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NEXCO中日本、名神高速全線開通50周年を記念したイベントをSA/PA 3カ所で実施
ポッカコーヒーの歴代缶の一挙展示など見所盛りだくさん
(2015/7/6 00:00)
- 2015年7月4日~5日 実施
NEXCO中日本(中日本高速道路)は7月4日~5日に、管内の3カ所のSA(サービスエリア)/PA(パーキングエリア)で、名神高速道路が全線開通して50周年が経過したことを記念するイベントを実施した。
名神高速道路は、日本初の高速道路として、1963年に尼崎IC(インターチェンジ)~栗東IC間が開通、翌年に、西宮IC~尼崎IC、栗東IC~関ヶ原IC、関ヶ原IC~一宮ICが順次開通。1965年7月1日に、最後の区間となる一宮IC~小牧IC間が開通し、全線が開通した。1969年には東名高速道路の東京IC~小牧ICが開通し、名神高速と接続。モータリゼーションが発展するなか、東京~大阪を結ぶ大動脈として、日本の産業振興、経済成長に大きな役割を果たしてきた。
2005年の日本道路公社民営化によりNEXCO 3社に分割されたあとは、小牧IC~八日市ICをNEXCO中日本、八日市IC~西宮ICをNEXCO西日本が管理している。つまり、最後の開通区間である一宮IC~小牧ICはNEXCO中日本管内であり、今回のイベントもNEXCO中日本が実施し、同社管内のSA/PAで実施されているというわけだ。
イベントが実施されたのは、尾張一宮PA(上り)、養老SA(下り)、EXPASA多賀(下り)の3カ所。それぞれ、愛知県、岐阜県、滋賀県のSA/PAで実施し、それぞれの自治体とも連携したイベントとなった。
燃料電池車「MIRAI」が展示された尾張一宮PA
尾張一宮PA(上り)は、愛知県内の名神高速にSAがないこともあって、今回唯一のPAでの開催となっている。SAほど広くはないが、名神高速のPAは全体的に飲食店や売店が充実している傾向にあることが知られ、ここ尾張一宮PA(上り)も6月25日に「吉野家」と「はなまるうどん」がオープンするなど、飲食店や売店だけ見れば小規模なSA並みの施設になっている。
ここで人気を集めたのが、トヨタが販売する燃料電池車(FCV)「MIRAI(ミライ)」だ。まだ実車を見る機会が少ないということもあって、中高年男性を中心にまじまじと見入る人が多かった。また、その脇では、三菱「GTO」のパトカーを愛知県警が展示。愛知県警は、高速道路上での万が一の停車時に三角表示板や発炎筒によって後続車に知らせることなど、高速道路上でのルールについて啓蒙活動を行なっていた。
地元からは、一宮市と岩倉市が出展。一宮市は、同市のマスコットキャラクター「いちみん」のグッズを販売。多彩なグッズが用意されており、普段は尾張一宮駅/名鉄一宮駅の観光案内所や、市役所の本庁舎でも販売されているという。また愛知県産の特別栽培米「あいちのかおり」の販売や、今年で60回目の節目を迎えるという「おりもの感謝祭一宮七夕祭り」を告知。
一宮七夕祭りは、織物の神様である真清田神社、尾張一宮駅/名鉄一宮駅周辺、本町アーケード街にかけてさまざまな催事が行なわれる、日本3大七夕祭りに数えられることもある大規模な七夕祭り。今年は7月23日~26日に行なわれ、日曜日の26日には60回目を記念し「東京ディズニーリゾート・スペシャルパレード」も参加するなど、例年以上の盛り上がりが期待されている。
岩倉市は、ご当地グルメの「岩倉焼きそば」を販売(400円)。岩倉焼きそばは、太い麺と、赤味噌が入った独特のソース、温泉たまごが特徴。イベントには鉄板も持ち込まれ、屋台のようにその場で調理をして提供していた。
NEXCO中日本のテントでは、50周年記念グッズの配布のほか、「オリジナル缶バッジ作り体験」コーナーを設置。自分の写真や、自分で描いた絵、NEXCO中日本のマスコットキャラクター「みちまるくん」のイラストなどを缶バッジにできるコーナーで、親子連れを中心に人気を集めていた。
また、PA内の飲食店に吉野家とはなまるうどんが加わったことは先述したが、このうち吉野家は、「牛丼並」を11時より50食限定で「120円」で販売。これは名神高速道路全線開通当時、つまり50年前の価格だという。
「ポッカコーヒー」の歴代缶デザインが展示された養老SA
岐阜県の養老SA(下り)ではイベントスペースが設けられ、記者が訪れた時には、ちょうど地元の「養老象鼻山太鼓の会」による演奏が行なわれていた。
養老SAは日本初の高速道路である名神高速道路のなかでも、さらに日本初の取り組みが行なわれたSAでもある。それが、冷温切り替え式の自動販売機の設置だ。
ポッカ(現ポッカサッポロフード&ビバレッジ)は、1972年に創業者である谷田利景氏によって、日本初の本格缶コーヒー(コーヒー飲料の規格に準拠した缶コーヒー)を発売。さらに1973年には、この缶コーヒーを温かい状態で飲めるよう、ホットとコールドを切り替えられる自販機を開発した。そして、その1号機を養老SAに設置したのだ。
養老SAのイベントには、この1号機ではないものの、当時使われていた自販機を展示。稼働はしていなかったが、特に30代以上の人には懐かしく映るのではないだろうか。
また、冒頭の写真でも紹介したとおり、NEXCO中日本とポッカがコラボして、名神全線開通50周年記念の「名神50周年記念デザイン缶コーヒー」を7月より販売しているが、これは1972年の初代ポッカコーヒーの缶デザインを復刻したもの。中身は現在のポッカコーヒーとなっており、価格は130円(当時は60円だったという)。10万本限定で、NEXCO中日本管内のSA/PAのポッカ自動販売機や売店で販売されている。
ポッカコーヒーといえば「男の顔」の印象が強いが、初代ポッカコーヒーだけは、この男が採用されていないデザインで、それを復刻している。養老SAのイベントでは、歴代のポッカコーヒー缶デザインを並べ、その歴史を見ることもできた。初期は劇画タッチの印象が強いデザインで、男のもみあげがカールしている。このもみあげのカールがなくなったのが1987年のデザイン変更から。物心がつく年齢を考えると、もみあげデザインの記憶があるかないかで、アラフォー世代以上かどうかを見分けられるかもしれない。
地元自治体からは、岐阜県のほか、養老町、海津市、伊吹山ドライブウェイなどが参加。
NEXCO中日本では、7月1日から岐阜県内の高速道路が2日間乗り放題/降り放題となる「Go Go! G(ギフ)割ドライブプラン」を実施している。エリア内2日間有効の乗り放題プランで、料金は普通車5000円、軽自動車4000円。期間は7月1日~11月30日(8月7日~16日、9月19日~23日除く)。
岐阜県の観光誘客課では、このドライブプランと連携して、同じく7月1日~11月30日の日程で「岐阜県ドライブ スマホでスタンプラリー 55スポットフォトラリー」というイベントを実施している。これは県内55カ所にスポットが設定されており、実際にそこを訪れてスマホで写真を撮影。ポイントを溜めていくゲーム感覚のイベントだ。専用のアプリがAndroid、iOS向けに提供されており、それを利用して進めていく。ポイント上位100名には、「飛騨牛特選ローススペシャルセット」(5名)ほか、岐阜県にちなんだ賞品がプレゼントされる。
ICからの距離などに応じて、スポットごとに点数が異なっている。スマホアプリは各スポットの簡単な紹介文などもあって分かりやすいので、行きたいスポットや高得点のスポットを効率よく回る方法など、プランを立てるところから楽しめそうだ。
養老町は、717年に元号が「養老」に改元されてから、2017年に1300年を迎えるにあたって「養老改元1300年プロジェクト」を実施している。単に「養老」という言葉に掛けたイベントではなく、養老という元号そのものが、時の元正天皇がこの地を訪れたことをきっかけに生まれたものという伝承がある。
古今著聞集に書かれる「孝子伝説」では、父に酒を飲ませたい子(源丞内、げんちょうない)の祈りが通じて、酒が沸く泉があたりに広がったというもの。西暦717年にこの土地を訪れた元正天皇は、この話を聞いて源丞内を役人に取り立てるとともに、「この地の美泉は老いを養える」として「養老」に改元したという。
養老町では2017年の改元1300年に向け、情報の発信、周知に努めており、2017年は秋以降を中心にさまざなイベント計画している。
このほか、海津市の国営木曽三川公園の「アクアワールド水郷パークセンター」では7月18日~8月31日に「わくわく体験祭り」と称し、水遊びを中心としたさまざまな体験イベントを実施。また9月には低地の暮らしを知ることができる周遊イベントも実施予定とのこで、8月に入ってから同市のホームページで告知する予定という。
養老SAでは、NEXCO中日本もさまざまな企画を実施。グルメのトピックスとしては、SA内のレストランにおいて7月1日~8月31日に各日20食限定の復刻メニューを提供。また、フードコートでは復刻メニューの「洋風デミカツ丼」を800円で提供中。洋風デミカツ丼は限定数はなく、期間内なら食べられる。また、後述の多賀SA(下り)でも提供している。
ちなみに、養老SA(下り)のフードコートは7月1日に全面リニューアル。本格とんこつラーメンの「ラの壱」を始め、オリエンタルカレー以外の店舗が全面的に入れ替わった。オリエンタルカレーについても、従来は1種類のルーのみ提供していたが、3種類から選べるようになるなどメニューを新しくしている。
このほか、トンネル内など高所の点検、メンテナンスに利用される、多人数が乗れる高所作業車体験や、パトロールカー、ドライブシミュレータなども展示。さらにJAF(日本自動車連盟)は5km/hの衝突体験ができるシートベルト体験車を展示。5km/hという低速ながら衝撃は意外に大きいことを体験してもらい、シートベルトやエアバッグの重要性を啓蒙していた。
「ささゆりむすめ」や「たがゆいちゃん」も訪れた華やかなEXPASA多賀
EXPASA多賀(下り)にもステージイベントが設けられ、エフエムひこねの公開生放送などを実施。記者が訪れた時間には、地元の「花びより~あかさたな~」による、よさこい演舞が行なわれ、鳴子や和傘、扇子などを用いた、華やかで楽しげな演舞に、多くの人が見入っていた。
自治体では地元の多賀町と滋賀県が参加。多賀町は「もんぜん市 多賀里の駅」は、“そば”が名物とのことだが、イベントではトマトなどの野菜や、赤米として知られる古代米を販売。
また、多賀町の名所である「多賀大社」では8月3日~5日に「万灯祭」が開かれることもPR。多賀観光大使の「ささゆりむすめ」や、マスコットキャラクターの「たがゆいちゃん」も訪れ、会場に花を添えた。
滋賀県は、同県内で採れた米を「近江米」としてPR。「近江米もっと食べます宣言」に同意した人に抽選で独自品種の「みずかがみ」などが当たるキャンペーンを実施している。
さらに、滋賀県で生まれ、上質な暮らしへ繋がるような商品やサービス「ココクール マザーレイク セレクション」として認定された商品も集められ、展示。一部は試飲などのサービスも実施した。
EXPASA多賀のイベントでは、NEXCO中日本の関連企業の参加も多かったのが特徴だ。料金所の業務を行なっている中日本エクストール名古屋は、笑顔の判定を行なう「スマイルスキャン体験コーナー」を設置。これは笑顔を20秒間維持して、その最大笑顔度と平均笑顔度を数値化してくれるシステムの体験だ。体験時の笑顔の写真をその場で印刷し、フォトフレームに入れてプレゼントもしてくれる。
道路やSA/PAの施工やメンテナンスなどを行なっている中日本ハイウェイ・エンジニアリング名古屋や、中日本ハイウェイ・メンテナンス名古屋は、同社らが開発し、高速道路で使用している建材や工具などを、建設業者ら販売する業務も行なっている。イベントでは、それら販売中商品の展示を行なった。基本的にはプロ向けの商品ではあるが、一消費者としても便利そうなアイテムが並んでいた。
SA/PAでの事業全般をになっている中日本エクシスと、自動販売機事業などを行なっている中日本ハイウェイ・アドバンスは、みちまるくんグッズやオリジナルスイーツなどを販売。みちまるくんグッズはバリエーションに富むほか、新商品もいち早く同イベントで販売を開始する力の入れ方だった。
50周年記念のマイレージポイントプレゼントキャンペーンも実施
このほかNEXCO中日本では、名神全線開通50周年を記念して、ETCマイレージポイントのプレゼントキャンペーンを実施している。
キャンペーン期間中に、対象ICの出口をETCの無線走行で利用し、PA/SAに掲示されているクイズの答えを応募フォームから回答した人を対象に、抽選で250名に2000ポイントをプレゼントするもの。実施期間は7月1日~8月31日。
対象となる出口ICは、NEXCO中日本管内の小牧IC、一宮IC、岐阜羽島IC、大垣IC、関ヶ原IC、彦根IC、湖東三山スマートIC、八日市IC。
クイズが掲示されているPA/SAは、尾張一宮PA(上下)、養老SA(上下)、伊吹PA(上下)、多賀SA(上り)、EXPASA多賀(下り)、羽島PA(下り)、湖東三山PA(上下)。羽島PAと湖東三山PAは自動販売機近くに掲示され、ほかは休憩施設内の掲示となる。なお、湖東三山PAは、同スマートICの上り線入り口および下り線出口を利用する場合にはPAに立ち寄れないので注意されたい。
クイズの内容は現地で確認してほしいが、本記事の中にも回答のヒントとなる内容を盛り込んでいるので参考にしてほしい。
最後にイベントで実施されたパネル展の全パネル18枚を紹介しておく。