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一人旅も寂しくない! 「Slingbox M1」とともに香港を旅する(後編)
100万ドルの夜景から地元ショッピングモールまで香港観光を満喫
(2015/5/23 00:00)
100万ドルの夜景を楽しむなら、やはり定番のヴィクトリアピーク
前編(http://travel.watch.impress.co.jp/docs/news/20150519_702324.html)で紹介した通り、筆者は4月に、遠隔地からPCやスマホ、タブレットを使って日本のTVを見られる「Slingbox(スリングボックス)」シリーズ(http://slingbox.jp/rd.php?aid=15003)の最新版「Slingbox M1」を準備して、香港へ旅行した。リアルタイムで見たい番組や、余った時間があるときにSlingboxでTVを見ながら、一人旅を楽しんでいる。
前編で述べた「Xperia Z3 Tablet Compact」を購入したあと、半島側の電気店、スイーツショップなどを回り、夕方からは“100万ドルの夜景”の異名で知られている夜景を楽しむべく、ヴィクトリアピークへ行ってみた。ヴィクトリアピークは、香港島の山の異名で、香港の夜景を見る場合のベストスポットとして知られている。今回は夕焼け~夜景へと変化する18時~19時30分ぐらいをヴィクトリアピークで過ごすことにした。
ヴィクトリアピークに行くには、MTR金鐘駅から徒歩10分ぐらいの花園道にある駅からケーブルカー(PEAK TRAM)に乗っていくのが一般的な行き方になる。料金は、往復チケット、ヴィクトリアピークの展望台となっているピークタワーの入場券、音声案内レシーバーの3つがセットになって83香港ドルとなっている。片道切符のみも販売されているが、71香港ドルとなっており購入する意味があまりないので、往復を選んだ方がよいだろう。注意したいのは、このケーブルカー、結構並んでおり、乗るまでに30分~1時間ぐらいは覚悟しておく必要がある。従って、18時からの夕焼けを楽しみたいと思うなら、できれば17時、遅くとも17時30分までには花園道の駅に到着しておくべきだ。
さて、ケーブルカーは2両編成で、登り時には進行方向右側に3人、左側に2人座れるようになっている。席を選べる位置にいるのであれば、必ず進行方向に向かって右側になる3人席の窓側を押さえるべきだ。
というのも、登っていく途中で分かると思うが、左側は山しかなく景色を楽しむという雰囲気ではないが、右側には香港島や九龍半島などがあって景観がよい。座るなら断然、右側の窓側がお勧めだ。実際に乗ってみると、結構な急勾配をぐいぐい登っていく。これが1888年(日本で言えば明治時代)に敷設された路線であることを忘れてしまいそうだ。
山頂側の駅に到着すると、観光地にお約束のお土産屋を通り、そのままピークタワーへと入ることになる。ピークタワーは、ヴィクトリアピークの最も夜景の美しい場所に建てられているビルで、屋上が展望台になっている。エスカレータを延々と登って屋上に出てみると、360度とまでは行かないが、それに近い状態で香港の風景を楽しむことができる。100万ドルの夜景で有名な香港のビル群はもちろんこと、香港島の太平洋側の風景も見ることができる。筆者が到着した18時前後はちょうど夕焼けの時間で、海側の夕焼けの風景が非常に綺麗だった。夕焼けの時間に到着したのであれば、海側の風景も楽しむことをお勧めしたい。
さて、香港側の風景を撮ろうとしたのだが、最初の段階で撮れたのは、人、人、人(笑)。あたり前だが、みんな撮影したり、見てみたいのは100万ドルの夜景側。従って、そちら側には人の輪が2重3重になっており、先頭にたどり着くのは難しかった。少し待って、空いたところを見計らって撮影に挑戦したのだが、正直いって高所恐怖症の筆者にはかなりつらい時間だった(笑)。
とはいえ、今回は仕事で来ているのだからと、心に蓋をして先頭に行き撮影。すでに述べた通り、筆者が行った時間は18時~19時だったのだが、これはまさにベストな選択だった。夕焼けから徐々に姿を現す100万ドルの夜景をカメラに納めることができたからだ。
100万ドルの夜景を堪能した後、今度はケーブルカーの下りに乗って降りることになった。基本的に登ってきた人は降りていくので、行きと同じように帰りも行列だった。行きは何もかも目新しいためあちこち見ていたのだが、下りで見える風景は行きと同じなので、さほど注目する気がしない。そこで、待ち時間には「Slingbox(スリングボックス)」を利用して日本のTVを見て時間を潰した。
その後、夜は、以前仕事で知り合って友達になった香港人の友人と、その家族と夕食を食べることにした。行ったのは新租界と呼ばれる地域にあるレストランとデザート屋さん。友人の奥さんによれば、今回行った「発記甜品」というデザート屋さんは、現在香港の若者達に話題のデザート屋さんらしく、確かにお店にはカップルや女子グループなどであふれかえっていた。
今回筆者が頼んだは、マンゴーかき氷で、マンゴーの味が付いているかき氷に、マンゴーの果肉が添えられて55香港ドルだった。ただ、場所が新租界という香港の住宅地にあり、MTRではたどり着けず、途中からはタクシーまたはバスで行く必要があるのでハードルは高い。バスを使いこなせる人であれば香港人のローカル感覚が味わえて楽しい場所だ。
意外とお勧めの鯉魚門、香港の築地場外市場という雰囲気で魚介類を楽しめる
最終日の午後は夕方の飛行機に乗って日本に帰らなければならないため、観光に割けるのは午前中のみ。そこで、香港の一般的な観光地ではないが、鯉魚門(Lei Yue Mun、レイユームン)に行ってみることにした。
鯉魚門は、規模では全然比較にならないが、言ってみれば“香港の築地市場”のようなフィッシュマーケットだ。陸揚げされたばかりの海鮮が生け簀に入れられており、レストランを併設しているところでは指定した魚介類をその場で調理してくれる。実は中華圏ではこうした形のフィッシュマーケットが多くあり、台湾にも同じようなところがあって以前行って楽しかったので、香港でも行ってみたいと思っていたのだ。
鯉魚門に行くには、MTRの油塘(Yau Tong)駅からバスまたは徒歩で向かう。バスで行く場合には「24」番のバスに乗っていくのだが、「24A」という同じ番号だが微妙に行き先が違うバスがあるので注意したい。24Aはバスターミナルの中に、24はバスターミナルの外にバス停があるので非常に分かりにくい。歩いても坂を下っていって15分程度なので、行きは歩きでもさほどつらくないだろう(帰りは登り坂なのでバスを使うのが無難だが)。
鯉魚門に到着すると港の岸壁沿いに作られている公園を通り、魚問屋街に行ってみた。どこのお店でも、新鮮な魚介類が生け簀で飼われている。今回は昼前に到着したので、ウインドウショッピング(?)だけにしたが、それでも十分楽しむことができた。
魚問屋街の狭い路地を抜けていくと、海沿いに香港の町並みを遠望できる展望スペースが用意されており、遠くに見える香港の町並みを楽しめる。駅からずっと歩いてきて疲れたのでちょうど木陰になっているベンチに座って休憩。このちょっとした空き時間でもSlingboxを利用して日本のTVを楽しんだ。
座りながら見ていると、ちょうど釣り人がやってきて釣りを始めた。その帽子などがとても香港ぽい感じだったので、記念に1枚パチリ……なかなかいい絵が撮れたと、大満足な鯉魚門観光だった。
ローカルな市場に行ってみると日本との違いが分かって楽しい
鯉魚門から油塘駅までは前出の24番のバスを使い坂を登って戻った。その時に油塘駅に併設されている住民向けのショッピングモールを探検。個人的に観光の醍醐味は、いわゆる観光地だけでなく、ローカルなショッピングモールなどへ行って、現地の人の暮らしを体感することだと考えているので、八百屋、魚屋……諸々を堪能した。
その締めくくりとして、ショッピングモールの中にある、どこにでもあるような麺屋さんでワンタン麺(雲呑麺、広東語では“ワンタンミェン”とでも言うとなんとなく通じる)を注文してみた。35香港ドルで、本場のワンタン麺が堪能できるのだから、かなりお得感がある。麺は香港で一般的に使われている縮れ麺に、塩味のスープ、その上に球に近いようなワンタンが乗っているというワンタン麺で、これが絶品なのだ。香港でワンタン麺で外した経験は一度もない。初めてのところで失敗したくない人は、地元の人が沢山入っているかどうかを基準にすることをお勧めしたい。混んでるところでまずかったことは筆者の経験では一度もないからだ。
ワンタン麺で香港のグルメを締めた後は、ホテルに預けていた荷物をピックアップ。それを持って空港へ向かった。行きとは逆に香港駅からAirport Expressに乗り、空港まで向かう。
ちなみに、Airport Expressの改札は面白い構造になっており、空港には改札が一切ない。改札があるのは、市内の駅側で、基本的に空港に行く人しか使わないので、こういう構造でよいのだろう。空港駅で降りるときには、2つあるターミナルのどちら側になるのかを乗る前に把握しておこう。空港到着時に進行方向右側が第2ターミナル、左側が第1ターミナルになる。今回筆者は香港ドラゴン航空を利用するので、第1ターミナル側に降りた。降りると有人カウンターがあり、そこでオクトパスカードの返却と精算ができる。
帰りのフライトはキャセイパシフィック航空のCX5396だが、これは子会社であるドラゴン航空との共同運航便で、実際にはKA396という香港ドラゴン航空の運航便で、香港17時55分発~羽田着23時15分着というスケジュールになる。機材はエアバス320型機で、3-3のシートコンフィグとやや小型の飛行機だが、特に狭いと感じることもなく、快適なフライトだった。といっても、帰りは疲れたのか、香港で乗ってからほとんど記憶がなく、気がついたら羽田に到着していた感じ。まさに、あっという間だった。
なお、そのフライトに乗る前の待ち時間も、やはりSlingboxを利用して日本のTVを見ていた。何かの行列に並ぶときに、複数人で行く旅行なら同行者と話して時間を潰せるが、一人旅だとそうはいかない。しかし、Slingboxを使えたおかげで、今回はそうした時間を有意義に活用することができたと思っている。もちろん周りに注意を払うなどは十分にするべきだと思うが、このような時間の潰し方もわるくないなぁと感じた旅行になった。長期の海外旅行や海外赴任などで長期間日本にいない時間が多いようなビジネスパーソンやトラベラーであれば、Slingbox M1は投資に値する製品ではないだろうか。
なお、前編でも紹介したが、フロンティアファクトリーでは、Slingbox M1の発売を記念して「クイズに答えて、自宅のテレビを海外で見ちゃおう!」という、1泊2日の海外旅行または国内旅行が当たるキャンペーンを実施している(http://www.slingbox.jp/cp/open/m1_overseastrip.html)。韓国ソウル、韓国釜山、台湾台北、札幌(北海道)、福岡(九州)、那覇(沖縄)いずれかへの旅行と「Slingbox M1(HDMI SET)」が各1名(計3名)にプレゼントされるキャンペーンだ。誰でも応募が可能なので、筆者のように、日本のTVを楽しみながらノンビリと一人旅をしてみたい人は応募してみてはいかがだろうか。