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楽天カードとANA、楽天スーパーポイントとANAマイルのどちらか貯まる「楽天ANAマイレージクラブカード」

楽天ポイントカード提携店ではダブルで貯まる

2016年2月16日 発表

 楽天カードとANA(全日本空輸)は2月16日、東京都内で記者会見を開催し、楽天カードにANAマイレージクラブ機能を付帯した新クレジットカード「楽天ANAマイレージクラブカード」を提供開始すると発表した。2月16日より申し込み受付および発行が開始される。

 楽天ANAマイレージクラブカードは、楽天カードのクレジットカード機能と、ANAの「ANAマイレージクラブ(AMC)」機能の双方を備えるカードで、クレジットカード決済によって楽天グループの「楽天スーパーポイント」またはANAのマイルが付与される。また、電子マネー「楽天Edy」機能も備えており、1枚でクレジットカード、AMC機能、共通ポイントサービス「楽天ポイントカード」、電子マネーの楽天Edyと、全4種類の機能を備える多機能型カードとなっている。加えて、ANAの国内線に搭乗手続きなく搭乗できる「スキップサービス」にも対応。カードの年会費は初年度無料で、次年度より540円となるが、年1回のクレジットカード決済によって年会費は無料となる。カードの券面は、シルバーとピンクの2色を用意しており、申し込み時に選択可能となる。

楽天カードとANAマイレージクラブカード双方の機能を備える「楽天ANAマイレージクラブカード」が登場
カードはシルバーとピンクの2色を用意
クレジットカード、ANAマイレージクラブカード、楽天ポイントカード、楽天Edyの4種類の機能を備える

 クレジットカード決済額に応じた楽天スーパーポイントまたはANAのマイルの付与は、あらかじめ選択したコースによって決まる。「楽天スーパーポイントコース」を選択すれば楽天スーパーポイント、「ANAマイルコース」を選択すればANAマイルが溜まることになる。基本的には、楽天スーパーポイントとANAマイルが同時に付与されることはない。このコースは、登録後にもユーザーが自由に変更可能なので、ライフスタイルに合わせて自由に選択可能となっている。

 クレジットカード決済額に応じた楽天スーパーポイントまたはANAマイルが付与される割合は、楽天スーパーポイントが100円あたり1ポイント、ANAマイルは200円あたり1マイル。なお、楽天スーパーポイントに関しては、楽天市場での決済に利用した場合には2倍、街中の楽天スーパーポイント加盟店での決済では3倍のポイントが付与される。

クレジットカードの決済額に応じて、楽天スーパーポイントは100円あたり1ポイント、ANAマイルは200円あたり1マイルが付与される

 また、楽天ANAマイレージクラブカードに付帯している楽天ポイントカード機能によって、楽天ポイントカード提携店での利用時には別途さらに楽天スーパーポイントが溜まることになる。そのため、楽天ポイントカード提携店で楽天ANAマイレージクラブカードのクレジットカードで決済を行なった場合に限っては、クレジットカード決済額による楽天スーパーポイントまたはマイルの付与に加えて、楽天ポイントカードによる楽天スーパーポイントも付与されるため、楽天スーパーポイントをダブルで、または楽天スーパーポイントとANAマイルが同時に付与されることになる。

楽天ポイントカード提携店では、楽天スーパーポイントがダブルで、またはANAマイルと楽天スーパーポイントが同時に付与される

 クレジットカード部分には、楽天カード同様の「安心制度」が用意される。こちらは、登録メールアドレスに決済額を知らせる「カード利用お知らせメール」、商品未着時に請求をキャンセルできる「商品未着あんしん制度」、ネットでの不正利用時に被害金額を保証する「ネット不正安心制度」が提供される。

 このほか、楽天ANAマイレージクラブカード提供開始に合わせて各種キャンペーンも用意。まず、楽天ANAマイレージクラブカードに新規入会したうえでクレジットカードを利用すると、5000ポイントがプレゼントされるキャンペーンが実施される。また、楽天ANAマイレージクラブカード新規申し込み者を対象として、ANAの国内線航空券と宿泊施設のダイナミックパッケージ「ANA楽パック」で利用可能な4000円相当のクーポンをプレゼントするキャンペーンも用意。さらに、楽天が提供する「スーパーポイントアッププログラム」も自動的に適用となるため、楽天市場での利用時に付与される楽天スーパーポイントは2倍以上になる場合もある(2月16日時点では、スーパーポイントアッププログラムによって4倍のポイントが付与される)。

楽天カード同様の「安心制度」も適用
楽天ANAマイレージクラブカード提供開始を記念したさまざまなキャンペーンも用意される
楽天グループの近況を紹介する、楽天株式会社 代表取締役 副社長執行役員 兼 楽天カード株式会社 代表取締役社長 穂坂雅之氏

 記者会見では冒頭、楽天 代表取締役 副社長執行役員 兼 楽天カード 代表取締役社長の穂坂雅之氏が、楽天グループの近況を紹介した。

「現在楽天グループは、eコマースの楽天市場や旅行の楽天トラベル、金融関連として楽天カードや楽天銀行、楽天Edyなど、70種類ほどのサービスを提供しています。そして、楽天グループのお客様は、共通のIDを使い、決済ごとに楽天スーパーポイントが貯まり、貯まったポイントが楽天グループのサービスで使われています。また、楽天カードを旅行や百貨店など楽天グループ以外で使った場合にもポイントが貯まり、そのポイントが楽天グループ内で使われるというサイクルが行なわれています。今回提携いたします楽天カードは、2005年7月よりサービスを開始しましたが、現時点では楽天グループの重要な中核事業となっています。そして、今回発表いたします楽天ANAマイレージクラブカードは、楽天スーパーポイントとANAマイルが同時に貯まる、画期的な商品です。まずはこの商品を発売して、枚数を獲得したいと考えています。そして、近い将来に楽天グループとANA両社でサービスを深めていきたいと考えておりますので、ご期待いただければと思います」。

ANAの状況を紹介する、全日本空輸株式会社 常務取締役執行役員 志岐隆史氏

 続いて、ANA 常務取締役執行役員の志岐隆史氏が、ANAの状況や楽天との関係などを紹介。

「楽天様は急成長のまっただ中でありますが、我々ANAは国内線をしっかりやりつつ、国際線を大きく成長させていこうというところで、国際線ネットワークを増やしています。2015年度では、6月に成田~ヒューストン線、9月に成田~クアラルンプール線、10月に成田~ブリュッセル線、12月に成田~シドニー線というように新路線を開設してまいりました。2016年度では、4月に成田~武漢線、9月に成田~プノンペン線、そして下半期にメキシコ線などの開設を計画しています。我々のANAマイレージクラブの会員数は、2900万人となっています。この2900万人の会員の方と一緒に、楽天様とのシナジー効果を出していきながら大きく伸ばしていきたいと思っております。

 我々と楽天様とのご縁は、楽天トラベルさんや楽天ANAトラベルオンラインに始まります。これは、現在大きく売り上げを伸ばしているダイナミックパッケージの草分け的存在です。我々の旅作と、楽天様のダイナミックパッケージは、現在では旅行商品の20%がこの2社が販売するほど、成長著しい分野となっています。今後は、ダイナミックパッケージも含めて楽天様とさまざまなサービスを共同で打ち出すことによって、さらに成長していきたいと考えています」。

ANAが拡大している国際線ネットワークを紹介
AMCの会員数は2900万人だが、楽天とともにシナジー効果を出してさらに伸ばしていきたいという
楽天ANAマイレージクラブカードの概要を説明する、楽天株式会社 執行役員 兼 楽天カード株式会社 取締役常務執行役員 中村晃一氏

 その後、楽天 執行役員 兼 楽天カード 取締役常務執行役員の中村晃一氏により、今回発表された楽天ANAマイレージクラブカードの詳細が説明された。

 楽天ANAマイレージクラブカードは、先に紹介したように、クレジットカード、ANAマイレージクラブ機能、楽天ポイントカード、電子マネーの楽天Edyと4種類の機能が1枚にまとめられている。クレジットカードのブランドは、MasterCard、VISA、JCBの3種類を用意。そして、国内最大級のポイントプログラムである楽天スーパーポイントと、ANAのマイルを1枚のカードに集約した、最強のカードであると紹介された。

 そのうえで、ANAは楽天カードが強みとしている若年層を、また楽天カードはANAが得意としているビジネス層を、というようにお互いの得意領域をカバーし合うことで、パワフルな顧客開拓ができる点を楽天ANAマイレージクラブカードの狙いとしているという。

クレジットカード決済額に応じ、コースによって楽天スーパーポイントかANAマイルのどちらかが貯まるが、貯まったポイントやマイルは相互に交換可能
楽天とANA双方が得意とする顧客層を双方がカバーし合い、パワフルな顧客開拓ができる点が、楽天ANAマイレージクラブカードの狙いという
記者会見には女優も真矢ミキさんも登場。普段から楽天カードや楽天Edyを使ったり、ANAのマイルを貯めているそうで、「楽天ANAマイレージクラブカードもすぐに申し込んで使いたいです」と語った
楽天の穂坂雅之氏、ANAの志岐隆史氏、女優の真矢ミキさん、そしてANAのCA(客室乗務員)による記念撮影

 続く質疑応答では、カードに関する質問がいくつか寄せられた。

 現在、楽天カードホルダーのユーザーが楽天ANAマイレージクラブカードを入手したい場合にはどうなるのかという質問については、既存楽天カードからの切り替えという形で提供になると回答。そのうえで、新規ユーザーを掘り起こすことで、数百万人規模で需要を促進したいという。また、このカードが今後の楽天カードのさらなる普及にどの程度貢献すると期待しているのかという質問に対しては、以前より楽天カードユーザーからの要望としてマイルを貯められるカードがほしいという声が強かったこともあるが、カードでマイルを貯めたかった新規顧客の上積みや、楽天側、ANA側双方の強みである客層を取り込むことで、大きな伸びを期待していると回答した。

(平澤寿康)