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7月1日~9月30日開催の「せとうちキャンペーン」。瀬戸内観光の認知向上にむけてJR西日本とJR四国がタッグ

2016年7月1日~9月30日 開催

 JR西日本(西日本旅客鉄道)とJR四国(四国旅客鉄道)は5月24日、7月1日~9月30日の3カ月間、「せとうちキャンペーン」を開催すると発表。同日、記者会見が実施され、JR西日本 取締役兼常務執行役員営業部長の堀坂明弘氏とJR四国 鉄道事業本部 営業部長の四之宮和幸氏が、キャンペーンの狙いなどについて話した。

 今回、JR西日本とJR四国が共催するせとうちキャンペーンでは、クルーズやサイクリングなどを取り入れた瀬戸内観光を提案していくとともに、沿線を運行する「瀬戸内マリンビュー」「ラ・マル・ド・ボァ」「伊予灘ものがたり」などの観光列車も合わせて提案、これらをモデルコースとして観光商品とともに紹介していく。

 キャンペーン期間内には、関係機関との連携により通常は直通航路が存在しない宮島~呉間に、期間限定で呉潜水艦基地を経由し瀬戸内海の魅力を楽しめる宮島~呉航路「宮島・呉ブルーライン」(7月~11月の土休日運航、8月11日は運休)の運航や、団体向けでは通常は宮島口~宮島間を運航しているJR西日本宮島フェリーの貸切運航を計画するほか、松山城をライトアップする「光のおもてなし in 松山城」(7月7日~8月13日)などの観光素材も用意する。

西日本旅客鉄道株式会社 取締役兼常務執行役員営業部長の堀坂明弘氏

 会見のなかで、堀坂氏は「瀬戸内は今までメジャーな観光スポットではあったもののあまり情報発信していなかった反省がありました」と話し、続けて「瀬戸内は、訪れた外国人の方からは“世界中にここにしかない風景だ”と絶賛されておりまして、穏やかな海と多島群、1年中暖かな気候に恵まれている。私もエーゲ海とか地中海とかそういった海の美しさに負けていない世界中にどこに行ってもここにしかない海だと思っている」と瀬戸内の魅力について語り、また、周辺には原爆ドームや厳島神社といった世界遺産、牡蠣や鯛といった海産物、オリーブやレモンといった国産の農産物などとともに、3年に1回開催されている瀬戸内国際芸術祭に代表されるアートなど、観光素材が満載であることを紹介した。

 また、今後のキャンペーン展開については、JR西日本 取締役会長の佐々木隆之氏が会長を務めるせとうち観光推進機構、瀬戸内沿岸7県、兵庫県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県の各地域、旅行会社などと連携して、瀬戸内エリアの魅力向上に向けた提案を進めていく考えが示された。

 堀坂氏は「せとうち観光推進機構では、瀬戸内エリアが国内国外両方から多くのお客さまに選ばれるよう、クルーズ、宿、サイクリング、アート、食といったものをテーマの中心に据えてさまざまな取り組みを進めている。JR西日本、JR四国も機構に参画しており今後も連携を深めていく所存」とし、加えて「我々が瀬戸内エリアにおける観光気運を盛り上げるうえで果たす役割として、せとうちキャンペーンは第1ステップにすぎない。まだまだ色々試しながら、お客さま、地元の方のご意見を伺いながら、このせとうちキャンペーンはこれから何回にわたってご提案していきたい」と話した。

四国旅客鉄道株式会社 鉄道事業本部 営業部長の四之宮和幸氏

 JR四国の四之宮氏も「弊社もせとうち観光推進機構に参画して、このエリアを基盤とする鉄道事業者として一緒になって取り組んでいこうと思っている。今年は文化庁による日本遺産として、しまなみ海道にあります芸予諸島が、村上海賊の記憶としての認定がされ、岡山や香川の島嶼部を中心に瀬戸内国際芸術祭が開催され、春開催が前回より1割ぐらいお客さまが増えたということで、夏開催も7月~9月に開催され日本国内、海外からもたくさんお客さまが来ていただけると思っている。こういったなか、瀬戸内エリア全体にスポットを当てて、具体的な周遊ルートの提案、情報発信していくことは四国として大きな意義がある。今回のキャンペーンをスタートにエリアの魅力度、認知度向上に向けて取り組んでいきたい」と意気込みを話した。

 また、今回のキャンペーンにおける効果について、堀坂氏は「東京から中国エリアへというDISCOVER WESTキャンペーンでも、当初のオーダーが8000だったものが、今では40万を超える商品になっている。DISCOVER WESTでも10数年で築き上げてきたものなので、それぐらいの目標感を持って取り組みたい」との考えを示した。

仲間由紀恵さんを起用した「せとうちキャンペーン」のポスター

(編集部:椿山和雄)