検査機構が定める航行区域
メーカー希望小売価格(税抜、本体+法廷安全備品類等):216万600円

MJ-FX Cruiser SVHO:マリンジェットのフラッグシップ

 超軽量素材「ナノエクセル」を採用したロングボディに、専用エンジン「スーパー・ボルテックス・ハイ・アウトプット(Super Vortex High Output = SVHO)」を搭載したマリンジェットのフラッグシップモデル。SVHOエンジンは、スーパーチャージャーの過給効率の向上と、コンパクトなエアークーラー、新構造のオイルクーラーによる冷却効率の向上などにより、従のSHOエンジンに比べ出力向上を実現している。

全長:3.56m
全幅:1.23m
完成質量:397kg
定員:3名
エンジンタイプ:4ストローク/4気筒4バルブ
呼称最大馬力:183.9kW(250ps)/7500rpm
燃料タンク容量:70L(無鉛プレミアムガソリン)
航行区域:日本小型船舶検査機構が定める航行区域
メーカー希望小売価格(税抜、本体+法廷安全備品類等):234万7900円

MJ-VX Deluxe:小型軽量化を実現した3気筒新型エンジン「TR-1」を搭載

 PWCを楽しむための必要十分な機能を装備するマリンジェットのスタンダードモデル。超軽量素材「NanoXcel」を採用したVXハルに、新開発、軽量・小型で高出力の4ストローク3気筒エンジン「TR-1」を搭載する。

全長:3.35m
全幅:1.22m
完成質量:301kg
定員:3名
エンジンタイプ:4ストローク/3気筒4バルブ
呼称最大馬力:85.0kW(115.6ps)/8000rpm
燃料タンク容量:70L(無鉛レギュラーガソリン)
航行区域:日本小型船舶検査機構が定める航行区域
メーカー希望小売価格(税抜、本体+法廷安全備品類等):153万4300円

MJ-VX Cruiser HO:4ストロークエンジンとクルーザーシートを搭載したクルージングモデル

 信頼の4ストロークエンジンとクルーザーシートを搭載したクルージングモデル。程よいグリップ力と心地よい横滑り感覚、そして優れた俊敏性と自然なハンドリング感覚が得られるVXハルを採用。電動リバース&減速システム「RiDE」を搭載する。

全長:3.35m
全幅:1.22m
完成質量:348kg
定員:3名
エンジンタイプ:4ストローク/4気筒4バルブ
呼称最大馬力:132.4kW(180ps)/7600rpm
燃料タンク容量:70L(無鉛レギュラーガソリン)
航行区域:日本小型船舶検査機構が定める航行区域
メーカー希望小売価格(税抜、本体+法廷安全備品類等):166万4300円

MJ-VX Deluxe(奥)、MJ-VX Cruiser HO(手前)

MJ-VXR

 軽快なハンドリングに定評のある「VX」シリーズの船型に軽量素材「ナノエクセル」を採用し、ランナバウトモデルとしてトップクラスの軽量化を実現している。レスポンスに優れた4ストローク直列4気筒、1812ccのパワーユニットとの組み合わせで、優れたスピード性能と加速性能を発揮する。2トーンステップアップシートやリボーディングステップ、デュアルカップホルダーなどを標準で装備。

全長:3.35m
全幅:1.22m
完成質量:348kg
定員:3名
エンジンタイプ:4ストローク/4気筒4バルブ
呼称最大馬力:132.4kW(180ps)/7600rpm
燃料タンク容量:70L(無鉛レギュラーガソリン)
航行区域:日本小型船舶検査機構が定める航行区域
メーカー希望小売価格(税抜、本体+法廷安全備品類等):177万4300円

ジェット救難艇「RE1800」:マリンジェットとボートの技術を融合した救難艇

 FRP製船体の周囲にクッション性を高めるDチューブを取り付けたリブボート(FRPとチューブを組み合わせたもの)タイプを採用。180馬力のマリンジェット専用エンジンと救難艇用に改良したジェット推進機を搭載し、機動力に優れ、スピード性能と波に強い走行性能でさまざまな水難救助ニーズに応える。6名が乗船でき、これまで水上オートバイで困難だった、一度に複数名の救助を可能にしている。2016年3月3日発売。

全長:5.80m(FRP部:5.47m)
全幅:2.39m (FRP部:1.84m)
完成質量:964kg
定員:6名
搭載エンジン:1.8L/4ストローク/4気筒4バルブ
最大保証馬力:132.4kW(180ps)
燃料タンク容量:114L
航行区域:限定近海(母船搭載艇として)または限定沿海
メーカー希望小売価格(税抜、法定安全備品類が別途必要):1200万円

船外機

 メインブースにある船外機コーナーには、信頼性や耐久性はそのままに、小型・軽量化を実現した4ストローク船外機を展示。また、「SR320FB」に採用されている操船デバイス「HELM MASTER(ヘルムマスター)」のシミュレーション機が設置される。

船外機コーナーと、奥に「HELM MASTER」シミュレーションコーナーがある
FT9.9LWHL(ハイスラスト)。212cc2気筒。最大出力:7.3kW(9.9ps)/5500rpm
F130AETX。1832cc4気筒。最大出力:95.6kW(130ps)/5800rpm
F150DETX。2670cc4気筒。最大出力:110.3kW(150ps)/5500rpm
F275AETL(VMAX)。4169cc6気筒。202.3kW(275ps)/5500rpm

横浜ベイサイドマリーナ

 第2会場となる横浜ベイサイドマリーナでは、先進テクノロジーと最高品質のプレミアムヨットシリーズ「EXULT」3モデルがフローティング展示されていた。

ボートショー2016の第2会場となる横浜ベイサイドマリーナ
「EXULT」シリーズ3モデルをフローティング展示

EXULT 36 Sport Saloon-X

 「EXULT 36 Sport Saloon」に、ゲートマストのカラー塗装や、多彩なマリンプレイに対応する従来比1.6倍の面積を持つ油圧昇降式大型トランサムステップの採用、より質感を高めたスタイリングと開放的なアフトデッキスペースを実現したモデル。

全長:12.48m
全幅:3.97m
完成質量:10147kg
定員:12名
搭載エンジン:VOLVO PENTA IPS-500×2
搭載馬力:272kW(370ps)×2
燃料タンク容量:900L
航行区域:沿海
メーカー希望小売価格(税抜、船体・エンジン+沿海セット価格):7849万8200円

EXULT 38 CONVERTIBLE

 明るさと開放感、パノラマビューを堪能できるメインサロンをはじめ、本革のラウンジソファ、精巧な象嵌細工が施されたサロンテーブルなど、豪華に作られたプレミアムボート。上質感を堪能できるオーナーズバース、来客用ミドルバースに加え、サービスルームも用意される。

全長:12.65m
全幅:4.25m
完成質量:10000kg
定員:12名
搭載エンジン:VOLVO PENTA IPS-500×2
搭載馬力:272.1kW(370ps)×2
燃料タンク容量:1300L
航行区域:沿海
メーカー希望小売価格(税抜、船体・エンジン+沿海セット価格):7842万8800円

EXULT 45 CONVERTIBLE

 内装材に使われるのはローズウッドという希少な高級木材。色のトーンがしっかりした素材で重厚感があり、落ち着いた雰囲気に仕上がる。その素材を加工するのは、高級注文家具メーカー「松創」。松創は広島県府中市にある150年の歴史を誇る老舗。工場では約50人の職人が働き、ベテラン「指物師」の手作業で内装が作られている。

全長:15.66m
全幅:4.75m
完成質量:16309kg
定員:15名
搭載エンジン:CAT C12
搭載馬力:526kW(715ps)×2
燃料タンク容量:2300L
航行区域:沿海
メーカー希望小売価格(税抜、船体・エンジン+沿海セット価格):1億3629万7400円


 ボートショー2016の初日にはプレスブリーフィングが行なわれ、ヤマハ代表取締役 副社長執行役員 マリン事業本部 本部長の木村隆昭氏が挨拶した。木村氏は、マリン事業の中期経営計画として、総合マリンビジネス3000億円を目指した取り組みを進めてきた結果、マリン事業全体での売上は前年比9.8%増加の3034億円、営業利益は31%増の602億円と報告。本年2016年からの新しい中期経営計画は「世界3兆円市場への挑戦」を挙げ、2018年には売上高3400億円、営業利益20%を目指すとした。

 また、セーリングチームを結成し、2020年の東京五輪に向けた活動を開始すると宣言した。すでに2016年のアメリカズカップへ挑戦するソフトバンク・チーム・ジャパンの公式スポンサーとして活動しているが、マリンスポーツの最高峰である2つの競技に参画することで、ブランドスローガン「Revs your Heart」を具現化していくと語った。

 続いて、マリン事業本部 ボート事業部 事業部長 井端俊彰氏が登壇し、国内ボートマーケットへの取り組み方針について説明。国内ボート需要は、フィッシングボートに加え、クルージングユースの中・小型物件で大きく伸長。免許取得者も5年連続で伸長し5万人を突破したという。「マリン入門者は確実に増加傾向。関心の高まりを実感している」と井端氏は語る。

 昨年(2014年)導入したエントリー層向けフィッシングボート「F.A.S.T.23」はすでに今年度秋生産までの注文があり、フル生産体制で挑んでいるとのこと。また、5年前、アメリカから国内導入したARシリーズを代表するスポーツボートは、年間販売が100隻を超え、総需要の1割を占めるまでに至ったという。「この上昇基調にあるマリン業界で、更なる強力な製品ハード、ソフトの両面でマーケットに提案していく」と意気込みを表した。

プレスカンファレンスには、多くの報道陣が詰めかけた
挨拶をするマリン事業本部 本部長の木村隆昭氏
国内ボートマーケットについて説明するボート事業部の井端俊彰氏

(政木 桂)