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東京メトロ銀座線 渋谷駅のアクセス改善のため線路切り替え工事を実施

2016年11月5日~6日、11月19日~20日の4日間

2016年11月5日 公開

 東京メトロ(東京地下鉄)は、2016年11月5日~6日および11月19日~20日の計4日間、銀座線の渋谷駅~表参道駅間、青山一丁目駅~溜池山王駅間を終日運休して銀座線 渋谷駅を移設するための線路切り替え工事を行なうが、その初日となる11月5日、工事作業の一部を報道陣に公開した。

 現在、渋谷駅のホームは乗車用と降車用に分かれた「相対式」となっているが、ホーム自体を明治通りの上へ約130m移動させることでスペースを確保し、2つの線路がホームを挟む「島式」にする工事を進める。新しいホームの供用開始は、2019年度を予定しており、商業施設である「渋谷ヒカリエ」とも「東口改札」を新設して直接結ぶ予定となっている。

銀座線 渋谷駅のホームを「島式」にして明治通りの上に移動

 今回の工事は11月5日、6日、19日、20日の2回の週末、計4日間。渋谷駅~表参道駅間だけでなく、折り返し用設備の関係で青山一丁目~溜池山王間も終日運休にして、渋谷駅手前の2本の線路を南側に移動させるもの。

 銀座線 渋谷駅を移設するための線路切り替え工事は、ホームを「島式」にするためのスペースを確保するために明治通り上に移設するほか、場所をJR渋谷駅と渋谷ヒカリエの間にすることで乗り換え利用者の便をよくすることも狙い。

 改札口は、JR利用者が同一階で直結する乗り換えコンコースに設けられる西口改札、副都心線などを利用する利用者は、新たに整備されるエレベータとエスカレータを備えたヒカリエと直結する東口改札の2カ所。乗り換えのみでなく、行きと帰りで通る改札が同一になることで利便性を向上させる。

 また、今まで渋谷駅東口広場と明治通りにある橋脚7基を3基とすることで高架下の空間が広がり、駅前広場の空間拡充と道路交通の円滑化も考慮されている。

 前半の5日と6日の工事は、浅草から渋谷に走行する線路を南側に移設するものであり、後半19日と20日に予定されている工事では、前半の工事で空けたスペースに渋谷から浅草に走行する線路を移設する予定である。

 新ホームの供用開始は2019年度を予定しており、それまでに今回の新ホーム設置に向けた線路切り替えのほかに、分岐点(ポイント)設置に向けた準備や、ホームの供用開始のための線路切り替え工事を行なう予定とのことだった。

 公開された工事の模様は、明治通り部の新しい橋梁設置、枕木設置、レールの搬入などを、運休中の銀座線 渋谷駅から見たものとなる。

人員も多く投入された桁ケタを運び込んで設置する作業
枕木の搬入は線路の上、渋谷ヒカリエの北側に設置されたクレーンで行なわれていた
線路の搬入作業風景。長尺物なのでクレーンで吊り上げながら両端に付けられたロープで向きをコントロールしていた
移設のために外されたレールを切断するシーンも見られた
こちらは明治通りのバス乗り場から眺めたレールの搬入風景
明治通り沿いのバス停付近から見上げた作業風景。大型クレーンで桁を吊って搬入しているシーン
大型クレーンで搬入されるレール。両端のロープを引きながら設置位置を調整していた

表参道駅~青山一丁目駅間、溜池山王駅~浅草駅間は折り返し運転

 工事が行なわれた11月5~6日は、表参道駅~青山一丁目駅間、溜池山王駅~浅草駅間が折り返し運転となっていた。

 浅草方面からの電車を溜池山王駅止まりとしたのは折り返し設備の関係。運行本数が少ないながらも表参道駅~青山一丁目駅間も運行したのは、神宮外苑で開催されるイベント訪問客に少しでも迷惑がかからないようにとの配慮とのことだ。

 表参道駅では朝から、普段は見ることのできない行先表示が「青山一丁目」や「表参道」の列車を撮影する鉄道愛好家も多く見かけた。

「青山一丁目」行き電車
ホームにある運休を知らせる掲示
表参道駅の浅草駅方面側のホームに入線する銀座線の車両。このホームに、この向きで列車が入ってくることは通常はない光景
表参道駅を出発する「青山一丁目」行き列車