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クリス・ヘムズワース氏をグローバル大使に迎えた「絶景大陸 オーストラリア」キャンペーン、9月1日からスタート

360度オーストラリアを感じるVRコンテンツを展開、9月22日からの「ツーリズムEXPOジャパン 2016」にも出展

2016年9月1日 発表

 オーストラリア政府観光局は、オーストラリアの海などの景観と水辺での体験を訴求する「絶景大陸 オーストラリア」キャンペーンを、9月1日から開始した。世界遺産でもある世界最大のサンゴ礁群グレート・バリア・リーフをもつオーストラリアのさまざまな水辺の体験を、新しい技術などを使って日本人に向けて発信していくという。キャンペーン初日となる9月1日には、東京・日本橋にあるマンダリンオリエンタル東京で発表会が行なわれた。

東京・日本橋にあるマンダリンオリエンタル東京でキャンペーンの発表会が行なわれた

映画「マイティ・ソー」のクリス・ヘムズワース氏が、キャンペーンのグローバル大使に

オーストラリア政府観光局 ノースアジア地区局長 アンドリュー・ホグ氏

 オーストラリア政府観光局 ノースアジア地区局長のアンドリュー・ホグ氏が登壇し、「『絶景大陸 オーストラリア』キャンペーンをスタートできることを本当にうれしく思います。今回のキャンペーンは、釣りやビーチの散歩、新鮮な現地のシーフードを食べることなど、オーストラリア本来のライフスタイルの体験を、皆さんに提案するためのものです」と挨拶、キャンペーンについて説明した。

 まずオーストラリア政府観光局が、同国の観光面での競争優位性を見極めるために2015年に世界11カ国、1万3200人を対象に行なった調査の結果を紹介した。旅行先を決定するポイントとして、「世界クラスの美しい海岸線、ビーチ、海洋生物」が5番目に重要視されていること、そしてオーストラリア旅行における最大の魅力については「海洋生物」が1位、「ビーチ・海岸線・港」が3位と評価され、水辺にまつわる体験については、ハワイやニュージーランド、カナダ、スイスよりも高い評価を集めていると強調。実際、オーストラリアを訪れる観光客の70%が、なにかしらの水辺の体験をしているという。これらを踏まえ、その魅力をより訴求していくためのキャンペーンであると語った。

 また、本キャンペーンでは、オーストラリア・ビクトリア州出身で、「マイティ・ソー」「アベンジャーズ」「(新)ゴーストバスターズ」などの映画で知られる俳優のクリス・ヘムズワース氏を「キャンペーン・グローバル大使」に任命していることに触れ、クリス・ヘムズワース氏からのビデオレターを紹介した。

オーストラリア政府観光局のキャンペーン・グローバル大使を務める俳優のクリス・ヘムズワース氏からのビデオレターが紹介された

 ビデオレターのなかでクリス・ヘムズワース氏は、ビクトリア州にあるフィリップ島やノーザンテリトリーの自然豊かな美しい場所など、海の近くで生活することが自分の人生とも言えること。魅力的な店やレストランがあるボンダイ・ビーチやゴールド・コーストから、南部の絶景に囲まれたビーチ、素晴らしい野生動物が暮らす静かなビーチまで、オーストラリアの海岸やビーチはバラエティ豊かであることを紹介。「近いうちにオーストラリアでお会いしましょう!」とのメッセージを残した。

360度オーストラリアを疑似体験できるVRコンテンツを用意

本キャンペーンを通じてさまざまな取り組みを行なっていきたいと語ったアンドリュー・ホグ氏

 ビデオレターを受けてアンドリュー・ホグ氏は、そういったオーストラリアの強みである世界クラスの美しい自然環境、水辺の体験を、今回のキャンペーンにおいて、日本をはじめとした世界の皆さんに伝えるためにVR(バーチャル リアリティ)コンテンツを用意したと紹介。VR端末によって360度、オーストラリアの自然の魅力を疑似体験できるという。

 コンテンツはノーザンテリトリーやゴールドコースト、シドニーハーバー、カンガルー島などで撮影され、サーフィンやスキューバダイビングなど17種類が用意され、後日さらに追加予定もある。発表会会場でも体験コーナーが用意され、VRゴーグルでオーストラリアの自然をバーチャル体験できるようになっていた。これらのコンテンツはAndroid/iOS向けにアプリが用意されており、スマートフォンと簡易的なVRゴーグルがあれば、誰でも体験できる。

 また、オーストラリア観光局は9月22日~25日に東京ビッグサイトで開催される旅の祭典「ツーリズムEXPOジャパン 2016」(22~23日:旅行業界向け、24~25日:一般公開)に出展するが、ブースでもこのVR体験コーナーを設ける予定だ。検討段階とのことだが、全国の旅行代理店店頭などにもVR体験コーナーを展開して、オーストラリアの魅力を消費者に伝えていけるようにしたいとのことだ。

 現在日本は、オーストラリアにとって訪問者数では世界6位、訪問者の支出合計では7位と、重要なインバウンド市場の相手国であることに触れ、日本人観光客の訪豪者数は、2015年9月から増加を続けており、2016年前半6カ月の数は、2015年同時期と比較して28%増加しており、この増加が継続することを期待していると話し、最後にオーストラリア観光局の新しい観光プロモーション映像を紹介してプレゼンを終えた。この新しい観光プロモーション映像のナレーションは、キャンペーン・グローバル大使であるクリス・ヘムズワース氏が担当している。

オーストラリア政府観光局が公開している「絶景大陸オーストラリア」キャンペーン動画

治安のよさとたくさんの絶景ポイントが魅力

駐日オーストラリア大使館大使 ブルース・ミラー氏

 続いて登壇した駐日オーストラリア大使館の大使であるブルース・ミラー氏は、「“グローバル大使”のハリウッド俳優ではなく“ただの駐日大使”が登場してごめんなさい」と流暢な日本語で挨拶。オーストラリアには多くの絶景ポイントがあるが、そのなかでも特に水辺にまつわる絶景、例えば透きとおるような海、湖、川など、豊かな自然をもったオーストラリアの魅力を、今回のキャンペーンで再発見していただけると思うと話した。

 アンドリュー・ホグ氏のプレゼン内容に触れつつ、オーストラリアは非常に安全で安心な滞在ができること、日本と時差が少ないこと、大自然に抱かれ、心からリラックスできる環境が無数にあることが観光地としての魅力であると話し、「旅先でのワクワクするような体験と、そこで出迎える人々との触れ合いは、帰国後も皆さんの心に残ることでしょう。日本の皆さんのオーストラリアへの旅行が、単なるバケーションだけでなく、日本とオーストラリアにおける人と人との交流のきっかけになることを望んでいます」と述べた。

オーストラリアのさまざまな魅力をストーリーにして日本の消費者に伝えたい

一般社団法人日本旅行業協会の理事長である志村格氏が乾杯の挨拶

 乾杯の挨拶では、JATA(日本旅行業協会)の理事長である志村格氏が登壇。アンドリュー・ホグ氏がオーストラリアに行く日本人は28%増であると話していたが、日本人の海外渡航者数は4.5%増なので、オーストラリアは観光地として日本でもブレイクしていると言っていいのではないか。2010年にオーストラリアへの観光キャンペーンが大々的にスタートして、オーストラリアの新しい魅力が日本の旅行業界に認知され、消費者に認知され、また航空便の増加などがあってのことだと思うと説明。

 本キャンペーンで紹介されているように、オーストラリアにはたくさんの魅力的なコンテンツがあるが、それをストーリーにすることが日本の旅行業界の大事な役目。エアラインなど各企業とも協力して、これらの魅力を旅行商品にしていきたいと述べ、「乾杯!」の発声を行なった。

発表会会場では、VRコンテンツの体験コーナーが設けられていた
ノーザンテリトリーやゴールドコースト、シドニーハーバー、カンガルー島などで撮影され、サーフィンやスキューバダイビングなど17種類のVRコンテンツが用意されている
会場に用意されたVRゴーグルはスマートフォンと組み合わせるタイプのもの。専用アプリを手持ちのスマートフォンにインストールしてVRゴーグルと組み合わせることで、誰でも本キャンペーンのVRコンテンツを楽しめるようになっている
会場では今回の発表会を記念した寄せ書き用のサーフボードが用意されていた
集まった寄せ書きに対して感謝を述べるアンドリュー・ホグ氏。このサーフボードはオーストラリア政府観光局の東京事務所に飾り、イベントなどなにかの折には展示もしたいとのことだ