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NEXCO西日本、2016年度完成を目指す新名神 高槻JCT~神戸JCT間建設現場を公開
宝塚トンネル渋滞の解消に期待
(2015/11/11 07:30)
- 2015年11月9日実施
NEXCO西日本(西日本高速道路)関西支社は11月9日、2016年度の完成を目指して建設を進める新名神高速道路の神戸JCT(ジャンクション)~高槻JCTの建設現場を公開した。
新名神は、愛知県名古屋市から兵庫県神戸市に至る全長約174kmの高速自動車国道。将来的に、2023年度開通を計画している高槻JCT~八幡、城陽~大津が開通すると、新名神の神戸JCT~新東名高速の海老名南JCTが1本の高速道路で繋がることになる。
現在、新名神高速道路のうち神戸JCT~高槻JCTと八幡JCT・IC(インターチェンジ)~城陽JCT・ICの区間については、周辺の名神高速道路、京滋パイパス、中国自動車道における渋滞の解消への期待などから、2016年度の完成を目指して工事を展開している。
今回の建設現場見学会は、報道関係者を対象に定期的に開催しているもので、神戸JCT~高槻JCTの建設現場のうち兵庫県域の「神戸JCT」「武庫川橋」「宝塚SA(サービスエリア)」「川西IC」の建設現場が公開された。
武庫川橋の建設現場
続いて訪れたのは、2級河川の武庫川を横過する武庫川橋工事の現場。武庫川橋は、エクストラドーズ構造とバタフライウェブ構造を組み合わせた世界初の構造形式を採用、橋脚の高さは約80mで神戸JCT~高槻間JCTの新名神で2番目の高さとなる。
橋脚部にはあらかじめ工場で鉄筋等を組み込んだプレキャスト材を使用することで工程を短縮するなどの工夫が図られ、現在の工事進捗率は85%。今後、2016年1月末には橋の閉合が完了予定で、上部構造の工事を進めて走行可能な状態となるのが2016年の5月の予定となっている。
宝塚SAの建設現場
宝塚SA(サービスエリア)は、上下線共有のサービスエリアとなり宝塚北スマート IC(仮称)も接続する。もともと沢であった部分を埋め立てた宝塚SAでは、約400万立方メートルの盛土おこなう工事を実施、現在の工事進捗は約65%。
工事に使用する盛り土は、切畑トンネルから約2kmのベルトコンベヤーを敷いてダンプを併用しながら現場に搬入している。ダンプを使った盛り土の移動については、一般道における通行制限等があるため、必要に応じて移動するというカタチでなく、あらかじめ盛り土を仮置きしながら工事に使用している。
川西IC(仮称)の建設現場
見学会の最後は川西IC(仮称)の建設現場。川西ICは、川西市域で建設中のICで、約220万立法メートルの切土を行なう工事を実施。進捗率は70%で160万立法メートルを切りだした。工事で発生した土は猪名川町・宝塚市域に運搬しなければならないが、山を切り出す能力より、切り出した土を運び出す能力が劣っているため、25tダンプ15台を投入するなど効率化を図っている。
工事を担当する西日本高速道路 関西支社 新名神兵庫事務所 所長の伊藤哲男氏は「スケジュールの厳しい中でも、2016年度の開通を目指して工事を進めております。工事の進捗について兵庫県県域の話で言いますと、ダンプ等で運搬している盛り土を所定の場所に確実に持込めるのかが今後の課題となります。また、橋梁の工事においてもクリティカルとなるポイントが何箇所が残っておりますので、橋梁の施工も確実に工程管理ができるかが、目標達成の重要な案件となっています」と話した。