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西武鉄道、 国分寺~本川越駅間開業120周年記念電車に乗ってみた
川越鉄道開業120年を祝して当時の路線を「レッドアロークラシック」が走る
(2015/3/23 00:00)
- 2015年3月21日 運行
西武鉄道の国分寺~本川越駅間は、もとは1895年3月21日に川越鉄道として開通した路線だ。川越鉄道の路線は、当初は現在の中央線の原型となっている甲武鉄道の支線として位置付けられていた。その後、東村山~高田馬場駅間を開通して東京都心への乗り入れを果たすとともに、いくつかの鉄道会社などとの合併を経るなどして、現在の西武鉄道へと受け継がれている。現在では、本川越~東村山駅間は新宿線の一部、東村山~国分寺駅間は国分寺線として運営されている。
そして今年、2015年は、その川越鉄道の国分寺~本川越駅間が開業してちょうど120年にあたる。これを記念して西武鉄道は、3月21日に本川越~国分寺駅間で往復特急特別記念電車を運行した。
特別記念電車の運行は午前と午後の2回で、どちらも本川越駅を出発して国分寺駅に到着後、折り返して国分寺駅から本川越駅までの往復で運行された。なお、運行区間のうち東村山~国分寺駅間の国分寺線内では、今回の特別記念電車が初の特急電車の運行とのことだ。
特別記念電車の乗車券は、3月7日に国分寺駅と本川越駅で発売された「西武鉄道国分寺~本川越駅間開業120周年記念切符」に2人分が付けられている。記念切符は全360セットが事前に完売している。
乗客は、鉄道ファンだけでなく家族連れも多く、車体や車掌と一緒に記念撮影するなど、特別記念電車出発前の本川越駅はなごやかな雰囲気に包まれていた。また、沿線や途中駅では、特別記念電車の走行シーンを撮影する鉄道ファンも数多く見られた。使用された車両は、レッドアロー号として運用されている10000系車両のうち、初代レッドアロー号の塗装をまとった「レッドアロークラシック」だ。
午前出発の特別記念電車は、午前10時15分に本川越駅を出発。通常の特急よりもかなりスピードを落とした、ゆったりとしたペースで運転されたため、いつもよりもじっくりと車窓風景が楽しめた。
車掌の車内アナウンスも非常に味があった。今回の特別記念電車は所沢駅では停車せずに通過したが、乗客を乗せた列車が所沢駅を通過するのは非常に珍しいことだという。それを受け、特別記念電車が所沢駅を通過する直前に「ぜひとも所沢駅を通過するという優越感に浸っていただきたいと思います」とアナウンス。
また、東村山駅から国分寺線へと踏み入れる際には「いよいよ未踏の地、国分寺線へと進入します」とアナウンスし、乗客の笑いを誘っていた。
特別記念電車は、途中、東村山駅と、東村山駅から先の各駅に停車しつつ、11時頃に国分寺駅に到着。国分寺駅では約3分ほど停車し、本川越駅に向かって折り返した。
折り返し運転では、直接本川越駅には向かわず、途中東村山駅から西武園線に進入し、西武園駅で約30分間停車。そして、西武園駅では運行中の停車駅で唯一列車のドアが開けられ、乗客はホームに降り、自由に記念撮影する時間が取られた。西武園駅での停車はシークレット扱いとなっていたそうだが、ほとんどの乗客がホームに降り、さまざまな角度から車両の撮影を楽しんでいた。
その後、西武園駅を出発した特別記念電車は、途中東村山駅、南入曽信号場で停車。そして、本川越駅に午後12時27分頃に無事到着し、午前の特別記念電車の運行は終了となった。