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西武鉄道、「南入曽車両基地 電車夏まつり 2017」レポート

「レールスター乗車体験」や「電車と綱引き」など人気イベントは長蛇の列

2017年8月19日 開催

西武鉄道は「南入曽車両基地 電車夏まつり 2017」を開催した

 西武鉄道は8月19日、南入曽車両基地(埼玉県狭山市)で「南入曽車両基地 電車夏まつり 2017」を開催した。これは普段見ることのできない車両基地を一般公開し、沿線住民に鉄道に親しんでもらうことを目的にしたイベントで、2017年で13回目となる。

「電車と綱引き」「乗務員室での記念撮影」「車両床下見学」「お絵描きヘッドマーク」「お子さま制服撮影(駅・乗務員用)」「お楽しみ抽選会(電車の方向幕を利用して実施)」「『南入曽車両基地の1日』パネル等展示」「車両基地の1日」といった企画が用意された。荒天の予報もあったが天候は回復し、開場からすぐに行列ができるイベントもあり、かなりの盛況だったので、その様子をレポートする。

「レールスター乗車体験」は、開場から30分後には90分待ちの大人気

「レールスター乗車体験」はかなりの人気

 南入曽車両基地に入ってすぐ視界に入るのが、線路を点検する際に乗車する「レールスター」の乗車体験イベント。2台の体験乗車機材が用意されていたが、開場の10時から30分経過時点ですでに90分待ちという人気。

 乗車体験後の親子連れに感想を聞くと「思ったより速くて驚きました。あと電車にはない振動で迫力もありました」とのことだった。確かに横で見ていてもまずまずの速度で走っているので、なかなか迫力ある企画だろう。

レールスター乗車体験
サスペンションがないので、なかなかな迫力だと想像できる

電車の方向幕を利用した「お楽しみ抽選会」

電車の方向幕を利用した「お楽しみ抽選会」

 レールスター乗車体験のあとに向かったのは、電車の方向幕を利用したお楽しみ抽選会。電車の快速、急行、準急などの種類と行き先を動作させて、あらかじめ渡されたカードと合えば「当たり」でグッズがもらえるという抽選会。50分待ちとアナウンスされていた。方向幕で当たると、さらに抽選箱からクジを引いて景品をもらうのだが、こちらは何回でもチャレンジできるようで、一度当選した少年が再度、列の最後尾に並んでいた。

お楽しみ抽選会の様子。方向幕の表示に自分がもらったカードが当たると、さらに抽選箱からクジを引いて景品をもらう、2回ワクワクできる企画

親子でほのぼのと楽しめる「お絵描きヘッドマーク」

「お絵描きヘッドマーク」

 お絵描きヘッドマークのコーナーでは、あらかじめ用意されているシートに塗り絵して、それを電車のヘッドマークにセットして記念撮影ができる。

 塗り絵をするのは車両の中なので空調もきいていて快適。塗り絵の見本もあるので、上手に塗り分ける子もいた。完成後は職員にヘッドマーク部分に貼り付けてもらい記念撮影。恥ずかしがって自分は写りたがらない子もいたが、自分の塗った絵が電車のヘッドマークに貼り付けられると、うれしそうにしていた。

車両の中に複数の種類の塗り絵が用意され、思い思いに色を塗る
自分が塗った絵をヘッドマークに貼り付けてもらい笑顔で記念撮影する子もいれば、恥ずかしそうにして写りたがらない子もいた

「南入曽車両基地の1日」はパネル展示や床下解説

基地の建物内では記念撮影や車両床下の見学が用意されていた

 基地の建物内では、乗務員室での記念撮影と20000系車両の床下解説を含む見学コースや、解放されている20000系車両の中での「南入曽車両基地の1日」パネルなどの展示、新型特急電車、新型通勤電車「40000系」のパネル展示とパーツ展示などがあった。特にめずらしい車両床下の装備品などには、子供だけでなく大人も真剣な眼差しを向けていた。

20000系車両の展示
なかなか見られない車両床下の装備品の展示解説。列車情報送装置、ATS、断流器、VVVFや台車などについて、詳しい説明書きがあった
こちらは「南入曽車両基地の1日」のパネル展示。各セクションの役割や従業員数なども掲示されており、子供も大人も真剣な眼差しでパネルを見ていた
新型通勤電車「40000系」を含むパネル展示とパーツ展示。フロントグラス単品での展示に書き添えられていたが、30000系のものは37万円、20000系のものは41万円とのこと(脱着工賃含まず)。大きさから考えると割安?

人気企画「電車と綱引き」と「非常ボタン体験」も長蛇の列

電車と綱引き

 このイベントのウリになっている「電車と綱引き」と「非常ボタン体験」が隣接して行なわれており、やはりこちらも長蛇の列で60分程度の待ち時間とのことだったが、子供たちも我慢強く待っていた。

 約40トンある車両を参加者が力を合わせて引くのだから、一度は参加してみたいだろう。もちろん非常ボタンも通常の生活のなかで押すことはないので、小さな子供たちにとっては「はじめての非日常体験」になったのかも知れない。

一生懸命に力を合わせて電車を引く子供たち。大人たちも応援
人気の「非常ボタン体験」。ホーム設置の非常ボタンと、踏切設置の非常ボタンの2タイプが用意されていた
「軌陸車の乗車体験」。ほかの企画よりは待ち時間は短そうだったが、解説のパネルを真剣に読む子供たちも多い。各企画は基地内の工場で実施されていた

RED LUCKY TRAINやLAIMOラッピング電車が登場

留置電車展示

 留置電車展示も人気で、多くの鉄道ファンがカメラを持ちRED LUCKY TRAINやLAIMOラッピング電車の写真を撮っていた。特にLAIMOラッピング電車は空調のきいた休憩所も兼ねていたので、日差しが強くなった時間は多くの来場者が涼んでいた。

多くの車両を見学・撮影できる「留置電車展示」。来場者はカメラを手に右に左に移動しながら、いろいろなアングルの写真を撮っていた

 特急「小江戸」をバックに、駅員/乗務員の子供用制服を着用して記念撮影できる「お子さま制服撮影」も人気。制服姿で撮影ができるエリアでは入れ代わり立ち代わり、記念撮影をしていた。

駅員/乗務員の子供用制服が用意されている「お子さま制服撮影」も人気だった

西武鉄道グッズ、会場先行発売も行列

 西武鉄道のイベントでは恒例の「鉄道グッズ発売」「記念乗車券販売」では、新作グッズの会場先行発売もあった。今回の新作グッズは、「西武鉄道×プラレール ワンタッチプラボトル」(1500円)、「西武鉄道×プラレール プラカップ」(500円)、「40000系ぬいぐるみパスケース」(1000円)、「トレインデコウォッチ(新2000系)」(2000円)の4点が用意されていた。

 1回の購入につき1人3点までの購入と制限もつけられていたが、やはり待ち行列ができたくらいの人気だったので、詳しく知りたい方は西武鉄道のWebページを参照してみるといいだろう。

西武鉄道の販売ブースに並ぶ参加者たち

 イベント見学を終えた帰りに、南入曽車両基地発、新所沢駅行きの臨時電車に乗ると「洗車台通過体験」ができた。車内から洗車の様子を見学できて、子供たちも大はしゃぎだった。

「洗車台通過体験」の様子。最初に基地の仮設ホームから職員が車両に水をかけ、その後に洗車機を通過する