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NEXCO中日本、“10”がキーワードの新作スイーツを集めて「第5回スイーツコンテスト」開催

「みちまるくん」オリジナルパンも静岡県内SA/PAで限定発売

2015年7月23日 実施

 NEXCO中日本(中日本高速道路)のグループ会社である中日本エクシスは、同社が運営するSA(サービスエリア)のレストランを対象とした「第5回スイーツコンテスト」を、名古屋市のニチエイ調理専門学校で開催した。

 今回で5回目の開催となる今年のスイーツコンテストは、「Sweet 10 Anniversary」と題し、10種の食材、10年熟成の調味料、10種の甘味など「10」をキーワードに、各SA地元の野菜や果物を使用した、そのエリアでしか味わうことのできない新作スイーツで競われた。

 コンテストの冒頭、中日本エクシス 代表取締役社長の勝美雄次氏により、今回のコンテストの趣旨が説明された。

 今回のテーマである「10」というキーワードは、NEXCO中日本が民営化されて10周年を記念してのことという。そして、本戦に先立ち、東京、静岡、名古屋、八王子、金沢と5つのブロックで35店舗のレストランが参加し、各地区の試食審査を勝ち抜いた上位10店舗の作品が本戦に参加した。

 勝美氏は「本日、第5回目のスイーツコンテストの開催となりました、旅の途中のお客様に、「SAにもこんなスーツがあるの?」というメニューをラインアップしてもらえることと思っております。今回で第5回ですが、年々この大会も進化しておりまして、我々も『この食材を利用して、どうしたらこんなのができるのかな』と思う作品もありますし、現場ではコンテストで賞を取ったメニューということでお客様に興味を持って頂いて、売上にも貢献して頂いていると感謝しております」と挨拶するとともに、参加した10店舗のレストラン料理長に激励の言葉をかけた。

 今回のスイーツコンテストは、勝美氏を加えた5名の審査員によって審査が行なわれた。勝美氏以外の審査員は、東京中目黒の野菜専門スイーツ店「パティスリー ポタジエ」のオーナーパティシエである柿沢安耶さん、CBCテレビアナウンサーの南部志穂さん、コンテストの会場となったニチエイ調理専門学校のイタリアンの教授である篠田真理氏、中日本エクシスのCS・広報推進室 主幹で、食生活ジャーナリストでもある加藤貞仁氏の4名だ。

 コンテストは、調理会場における調理行程の視察と料理長による食材や作品のテーマなどの説明と、それぞれの作品の試食とで審査が行なわれた。ここからは、参加した10店舗の作品と、それぞれの特徴、審査の様子などを紹介していこう。

コンテストの趣旨を説明する、中日本エクシス 代表取締役社長の勝美雄次氏
審査員として参加した、野菜専門スイーツ店「パティスリー ポタジエ」のオーナーパティシエ、柿沢安耶さん
CBCテレビアナウンサーの南部志穂さん
ニチエイ調理専門学校のイタリアンの教授、篠田真理氏
中日本エクシスのCS・広報推進室 主幹の加藤貞仁氏
コンテストを控え緊張の面持ちの、予選を勝ち抜いた10店舗の料理長
調理会場の様子

東名高速 牧ノ原SA(下り):TTC「甘(うま)し宝箱 ~和・洋二重唱(まりあーじゅ)~」

作品名「甘し宝箱 ~和・洋二重唱~」。販売価格580円

 10にちなんで、重箱を利用。また、牧ノ原近隣の農家をまわって厳選した10種類の食材と調味料を採用している。枝完熟させた甘みの強いトマト「マキノハニー」を、甘酒に漬け込んでコンポートし、葛饅頭に仕立てている。また、無加温栽培されたイチゴ「静波レッド」のムース、牧ノ原産の茶葉「望」を利用した自家製葛切りなども用意されている。この葛切りは、きな粉に柑橘系の甘い香りのする山椒「天狗山椒」を加えた「金な粉」をかけて食べる食べ方と、高糖度とうもろこし「甘々娘」を使用した和風スムージーを絡めて食べる食べ方も提案している。

 試食した柿沢さんは、「和の美しい形のスイーツは素晴らしく、見た目がすばらしい。味は素材の甘さが伝わってくる優しい味や、口の中に広がる山椒の爽やかな香りなど、大人のスイーツという印象」とコメントした。

牧ノ原SA(下り)、TTCの支配人である黒田和人さん
牧ノ原産の10種類の食材や調味料を採用しているという
黒田さんの説明に聞き入る審査員の方々
「マキノハニー」の甘酒コンポート葛饅頭仕立てと、「静波レッド」のムース。トマトの臭みが少なく非常に食べやすい
牧ノ原茶「望」を利用した自家製葛切り
葛切りは、きな粉に天狗山椒を加えた「金な粉」をかけて食べる
「甘々娘」を使用した和風スムージーを絡めて食べる食べ方も提案
試食審査の様子
柿沢さんは「大人のスイーツという印象」とコメント

北陸道 尼御前SA(上り):近鉄リテーリング 「輝きの金沢ショコラ 十色(といろ)の輝き」

作品名「輝きの金沢ショコラ 十色の輝き」。販売価格600円

 個性の強い味覚の食材10種類を合わせ、それらの調和を目指したというカフェショコラ。北陸新幹線が開通した金沢をイメージして製作。苦みの強いチョコレートやココナッツアイス、甘いマンゴーのスープを合わせて食べる。チョコレートにはシナモンやスターアニス(八角)を混ぜ、マンゴースープには胡椒の実(ピンクペッパー)も入れられており、それらの風味がが口の中で広がってさまざまな変化を楽しめる。これまでに食べたことのないものを提供したいと考えて開発したという。また、皿には金粉に見立てた加賀棒茶を飾り、加賀らしさも演出している。

 試食した南部さんは、「個性の強い食材を使っているが、一緒に食べると全体が調和して、完成された一品と感じる。マンゴーのスープも、ピンクペッパーやシナモン、スターアニスが入って初めて出会う味で、とても魅力的な一品」とコメント。

尼御前SA(上り)、近鉄リテーリング 料理長の福井敏裕さん
ピンクペッパー、スターアニス、シナモン、サツマイモチップスのホワイトチョココーティング、加賀棒茶など、個性の強い食材を合わせて製作されている
シナモンはスイーツでもよく使われるが、スターアニスやピンクペッパーが使われるのは珍しい
マンゴースープにはピンクペッパーが浮かべられている。それぞれの食材を個別に食べてもいいし、好きに組み合わせて食べてもいいという
個性の強い食材の説明に興味津々の審査員の方々
試食審査の様子
南部さんは「完成された、とても魅力的な一品」とコメント

東海北陸道 関SA(上り):KRフードサービス「岐阜の美味(うま)しき(四季)めぐり重 ~和甘味おせち仕立て~」

作品名「岐阜の美味しき(四季)めぐり重 ~和甘味おせち仕立て~」。販売価格598円

 岐阜県産にこだわった果物や野菜など10種類の食材で、四季の移り変わりを表現。和食のおせちを表現したく、お重を利用したという。地元の蜂蜜「百花蜂蜜」、牛乳、米粉、卵、黒豆を使った「関のどら焼き」、岐阜県産の米、餅米、黒米を岐阜の銘菓栗きんとんでつつんだおはぎ、ブルーベリーのムースをトッピングしたモンブラン風のアイスクリーム、関牛乳の寒天、岐阜の角一醤油を使用した、すっきりとした味わいのみたらし団子で構成。

 中でも、どら焼きに入れられた黒豆は、時間をかけて開発した、最もこだわりのある食材とのこと。器のお“重(じゅう)”、どら焼きは語呂合わせで「“とお”ら焼き」、栗きん“とお”ん、寒“テン”、みたらし団子は、団子が遣唐使の「八種唐菓子」として伝えられたことから「八種“とう”菓子」と、すべてに10が掛けられているというこだわりもある。

 試食した篠田氏は、「お重で出てくるスイーツは、予想と違う楽しいサプライズと感じた。また、おせちというコンセプトにも心を惹かれた。味わいや食感がバラエティに富んでいて、岐阜の味巡りをしてみたいなと感じさせる素晴らしいスイーツ」とコメント。

関SA(上り)、KRフードサービス料理長の江口耕史さん
岐阜県産の10種類の食材を使って製作
地元の蜂蜜「百花蜂蜜」、牛乳、米粉、卵、黒豆を使った「関のどら焼き」。中の黒豆は特にこだわったという
モンブラン風ブルーベリーのアイスクリーム
左から、岐阜の銘菓栗きんとんを使ったおはぎ、関牛乳の寒天、岐阜の角一醤油を使用したみたらし団子
お重に入れられて提供され、お箸で食べるスイーツ
器やメニューすべてに10が掛けられていることに驚く審査員の方々
試食審査の様子
篠田氏は「予想と違う楽しいサプライズで、おせちというコンセプトにも心惹かれた」とコメント

長野道 梓川SA(下り):アルプスシャツ「十年味噌とおこめのプリン・アラモード」

作品名「十年味噌とおこめのプリン・アラモード」。販売価格580円

 長野県は味噌の生産量が日本一ということで、味噌を使って作ることを考え、慶応4年創業の味噌蔵「石井味噌」とコラボレーションし、10にちなんで石井味噌の「拾年熟成信州味噌」を使って製作。シリアル風の信州産米ポン菓子、信州味噌バウムクーヘン、フルーツ、拾年熟成信州味噌を使ったソースなどが、信州産こしひかりを利用したプリンの脇に添えられている。

 試食をした加藤氏は、「熟成味噌は独特な香りがあるので心配していたが、お米のプリンと一緒に食べたらいいアクセントになっている。バウムクーヘンはもう少し味噌の香りがしてもよかった。日本人の食の原点である米と味噌をうまくアレンジしていると感じた」とコメント。

梓川SA(下り)、アルプスシャツ料理長の臼井啓市さん
信州の老舗味噌蔵「石井味噌」の「拾年熟成信州味噌」を使用
プリンには、信州産こしひかりを使用
お米のプリンを中央に、ポン菓子やバウムクーヘン、季節のフルーツ、拾年熟成信州味噌のソースが添えられている
味噌を使ったスイーツと聞いて驚く審査員の方々
試食審査の様子
加藤氏は、「米と味噌をうまくアレンジしていると感じた」とコメント

中央道 恵那峡SA(上り):恵那高原開発「Tomorrowザ・シンフォニー」

作品名「Tomorrowザ・シンフォニー」。販売価格600円

 10ということを考えて、水ようかん、黒糖のゼリーと地元の「中島豆腐店」の豆腐を使ったムースを合わせたスイーツ。メインの豆腐のムースは5層となっており、それを半分に割ることで10にちなんでいるという。10周年のお祝いということで鼓笛隊をイメージしており、メインの豆腐のムースには指揮棒をイメージした春巻き棒が刺され、横にフルーツの鼓笛隊列を従えている。また、鼓笛隊列のフルーツの下には、道をイメージした白ワインのゼリーが敷かれている。メイン食材の豆腐を引き立たせるために、全体的に味はシンプルにして、フルーツにもあえて手を加えていないという。

 試食した柿沢さんは、「とにかく見た目が美しい。音まで聞こえてきそうな鼓笛隊というコンセプトもでこれまでになかったもの。豆腐の味わいがしっかり伝わる組み立ては素晴らしい。中の黒糖ゼリーがやや堅かったので、もう少し柔らかくするとシンフォニーが増すのでは」とコメント。

恵那峡SA(上り)、恵那高原開発料理長の可知貴志さん
メインのスイーツは、黒糖のゼリーや水ようかんを豆腐のムースで挟んだ5層構造。鼓笛隊をイメージし、春巻き棒の指揮棒(タクト)が刺さっている
フルーツは鼓笛隊列をイメージ。豆腐の味を引き立たせるため、あえて手を加えていないという
鼓笛隊というコンセプトに感心する審査員の方々
試食審査の様子
柿沢さんは「豆腐の味わいがしっかり伝わる組み立ては素晴らしい」とコメント

北陸道 有磯海SA(下り):ホテルニューオータニ高岡「『Sweet 10 Story』~毎日が記念日~」

作品名「『Sweet 10 Story』~毎日が記念日~」。販売価格600円

 有磯海SAに訪れた日を記念日にしてもらいたいと考え、華やかさを重視して製作。10個のアイテムで構成。中央には、クリームチーズに地元黒部牧場で作られた塩味の強いモッツァレラチーズを使ったガトーフロマージュ、能登の天然塩を使ったミルクジェラートがあり、その周りにスイートボテト風の大学芋、昆布の消費量が日本一の能登にちなみ昆布を使ったクッキー、季節のフルーツとして入善のジャンボ西瓜、地元の味噌と豆腐で作ったクリームを挟んだプチシュークリーム、金沢をイメージして金箔をあしらったチョコレート羊羹、グレープフルーツの入ったロゼワインのゼリー、地元の卵を使ったフレンチトーストがあしらわれている。

 試食した南部さんは、「ぱっと見た時に華やかで美しい。あれもこれも食べたいという女性の気持ちを満たしてくれる。周りの甘さに対して塩味のミルクジェラートがアクセントになっている。単体でも楽しめ、ソースを加えても楽しめる」とコメント。

有磯海SA(下り)、ホテルニューオータニ高岡料理長の畑謙太郎さん
牛乳、チーズ、ワインなど、地元の食材をふんだんに使用
季節のフルーツとして、入善のジャンボ西瓜も用意
中央には、黒部牧場のモッツァレラチーズを使ったガトーフロマージュと、能登の天然塩を使った塩味のミルクジェラートが置かれる
メインと合わせ10種類のアイテムで構成される
10種類ものアイテムに驚く審査員の方々
試食審査の様子
南部さんは「あれもこれも食べたいという女性の気持ちを満たしてくれる」とコメント

東名高速 富士川SA(下り):日の丸サンズ「10種野菜のラタトゥイユのフレンチトースト」

作品名「10種野菜のラタトゥイユのフレンチトースト」。販売価格530円

 富士川SAで毎日焼いている、石臼挽き粉、ライ麦粉などを使ったドイツの小麦パン「バイツェンブロート」を使ったフレンチトースト。フレンチトーストには朝霧高原の卵と丹那牛乳と地元の食材を利用。また、富士山麓で栽培されているレンコンや薩摩芋、ズッキーニなど10種類の野菜を、トマトソースをベースとしたソースでラタトゥイユ風のソースを乗せ、アイスクリームがあしらわれている。甘みには三温糖を使っている。スイーツとしても食事としても楽しめる一品。紅茶とよく合うという。

 試食した篠田氏は、「調理審査で“これスイーツなの?”という質問があがったが、食べてみたらラタトゥイユが爽やかな甘さで、フレンチトーストとよく合う。アイスクリームともよく合って、これは完成されたアイデアのスイーツと感じた。」とコメント。

富士川SA(下り)、日の丸サンズ料理長の高木出海さん
富士川SAで焼いているパン、地元の牛乳と卵、朝霧高原で栽培された10種類の野菜を使ったフレンチトースト
フレンチトーストの「パンバイツェンブロート」は、富士川SAで毎日焼いているという
野菜のラタトゥイユの乗ったフレンチトーストに、審査員も驚きの声をあげる
フレンチトーストの横にはアイスクリームもあしらわれている
試食審査の様子
篠田氏は「これは完成されたアイデアのスイーツ」とコメント

東名高速 足柄SA(上り):エムエフエス「“TEN”の贈り物」

作品名「“TEN”の贈り物」。販売価格500円

 5種類の野菜と5種類の果物を使った10種類の食材と、空の“天”と、2種類の10を掛け合わせた作品。中央に球体の飴細工が置かれ、スプーンで割ると中に入れられたスープが雨のように降り注ぐ。富士山麓のメロンやカスタードプリンなどをスープで食べる。また、富士山麓の牛乳とくず粉を使った餅のような食感の餡に、地元の野菜が入れられた新食感のアイテムも添えられている。10周年のお祝いということもあるので、ズッキーニを使ったリボンも添えられている。

 試食した加藤氏は、「調理審査で見た時から楽しみにしていた。中のスープは、甘ったるくなく、一緒に食べるとどれも美味しい。リボンのズッキーニはスプーンでは食べにくい。非常に楽しいスイーツだと思う」とコメント。

足柄SA(上り)、エムエフエス料理長の鳥谷部文豪さん
地元で採れた5種類の果物を使用
野菜も地元で栽培された5種類を使用している
中央にスープを入れた球体の飴細工があり、その下にフルーツ、周囲に野菜を使ったアイテムが添えられている
食べるときに飴細工を割ると、中からスープがあふれ出す
その形や食べ方の面白さに審査員も興味津々
試食審査の様子
加藤氏は、「非常に楽しいスイーツだと思う」とコメント

中央道 双葉SA(上り):ゴールデン・サービス「花ごよみ」

作品名:「花ごよみ」。販売価格600円

 10周年記念ということで、イチゴやキウイを重ねたミルフィーユや、シャンパングラスを花に見立てたクレーム・ダンジュなどで10をイメージしたという。食材としては、地元の黒富士農場の放牧卵を使用し、クレーム・ダンジュやクレーム・ブリュレを製作。また、桃やぶどうなど、地元山梨県産のフルーツも使用。クレーム・ダンジュはガーゼで包み、シャンパングラスに入れるとともに、先端を青で染めることで花をイメージしている。また、ミルフィーユにはパイ生地ではなくシリアルを使っている点も斬新。真っ黒の皿に、明るい色合いのスイーツが盛られており、見た目のインパクトもある。

 試食した柿沢さんは、「ミルフィーユは普通パイ生地だが、シリアルを使っているのはすごいし食べやすい。クレーム・ダンジュやクレーム・ブリュレは素材の良さが伝わってくるし、ガーゼの演出も驚いた。お子様にも食べやすく、家族で食べている様子が目に浮かんだ」とコメント。

双葉SA(上り)、ゴールデン・サービス料理長の佐藤信之さん
クレーム・ダンジュやクレーム・ブリュレには、黒富士農場の放牧卵を使用
フルーツもすべて山梨県産を利用している
左のミルフィーユはパイ生地ではなくシリアルを使用。右はクレーム・ブリュレ
クレーム・ダンジュは、ガーゼで包んでシャンパングラスに入れ、花をイメージしている
素材について質問する審査員の方々
試食審査の様子
柿沢さんは、「お子様にも食べやすく、家族で食べている様子が目に浮かんだ」とコメント

名神高速 養老SA(上り):日本観光開発「輪10(わじゅう)の恵み」

作品名「輪10の恵み」。販売価格600円

 木曽三川の下流地域「輪中」と10周年を語呂合わせした作品。その地域では、水害から家を守るために、家を段にしている「水家」をモチーフに、プレートを2段に重ねてスイーツを盛り付けている。竹の器には岐阜県産トマトのジェラートを入れたトマトのコンポート、横には地元の野菜をちりばめた水羊羹が添えられ、水家をイメージ。下の段のプレートには、木曽三川に浮かぶ船と白波をモチーフにした、伊吹ミルクファームの牛乳を使ったほうれん草入りシフォンケーキが置かれる。また、季節をイメージした花も添えられている。シフォンケーキは、きな粉をかけて食べてもおいしいとのこと。

 試食した南部さんは、「地域の名前を料理名に入れて地域愛を感じた。地元の食材が持つ力を最大限に発揮している。シフォンケーキも2種類の味わいで楽しめる。完成された味わいだった」とコメント。

養老SA(上り)、日本観光開発料理長の雲啓悦さん
輪中地域の「水家」をイメージし、プレート2段重ねで提供される
トマト、かぼちゃ、にんじん、牛乳、はちみつなど、すべて木曽三川地域の食材を利用
竹の器はトマトのジェラートを入れたトマトのコンポート、その右は野菜を入れた水羊羹。季節の花(きゅうりの花)も添えられている
木曽三川に浮かぶ船と白波がモチーフの、ほうれん草入りシフォンケーキ
シフォンケーキはきな粉をかけてもおいしいとのこと
2段重ねプレートに驚く審査員の方々
試食審査の様子
南部さんは、「地元の食材が持つ力を最大限に発揮している」とコメント

いよいよ最終審査

 最終審査の結果、審査員特別賞として、東名高速 富士川SA(下り)の「10種野菜のラタトゥイユのフレンチトースト」、中央道 双葉SA(上り)の「花ごよみ」、北陸道 有磯海SA(下り)の「『Sweet 10 Story』~毎日が記念日~」の3作品を選出。

 そして最優秀賞には北陸道 尼御前SA(上り)の「輝きの金沢ショコラ 十色(といろ)の輝き」がそれぞれ選ばれた。

 最優秀賞に選ばれた作品を創作した、近鉄リテーリング 料理長の福井敏裕さんは、「年々レベルが上がっていて、何を作ったら最優秀賞を取れるかと毎日考えていましたが、今回ついに取ることができました。今日は、自分にとってもアニバーサリーになったと思います」と、受賞の喜びを語った。

審査員特別賞の表彰を受ける、「10種野菜のラタトゥイユのフレンチトースト」を創作した高木出海さん
同じく審査員特別賞の表彰を受ける、「花ごよみ」を創作した佐藤信之さん
同じく審査員特別賞の表彰を受ける、「『Sweet 10 Story』~毎日が記念日~」を創作した畑謙太郎さん
最優秀賞の表彰を受ける、「輝きの金沢ショコラ 十色(といろ)の輝き」を創作した福井敏裕さん
福井敏裕さんは、「今日は、自分にとってもアニバーサリーになったと思います」と、受賞の喜びを語った

審査員の総評

柿沢さん「メニューを考え、材料を調達し、今日まで大変なご苦労が合ったと思います。地産地消が当たり前になってきていますが、畑に行って農家さんの声を聞き、それを形にしたということで、とても感動しました。今回はみなさん甲乙つけがたくて、どれも美味しかったです。SAに入れないぐらい車が並んでしまうほどのスイーツができていると思います。多くの方に広めて頂いて、召し上がって頂きたいと思います」
南部さん「調理風景の見学から、みなさんの並々ならぬ情熱を感じまして、地元の食材に対する愛情や、その食材をどうスイーツにするといちばんおいしくなるか、そういった想いが食べていても感じられる、思い出深い忘れられない味わいでした。大勢の食べた方々が、幸せな驚きがあったり、色々なハッピーを与えられるスイーツになっていると思いました」
篠田氏「今年は非常に難しいテーマだったと思いますが、それをみなさんが深く読み込んで、ストーリー性を持たせ、広い世界観でお皿を作り上げている方が多いと感じました。また、皆様の熱意がお皿の中に広がって、こちらに訴えかけてくるような印象を受けて、私も刺激になりました。SAに来た方々に、今日のレベルで提供して頂けたら最高だと思います」
加藤氏「数字の10というテーマを出してしまって申し訳ないと思いますが、それをこなして素晴らしい作品を出して頂けたと思います。本当に僅差で、過去に例のない大激戦でした。高い評価を得た作品は、なんらかの驚きがありまして、それが高く評価されたと思います。毎年新しい顔ぶれの方々が出てきて頂けるのは、本当に嬉しいです。次のコンテストでも、頂点を目指してほしいと思います」
勝美氏「差は全然ありません。みなさん最優秀ということで、胸を張って帰っていただければと思います。今、夏休みに入ったばかりです。これから家族連れのドライブや年配の方のご旅行などが増えると思いますが、そういった方々が、こういった食材がスイーツになるんだと、きっとご満足いただけると思います。また明日から現場での最高のパフォーマンスを期待しています。」

 ところで、今回のコンテストに合わせ、NEXCO中日本のオリジナルキャラクター「みちまるくん」をイメージしたオリジナルパンも紹介された。このみちまるくんオリジナルパンは、テレビ静岡で毎週火曜日に放送されている女性向け情報番組「Girls Party」の出演者が、開発から製造、販売までサポートしたという商品で、静岡県のベーカリー店が開発。駿河湾沼津SAや清水PA、静岡SA、浜松SA、富士川SAの店舗で7月18日から8月31日までの期間限定で販売されるという。

テレビ静岡の女性向け情報番組「Girls Party」出演者が、みちまるくんオリジナルパンを紹介
6種類のみちまるくんパンが、静岡県内のSA、PAで8月31日までの期間限定で販売
NEXCO中日本のオリジナルキャラクター「みちまるくん」もコンテストに駆けつけた
(平澤寿康)