2015年4月25日、米Royal Caribbean International(RCI、ロイヤル・カリビアン)が運航する豪華客船「ボイジャー・オブ・ザ・シーズ」が、東京(大井ふ頭)に入港。報道陣向けに船内の見学会が実施された。
今回の寄港は毎年、ゴールデンウィークに実施されている日本とアジアを巡るクルーズのため。一連のクルーズはミキ・ツーリストが総代理店として販売を行なっており、今年で6回目(同船になって3回目)となる。
第1弾となる4月25日からのクルーズは東京を出港し博多、韓国・済州島、名古屋(金城ふ頭)を経て横浜(大黒ふ頭)に戻るスケジュール。目的地が横浜となっているのは東京が貨物中心となっており、旅客向けとしては土日祝日しか使えないためだ。
参加者は日本から2739名、フィリピン270名、アメリカ50名、オーストラリア23名、中国、台湾がともに18名、韓国15名、全体で3199名。新たに家族向けのファミリープランを設定したこともあり、17歳以下の乗客が372名と、通常より若年層が多いクルーズとなっているという。
横浜に戻った後は、「旅物語」ブランドでツアーを行なっているJTBメディアリテーリングによる5月1日~6日までの5泊6日のチャータークルーズ、5月6日~14日が沖縄・台湾を巡る9日間のクルーズを行なう予定となっている。
ボイジャー・オブ・ザ・シーズの概要
- 就航年
- 1999年(2014年10月改装)
- 総トン数
- 13万7276トン
- 全長
- 310m
- 全幅
- 48m
- 全高
- 63m
- 乗客定員
- 3286人
- 乗組員
- 1176人
- 巡航速度
- 22.0ノット
- 船籍
- バハマ
2万トンクラスのフェリーでも相当に大きく感じるがこちらは14万トン。想像を超えたサイズ、といった感じ ボイジャー・オブ・ザ・シーズは乗客、乗組員合せて4500人あまりを収容。もはや動く街だ 船内の乗客向けエリアはデッキ2~デッキ15に配置されている。今回の見学会では時間の関係で客室や一部エリアを回ることはできなかったが、主要な施設は見学することができたので上層デッキから順に紹介していこう。
デッキ14
船の中央にある展望台のように見える構造部分。船の前方を見ることができる展望ラウンジのほかレストラン“イズミ”などがある。
“VIKING CROWN LOUNGE”と名付けられた展望ラウンジ。一段低くなったフロアにはソファーが並べられている 展望ラウンジからはデッキ11&12を見ることができる 2014年の改装によりスペシャリティレストランがオープン。利用するにはカバーチャージ(席料)やアラカルト料金が必要になる。もっとも上部のデッキにあるのが日本&アジア料理を提供する「イズミ」 メニューはお寿司や天ぷらといった辺りがメインになっている デッキ13
船の中央から後尾にあるオープンデッキ。ロッククライミングやスポーツコート、ミニゴルフ、船上サーフィンなどの施設が設けられている。
ファンネル(煙突)の後方にはロッククライミングウォールが設けられている “FLOWRIDER”と名付けられた船上サーフィン施設 スポーツコート脇には日光浴を楽しめるデッキチェアが並べられている 最後部から前方を眺めてみた。かなりゆったりとした作りになっていることが分かる FLOWRIDER脇の段差には車イスなどで利用できる昇降機がセットされていた デッキ12
デッキ11を囲むオープンデッキを中心に前部がスパフィットネスセンター、後部にはゲームコーナーや児童館、ディスコなどがある。
通路には至るところにオブジェが飾られており乗客の目を楽しませてくれる トイレのドアは木製。丸い明かり取りと年期を感じさせる深みのあるツヤが美しい オープンデッキ部分には各所にライフジャケットを収めるボックスが用意されていた バーを挟んで前方にはソラリウムと呼ばれる大人専用のプールがある デッキ14の展望ラウンジ下には大型のスクリーンがセットされている デッキから船外を眺める。ふ頭にある倉庫の屋上が見えるほどの高さ さまざまなアミューズメント機器が置かれたゲームコーナー 児童館は年齢ごとにスペースが用意されている。こちらは3歳から5歳向けのエリア スペシャリティレストランの1つ「ジョニーロケッツ」。ハンバーガーショップだ エレベータ部分は吹き抜け。下に見えているのがロイヤル・プロムナード 各デッキに設けられている案内板。ただの液晶かと思いきやタッチパネルでさまざまな情報にアクセスできる スパフィットネスセンターのエントランス。施設内に階段がありデッキ11と繋がっている 2~4名用の“パノラマ海側”客室。窓は開けることができない ダブルベッドとソファーベッド、それにこの2段ベッドで6名の就寝が可能となっている デッキ11
前方にスデッキ12と階段で繋がるスパフィットネスセンター、中央にプール&ジャグジー、後方にはスペシャリティレストラン「チョップス・グリル」がある。また、最前部には2014年の改装により客室が設けられた。
デッキ11にあるスパフィットネスセンターはフィットネス中心。写真は中央にあるジャグジー プール横の通路。デッキ部分は覆われているので風が強くても安心 後方にはステーキやシーフードグリルが味わえるスペシャリティレストラン「チョップス・グリル」。ワインも豊富に揃っている 最後部にはビュッフェレストラン「ウンジャマー(WINDJAMMER)カフェ」がある デッキ5
この階層からは中央後部から前部までがパッセンジャーエリアになる。このデッキのメインはロイヤル・プロムナード。ストリートの左右にはショップやパブなどが並び、船の中だとは思えない奥行きと広がりを見せる。前部はラウンジ、後部は3層構造となるメインダイニング「SAPPHIRE DINING ROOM」の最上階となる。
メインダイニング「サファイアダイニングルーム(SAPPHIRE DINING ROOM)」のデッキ5入口 オペラシアターのような荘厳なインテリア。このメインダイニングとビュッフェでの食事はツアー代金に含まれている エレベータホールからロイヤル・プロムナード方向を眺める ロイヤル・プロムナード全景。デッキ6~8となるショップの上階は“プロムナード”と名付けられた客室 なぜか“綿あめ”の実演が行なわれていた。日本人ツーリスト向けの演出だろうか デッキ4
前部にデッキ2~4にまたがる「ロイヤルシアター」、中央部にはカジノをはじめスポーツバーやアートギャラリーがある。後部はメインダイニングの中央階となっている。
デッキ3
船内や寄港地での写真を販売してくれるフォトショップがあるほか、メインダイニングやアイススケートリンクのエントランスも。この階層にはスタンダードクラスの客室もある。
船のマストを意味する名前が付けられた「SCHOONER BAR」 デッキ5にあるロイヤル・プロムナードから階段を降りていくとシアターの入口がある。上部は「スターラウンジ」 シアター客席。最近増えつつあるシネコンより雰囲気がある スペシャリティレストラン「ジョバンニズ・テーブル」。カジュアルイタリアンを提供 デッキ2
アイススケートリンクや会議室、デッキ3と同じくスタンダードクラスの客室で構成されている。
アイススケートリンクではプロスケータによるショーを楽しむことができる