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NEXCO 3社共同のSA/PAメニューコンテスト全国大会を開催
全国158カ所のSA/PAの新作メニューからグランプリを決定
(2016/1/25 11:00)
- 2016年1月23日 開催
NEXCO東日本(東日本高速道路)、NEXCO中日本(中日本高速道路)、NEXCO西日本(西日本高速道路)のNEXCO 3社は、全国の高速道路のSA(サービスエリア)、PA(パーキングエリア)のレストランが参加する新作メニューコンテスト「SA・PAメニューコンテスト全国大会」を開催した。NEXCO 3社共同によるメニューコンテスト全国大会の開催は今回が初だが、これは2015年にNEXCO 3社が創立10周年を迎えたことを記念してのもの。加えて、参加レストランの料理長の技術向上や創作意欲を高めてメニューの味や品質を高めるとともに、地域食材を用いたメニュー開発をとおして、地産地消、地域活性化の促進の一助に寄与することも目的としている。
2015年10月より日本各地で開催された予選を通して、優秀な作品として12品のメニューを選出。そして、2016年1月23日に東京池袋の武蔵野調理専門学校において、予選を勝ち抜いた12品のメニューを一堂に集め、グランプリを選出する全国大会が開催された。
今回のSA・PAメニューコンテスト全国大会では、「地元食材を使用し、地域に伝わる郷土料理や調理方法を活用するなど地域の食文化や魅力をアピールするメニュー」をテーマとして、全国158カ所のSA、PAのレストランが製作した新メニューにより争われた。予選通過はそのなかのわずか12メニューで、いずれもクオリティの高いものとなっている。中華料理店「四川飯店」のオーナーシェフで、テレビでもおなじみの陳建一氏を審査委員長とする審査委員により、その12メニューからグランプリメニューが選出された。なお、審査委員は陳建一氏を含め以下の6名だ。
審査委員
審査委員長:陳建一氏(四川飯店 オーナーシェフ)
審査委員:小島正美氏(毎日新聞社 食生活ジャーナリストの会 代表)
審査委員:白井操氏(料理研究家)
審査委員:福島正八氏(武蔵野調理専門学校 理事 校長)
審査委員:村田吉弘氏(料亭「菊乃井」主人)
審査委員:森田拓朗氏(株式会社リクルートライフスタイル 関東・東北じゃらん編集長)
大会の冒頭、中日本エクシス代表取締役社長の勝美雄次氏が、次のように開会宣言を行なった。
「ただいまからSA・PAメニューコンテスト全国大会を開催します。この大会は、NEXCO民営化10周年を記念しまして、東日本、中日本、西日本の3社共催で実施する初めての全国大会です。我々は、各地域の高速道路にSA・PAを展開していますが、各地の地元の食材を使用して、地域の魅力ある特徴があふれるメニューを開発しようということで、全国158カ所のレストランで新メニューの開発に取り組みました。そして、昨年(2015年)11月から12月にかけて各地で予選会を開催し、そのなかから選出された12メニューを本日披露していただくことになっています。出場されるみなさんは緊張のひとときと思いますが、地域の代表ということを胸に秘めて、普段の腕を存分に発揮して、コンテストの頂点の座を競っていただければと思います」。
続いて、審査委員による実食審査が開始された。実食審査は、出場した12メニューをAブロックとBブロックにわけ、それぞれ6メニューごとに審査が行なわれた。公平を期すために、各メニューごとに9分の持ち時間を設定。そのうち、メニューを開発したレストラン料理長などによるプレゼンが7分、審査委員による質問が2分という短い枠の中での審査となった。なお、大会に出場した12メニューは以下のとおりだ。
Aブロック
西日本代表:九州三都大名椀御膳~長崎街道 味の大名行列~
メニュー名:九州三都大名椀御膳~長崎街道 味の大名行列~
価格:1706円
提供SA/PA:長崎自動車道 川登SA(上り)
製造元:ロイヤルホールディングス株式会社
Bブロック
東日本代表:茨城イタリアン フルコース ファンタジーな料理の世界
メニュー名:茨城イタリアン フルコース ファンタジーな料理の世界
価格:2980円
提供SA/PA:常磐自動車道 Pasar守谷(上り)
製造元:ジャパンフードマネジメント株式会社
中日本代表:越中とやま 食の玉手箱“旅のしおりに想いを込めて”
メニュー名:越中とやま 食の玉手箱“旅のしおりに想いを込めて”
価格:3200円
提供SA/PA:北陸自動車道 有磯海SA(下り)
製造元:株式会社ホテルニューオータニ高岡
審査員特別賞、準グランプリ、グランプリを決定
実食審査と最終選考を経て、各賞を発表。まず、審査員特別賞として、長崎道 川登SA(上り)の「九州三都 大名椀御膳 ~長崎街道 味の大名行列~」、関越道 上里SA(下り)の「上里真心膳」、長野道 梓川SA(上り)の「野麦峠 ~すんきとうじ蕎麦~」の3メニューが選ばれた。
続いて、準グランプリとして、常磐道 Pasar守谷(上り)の「茨城イタリアン フルコース ファンタジーな料理の世界」と、山陽道 下松SA(上り)の「~やまぐち 味百景~」の2メニューを選出。
そして、栄えあるグランプリには、北陸道 有磯海SA(下り)の「越中とやま 食の玉手箱“旅のしおりに想いを込めて”」が選ばれた。
今大会に参加した12品のメニューは、全国の予選を勝ち抜いてきたメニューということで、その時点でどれも甲乙付けがたい完成度だったため、審査も非常に難航したという。実際に、最終審査は当初の予定時間をオーバーするほどで、以下にまとめた審査委員のコメントからも、接戦だったことが十分に伝わってきた。
今回の大会に参加した12メニューに加え、惜しくも予選で敗退となった全国158カ所の新作メニューは、すでに各PA・SAのレストランで提供されている。グランプリや各賞に輝いたメニューはもちろん、どれも味、完成度とも非常に高く、審査委員からも、わざわざ出掛けて行って食べるだけの価値があるもばかり、との声も多く聞かれた。今後、旅行などで高速道路のSAやPAに立ち寄った際には、ぜひともこれら新メニューを味わってみてもらいたい。
各審査委員のコメント
小島正美氏(毎日新聞社 食生活ジャーナリストの会 代表)
今日初めて審査委員をさせていただきましたが、どれも美味しくて、改めて高速道路でこんな美味しい料理がたくさんあるんだ、という気持ちになりました。これから高速道路に出るのが楽しみになりました。私も、これから取材範囲が広がって、記事も発信していきたいなという気持ちになりました。
白井操氏(料理研究家)
皆さんに賞を取らせてあげたかったです。力の差はほとんどなかったです。若い人たちがこのメニューをとおして地産地消のことを感じたり、地域の味を確かめるようになるのは素敵だな、と思いました。同窓会や法事、家族・親戚が集まるときに、高速道路のSAやPAで待ち合わせて盛り上げていただければと思います。
福島正八氏(武蔵野調理専門学校 理事 校長)
ここまで来るには相当の年月をかけてきたと思います。私もフランクフルトの世界料理オリンピックに出場しまして、21カ国中4位に終わりまして、メダルもなにもなく帰ってきました。我々の職業は日々努力しなければいけないなと思いながら、毎週コックコートを着て授業を行ない、若い調理師を育成しております。皆さんも、このような大会をとおして精進する気持ちを大切にして、頑張っていただければと思います。これからも美味しい料理を作ってください。
村田吉弘氏(料亭「菊乃井」主人)
2013年、正式に和食が世界文化遺産に選ばれまして、食が注目を浴びています。そういったなか、日本は第一次産業を大切にして、地産地消で、日本人が日本の地域の食べ物を自ら消費していくという構造を作らないと、次の世代はえらいことになると考えています。それぞれの地域でそれぞれの郷土料理を組み込んだ料理を提供していただけるのは、非常にありがたいと考えています。これからも頑張ってください。
森田拓朗氏(株式会社リクルートライフスタイル 関東・東北じゃらん編集長)
全部めちゃくちゃ美味しかったです。本当に審査は難しく、それぞれご当地の食材や調理方法に特徴がありまして、全部食べられなかったのが非常に悔しいです。美味しいものは、わざわざそこまで行って食べるという大きな理由になります。私もそういうことが好きで、いろいろな所に行っていますが、今日最後まで食べきれなかったメニューをまた食べに行きたいと思います。
陳建一氏(四川飯店 オーナーシェフ)
皆さん、今日まで努力なさったことに敬意を表したいと思います。ご承知のとおり、現在高速道路では、美味しいものをみんなに食べていただくということを継続して行なっています。私も東日本で毎年審査をさせていただいていますが、コンテストも、年々レベルが上がってきます。レベルが上がるということは美味しくなるということです。レストランは味も大事ですが、全体的な雰囲気は料理人だけではなくて、携わっているいろんな方々全員で作り出すものと思っていますので、それぞれの地域性があっていいと思います。それを発展させることで、もっとPAやSAのレストランのクオリティが上がると思います。料理人とスタッフの方々が一致団結して、美味しい料理を提供してもらいたいと思います。そして、こういう大会を継続していただいて、それを励みに美味しい料理を作っていただきたいと思います。