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ジャルパック、特典豊富な東京ディズニーリゾートツアーなど2017年上期旅行商品発表

JALのビジネスクラス/プレミアムエコノミークラス利用コースを拡充

2017年1月31日 実施

ジャルパックは1月31日、2017年上期(2017年4月~2017年9月)の国内・海外商品の発表会見を東京・天王洲の本社で開いた

 ジャルパックは1月31日、2017年上期(2017年4月~2017年9月)の国内・海外商品の発表会見を東京・天王洲の本社で開いた。

 会見にはジャルパック 代表取締役社長 藤田克己氏、海外業務部 海外業務グループ長 中井策太郎氏、国内業務部 国内業務グループ長 安達健太郎氏が出席した。

「パッケージツアーのよさ」をお客さまに再認識していただける2017年にしたい

株式会社ジャルパック 代表取締役社長 藤田克己氏

 会見冒頭で藤田克己氏は、「低迷している海外旅行の復活」「国内需要を確実に集めていくこと」を目標に据えて臨んだという2016年を振り返った。

 海外旅行では円高が進み、燃油サーチャージのゼロが続き、インバウンド需要が落ち着きを見せた状況で、アジアやオセアニア方面を中心に好調に推移したという。ただし、ヨーロッパはテロなどの影響で相変わらず低迷。ハワイ方面はJAL(日本航空)の提供座席数が減ったことがそのまま影響しての大幅減となったことについて、機材の客室仕様変更により座席のプレミアム化が進み、エコノミークラスを中心に座席数が減ったことが原因と説明。これらのプラスとマイナスにより、年間の取り扱い人数ではほぼ前年並みになるという見通しを示した。

ジャルパックの海外旅行の2016年度下期見込みと2017年度上期計画の旅客人数

 国内旅行では、平成28年熊本地震、北海道の台風、12月の大雪など、自然災害が影響した1年だったという。「九州ふっこう割」により夏以降の回復は見られたものの、前年比の99%ほど、少し及ばないところになるという国内旅行の見通しを示した。

ジャルパックの国内旅行の2016年度下期見込みと2017年度上期計画の旅客人数

 2017年の海外旅行は、アメリカ大統領に就任したトランプ氏による影響、円安傾向、原油価格の上昇、ヨーロッパの主要国での選挙、韓国との関係、さまざまな課題があり、不透明な世界情勢のなかではあるものの、「海外旅行復活」を確かな年にしたいという指針を述べた。

 国内では、名古屋に4月1日オープン予定の「LEGOLAND Japan」などはあるが、それ以外にそれほど大きなイベントがない。観光需要は雰囲気・ムードの影響を受けやすいため、明るいニュースによる心理的な要素も含めて期待したいと話した。

 また、1月17日に発売した訪日外国人旅客向けの「JAL訪日ダイナミックパッケージ」にも触れ、訪日分野を海外旅行、国内旅行に続く第3の柱としてチャレンジングな分野として取り組んでいきたいと語った。

「JAL訪日ダイナミックパッケージ」のWebサイトが英語とタイ語からスタートしたことについては、東京~タイ線が就航60周年など「タイはJALグループとして思い入れのある場所」でもあり、運航している路線が多いことなどから、またトライアル、リサーチという面もあってのことだと説明した。

 最後に「お客さま満足度を今以上に引き上げる努力を継続しつつ、あらためて『パッケージツアーのよさ』をお客さまに再認識していただける年にしたい」として、2016年~2017年のサマリーを締めくくった。

JALビジネスクラス/プレミアムエコノミークラスを利用したツアー商品を強化

株式会社ジャルパック 海外業務部 海外業務グループ長 中井策太郎氏

 続いて海外業務部 海外業務グループ長の中井策太郎氏から、海外旅行商品についての説明があった。

 まず「JALビジネスクラス、プレミアムエコノミークラス利用商品の強化」が1つ目の大きな特徴だという。ジャルパックの商品では比較的ビジネスクラス、プレミアムエコノミークラスを指定する利用客が多い傾向にあるが、JALの戦略では、これらプレミアムクラスの充実、供給シェアの拡大といった方向性を打ち出しており、ジャルパックでもこれをチャンスととらえ、今後もビジネスクラス、プレミアムエコノミークラスを活用した商品を充実させていくと話した。

 特にそれを象徴するパンフレットが「JALビジネスクラス JALプレミアムエコノミークラス利用 ゆったり周遊 連泊シリーズ ヨーロッパ」とのこと。2016年度もビジネスクラス、プレミアムエコノミークラスを利用したパンフレットはあったが、もともとの「ヨーロッパ」のパンフレットの内容から抜き出した形だった。今回からはビジネスクラス、プレミアムエコノミークラスのみという設定で、コースも全22コースに増やして別冊化、専用商品として展開していくという。少人数での催行、厳選されたホテルなど、「限られた人数で、ゆったり楽しむ、ワンランク上のゆったり周遊シリーズとなっている」と説明した。

 2つ目の特徴は「サービスの磨き上げ『あったらいいな』の実現」。「あったらいいな」をキーワードにここ数年ジャルパックは商品企画を継続しているとのことで、「2016年度JCSI(日本版顧客満足度指数、第4回調査結果)において、2年連続顧客満足度ナンバー1に選ばれていますが、引き続き満足度を高めていくために、日々変化する環境のなかで、ニーズの変化を察知して、小さな改善を積み重ね、継続していくことが重要だと考えております」と述べた。

 新たな取り組みとしては、2017年度上期は再適用が始まったサーチャージは上昇局面、円安傾向などを受け、低価格帯の商品を求める利用客の増加が予想されるため、ハワイやグアム方面で設定していた、子供料金よりも安い「キッズ(添い寝)代金」を、「アジアのリゾート」商品にも展開、より多くの旅行先の選択肢を求める利用客のニーズに応えていきたいと説明した。

 また、InstagramなどSNSユーザーの増加、女性を中心に写真を撮影して“その場で”SNSにアップしたいというニーズが増えており、海外旅行では特にそのニーズが強まるため、現地でのWi-Fi利用環境の強化を図っていくという。往復の機内でのWi-Fi環境が整いつつあるなか、ジャルパックであればどこでもネットで家族や友人とつながる、と言ってもらえるようにしていきたいと話した。

工夫を凝らしたエリア別施策

 エリア別では「グアム」は、ホテル・ニッコー・グアム宿泊商品を対象に、「ニッコーバリュークーポン」を設定。朝食、ランチ、夕食、バー、バーベキュー、マジックショーなど、ホテル内の各種施設で利用できるお得なクーポンを、滞在日数に応じて提供するとのこと。

「アメリカ」は、トランプ新大統領の影響で、アメリカへの旅行にためらいを感じる人向けに「JALパック何でも相談WEB」サービスを拡充。これは出発前から、利用客が現地スタッフに直接なんでも相談できるサービスで、2017年度上期からは海外での飲食店の英語での予約に不安のある人向けに、「レストラン無料予約サービス!」を開始。

 また、別冊パンフレットで展開している「ディズニーリゾート」商品でも、「ディズニーリゾートへの旅 JALパック何でも相談WEB」として、利用客をサポートしていく。

「オーストラリア」はハネムーンディスティネーションとして人気が高いうえ、大自然から街歩きまで幅広い層に支持されており、比較的テロなどの社会不安の影響が少ないと見られ、人気のエリアだという。

「シドニー虹色散歩」という無料の追加プランを用意して、街歩きの多彩な観光プランを設定。そのなかでも音と光の祭典「Vivid Sidney」を海上から楽しむ「ビビッドon水上タクシー」が5月27日~6月16日限定で設けられているという。

 不動の人気という「ハワイ」では、滞在中の利用客からの相談に即座に対応する「JALビジネスクラス利用者専用ダイヤル」を新設。混乗バス利用コースでは、ホノルル空港到着後20分以内にバスが出発できるよう改善している。

 また、シェラトン・ワイキキ内にある「JALPAKアロハラウンジ」が1月に全面リニューアルオープン(営業は8時~21時)。日本語を話せるスタッフがオプショナルツアーの予約やさまざまな相談にのってくれる。

 アラモアナ・ビーチ・パークなどを巡る「ウクレレバス」が新設され、ウクレレの生演奏を聞きながらハワイの夕景を60分ほどかけて楽しむことができる。

「アジア」は、「はじめてのアンコール遺跡5日間」コースに「トゥクトゥク2時間チャータープラン」を設定。追加料金なしで2時間利用できるのはジャルパックならではだという。

 そのほか1人で参加できるツアーはヨーロッパに加えて、アメリカや中国なども近日発表予定とのことで、女性の“お一人様”限定出発日も設定されているとのことだ。

ジャルパックの2017年度上期のパンフレット

JALの整備工場見学を1日2回に。東京ディズニーリゾートはオフィシャルスポンサーの強みを活かす

株式会社ジャルパック 国内業務部 国内業務グループ長 安達健太郎氏

 国内業務部 国内業務グループ長の安達健太郎氏からは、国内旅行商品についての説明があった。

 ジャルパックならではの特典である、羽田空港機体整備工場を無料で見学できる「JAL工場見学 ~SKY MUSEUM~」(無料)は、これまで午前(10時~11時40分)のみ実施だったものが、午後(13時~14時40分)も新設。希望者の選択肢を増やした。

 また、「JALで行く東京ディズニーリゾート」では、JALが東京ディズニーランドで4月4日~6月14日に開催する「ディズニーイースター」のオフィシャルスポンサーであることから、この期間行なわれるイースターパレードを場所取り不要で鑑賞できる企画を設定。

 さらにジャルパックオリジナルデザインの「パスポートホルダー」を利用客全員にプレゼントするなど、オフィシャルスポンサーならではの特典が豊富だと紹介した。

「沖縄」は地元ガイドが三線演奏と島唄で案内する「JAL うたばす」の観光ルートを刷新し、那覇空港から乗車可能な新ルートを設定。到着日に空港からすぐに乗車して、観光を楽しみながら宿泊するホテルに向かうことができるようになった。

 恩納村にあるホテル「ルネッサンス リゾート オキナワ」では、「JALパックフリッパーズルーム」を用意。「しろたん」がデザインされた壁紙、60インチの大型テレビ、丸型のお風呂など、ファミリー向けのコネクティングルームとなっている。

 また、ホテル日航アリビラで提供していた、ラウンジバーでの2時間飲み放題の特典が好評だったことを受け、18のホテルにおいて、飲み放題やドリンクサービスなどバーの利用を設定している。

「九州」はエースJTBとの共同企画である「JJ九州周遊バス」を継続。被災した熊本城を観光ルートに再び組み込み、地元のボランティアガイドとの案内とともに、修復に20年かかるとも言われている熊本城のその過程を見学するようにした。

「北海道」は人気の旭山動物園を組み込んだJALキャンペーンバス「JAL旭山動物園号」の周回ルートに旭川空港を新規設定。動物園を楽しんで、そのまま旭川空港から帰路へといったことも可能になった。

恩納村「ルネッサンス リゾート オキナワ」で設けられている、ファミリー向けのコネクティングルーム「JALパックフリッパーズルーム」