旅レポ

毎日が感動でいっぱい!アウドドア天国ニュージーランドの旅(その4)

国内屈指の観光地クィーンズタウンはアクティビティのメッカですの編

 ニュージーランドツアーレポートもいよいよ最終回。原稿を書き終えるまでが旅と思ってやってきたので、これで終わってしまうのかと思うと寂しいのですが、今回もたっぷりの写真とともにお伝えしますのでぜひ最後までご覧くださいませね。というわけで、旅のラストはニュージーランド屈指の観光地クィーンズタウン。“女王が住むのにふさわしい街”としてその名が付いた美しい街は、まさにアクティビティ天国! ウィンターシーズン真っ盛りの7月、8月は、世界中からスキーヤーやスノーボーダーが訪れてますよ。

数百m四方の範囲でレストランや土産物店が軒を連ねているので徒歩でまわるのにちょうどよいサイズ
のんびりしたリゾート地といった雰囲気。ウォーターフロントの散策も楽しい

ゴンドラに乗って街を一望できるボブズ・ヒルへ

 まずはゴンドラに乗って、街並みを眼下に見下ろせる標高440mのボブズ・ヒルへ。展望台からは絵葉書のような景色を望めます。素晴らしすぎでどこにレンズを向ければよいのか迷うほど。山頂には絶景を眺めながら食事ができるレストランがあるほか、リュージュやジップトレックといったアクティビティも楽しめるようです。

スカイライン・ゴンドラに乗って10分ほどで山のてっぺんへ
ご覧ください、この雄大なパノラマ!
突き出た半島にあるのはクィーンズタウン・ゴルフコース
こんなところにバンジージャンプ台も!

行きも帰りもスリル満点のジェットボート! LOTRのロケ地も

 1800年代に金が発見されたことでゴールドラッシュに沸いたクィーンズタウン。当時は世界中から一攫千金を狙って人があふれたそうです。スキッパーズ・キャニオンという大峡谷はその金発掘の舞台となった場所。その峡谷を縫うように流れるショットオーバー川までの細くて険しい道路は「スキッパーズ・ロード」と呼ばれ、岩盤を削って人力で作ったものなんだそう。今でも当時のまま残るその険しいダート道を通って行くアクティビティが「ショットオーバー川でのジェットボート」です。ジェットボートはもちろんアドレナリン全開だったのですが、私はそれと同じくらいこのスキッパーズ・ロードがハラハラ・ドキドキでした。しかしクルマに乗っているだけでスリルを味わえるこの国って一体……。

大きな4WD車に乗って迎えに来たツアードライバーさん
オーストラリア・アーミーが使っているのと同じ丈夫な車らしい
車幅ギリギリ! 舗装されていない細い山道を進みます
当時の人々が削ったままで残っているところがスゴイ
この道、本当に怖い! 落ちたら谷底! ドライバーさんに命を預けています

 救命胴衣を装着して、水対策もバッチリで乗り込んだジェットボート。カメラは自己責任で持ち込んでよいということだったので、落とさないようにしっかりホールドして撮影に臨みました。岩と岩の狭いところをすごいスピードで走ったり、川幅の広い場所では360度スピンなどスリル満点! 斜め後ろに座っていたインド人のお父さんの「ぅおおおおーーー!」という叫び声が忘れられません。

ヒヤヒヤしながらも川に到着。そして間髪入れずジェットボートに乗り込む
スタート直後から急発進っ! ぎゃぁぁぁ
運わるく(よく?)運転手さんのすぐ後ろに乗ってしまった私
うわーーー!!!
水がぁぁぁーーー!!!
そっ、そんな細いところ行くですのー!?

 さて、映画「ロード・オブ・ザ・リング」ファンの皆さまお待たせしました(え? 待ってない?)。突然ですがロケ地ご紹介です。実はここ、1作目「旅の仲間」でリブ・タイラー演じるアルウェンが、ナズグルに刺されたフロドを馬に乗せて黒の乗手から逃げるシーンが撮影された場所なんですの。浅瀬を渡ったアルウェンがエルフの呪文(?)を唱えて激流を起こし、黒の乗手を撃退したあのシーンはここで撮影されていたんですね~。

なんとここも「ロード・オブ・ザ・リング」のロケ地だった
「このシーンだよ」と説明がありました
ショットオーバー川の大峡谷を上から眺めるの図
今は閉鎖されていますが、かつてはここにバンジージャンプ台も
クィーンズタウンの街に戻るときに見えたこの風景がお気に入り
スキッパーズ・キャニオン・ジェット

料金:ジェットボートツアー 145NZドル(約1万1000円、1NZドル=約74円換算)
所要時間:約3時間(ホテルピックアップ~戻ってくるまで)
TEL:+64-3442-9434
Webサイト:スキッパーズ・キャニオン・ジェット(英文)

クィーンズタウンで大人気の「ファーグバーガー」

 ジェットボートから戻ったら、人気のハンバーガー屋さん「ファーグバーガー(FERGBURGER)」で腹ごしらえ。こちらのお店、各国のメディアに紹介されるほどの有名店なんだそう。なるほど行ってみると長い行列ができていました。20種類ほどあるハンバーガー、ここはニュージーランドっぽくラム肉が入ったものにしようか、それとも話のネタに鹿肉にしようかな? と悩んだわりには無難なチーズバーガーに。食べてみるとボリューム満点というのはもちろんですが、手作り感があってバンズやお肉など素材そのものの味がいいんですの。これは美味しい♪ たかがハンバーガーとあなどるなかれ!

 ちなみに一番高いのはプライム・ニュージーランド産リブアイステーキ肉200gが入った「The Bulls Eye」というハンバーガーで、お値段18.50NZドル(約1370円)。ステーキが入ってこのお値段は安いですわよね? このファーグバーガー、ほかの都市や海外に2号店、3号店などはなく、食べられるのはここニュージーランドのクィーンズタウンのみ。そう思ったら少し並んででも食べてみたくなりませんか?

お隣のファーグ・ベーカリーで焼いたバンズを使用。そのベーカリーも大繁盛な様子でした
ずしりと重い! 包み紙がおしゃれです
チェダーチーズのファーグバーガー(12.50NZドル、約925円)
FERGBURGER

所在地:42 Shotover Street Queenstown
営業時間:8時~17時(毎日営業)
TEL:+64-3441-3528
Webサイト:FERGBURGER(英文)

スピリット・オブ・クィーンズタウン号で行くマウント・ニコラス高原牧場

 クィーンズタウンでの次なるアクティビティは「マウント・ニコラス・ファーム・エクスペリエンス」。簡単に言うと牧場見学ツアーです。ワカティプ湖西岸にあるマウント・ニコラス高原牧場までは絶景の湖上クルーズです。

アクティビティパスを持っていざ!
乗り込んだのは、このスピリット・オブ・クィーンズタウン号
船上から見えた“ハイドロアタック”という2人乗りのジェットボート。80km/hで水面を走行、5mほどジャンプもできて水中にも潜れるという最新アクティビティだそうです。面白そう!
船から見える美しい景色にシャッター押しまくりで休むヒマなし
クルーズ中はデッキで風に吹かれるもよし、船内でくつろぐもよし
45分ほどでマウント・ニコラス高原牧場に到着。船を降ります

 マウント・ニコラス高原牧場は、4万ヘクタールという想像もつかない敷地面積を持つ家族経営の牧場。2万9000頭いるというメリノ羊から採れる上質なメリノウールは、ニュージーランドのアウトドアウェア・ブランド「アイスブレーカー(Icebreaker)」に納品されています。

 ちなみにウールのなかでも最高品質と言われるメリノウールは肌触りがよいことが特徴で、素肌に着てもチクチクすることなくしっとりと肌になじむんだそう。アイスブレーカーの店舗はニュージーランド国内にたくさんあって、日本でも登山用品店などで購入できますよ。

クィーンズタウン空港にあった「アイスブレーカー(Icebreaker)」の店舗
このおじさんが牧羊犬と共に案内してくれました
こんなかわいい子豚ちゃんもいました
もっこもこの羊たちが餌を求めてやってきた
メリノ羊さんの正面顔
刈り取ったばかりのメリノウール。ふわふわだけど少しベタベタ
毛刈りの様子も見学できます
次はこのマイクロバスで広い牧場内を移動

 お次はマイクロバスで移動して湖畔のビュースポットへ。はるか遠くにはワカティプ湖の一番奥に位置するグレノーキー方面が見えました。

 さて、ここで再び「ロード・オブ・ザ・リング」ファンの皆さまお待たせしました! そのグレノーキーという小さな街ですが、実はここもロケ地として有名な場所なんですの。魔法使いサルマンの居城アイゼンガルドや、ボロミアの最期の地アモンヘン、ロスロリアンの森、それからボビット2作目で登場したビヨルンの家もこちらで撮影されました。「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズだけでなく、「X-MEN ZERO」でウルヴァリンがヘリコプターと戦うシーンもここグレノーキーだったりと、数々の有名作品で登場しているロケ撮影のメッカなんですの。

 そんなグレノーキーへはクィーンズタウンからクルマで1時間弱。湖畔沿いを走る道路は素晴らしいシーニック・ロードとなっていてドライブもオススメなんだとか。ロケ地ツアーもさまざまなものが用意されていて、なかには馬に乗りながらロケ地を巡るなんていうものもあるようです。楽しそう~♪

こんな環境で育つ羊たちがうらやましい
さまざまな映画のロケ地になっているグレノーキー方面を遠望。いつか行ってみたい!
鳥のさえずりしか聞こえない静寂の世界で人生について考える
「X-MEN ZERO」の撮影で来ていたヒュー・ジャックマンに会ったわよと話してくれたFranさん
シーニック・クルーズ&マウント・ニコラス・ファーム・エクスペリエンス

料金:75NZドル(約5600円)
所要時間:3時間45分
TEL:+64-3441-1137(サザン・ディスカバリー)、+64-3409-0718(マウント・ニコラス・ファーム)
Webサイト:サザン・ディスカバリー(英文)、マウント・ニコラス・ファーム(英文)

予約必須の超人気ワイナリー「アミスフィールド」で贅沢ランチ

ロケーションが素晴らしいアミスフィールド

 近年ニュージーランドは上質なワインの産地としても知られるようになってきました。クィーンズタウンを含むセントラル・オタゴ地域は寒暖の差が激しい内陸性気候を活かしてワインの生産が盛んで、レストランを併設するワイナリーが各地にあります。今回はクィーンズタウン中心部からクルマで15分ほどの所にある「アミスフィールド」でシェフのおすすめランチ(75NZドル、約5600円)をたっぷりと時間をかけていただきました。たぶん私の人生史上、最も時間をかけて食べた贅沢ランチ! あぁ思い出すだけでもよだれが……。

こんな景色を眺めながら飲むワイン、美味しくないワケがないですの
重厚な石造りの感じがとってもよい感じ
スタッフの人もフレンドリーで居心地のよい店内

 最初に飲んだのは50%シャルドネ、50%ピノ・ノワールで、ここアミスフィールドでしか飲めないというスパークリングで写真を撮るのも忘れるほど美味でした(本当に撮り忘れました)。イギリスのウィリアム王子とキャサリン妃も数年前のニュージーランド滞在中に訪れたという「アミスフィールド」、とにかく地元でも人気のビストロなので予約は必ずしてから行って下さいませね。もしかしたらお忍びで来ているセレブに会えちゃったりするかも???

この日のシェフのおまかせコース
今でも時々思い出すデザートの絶品スフレ
暖炉の前で飲む赤ワイン、最高でした

「ニュージーランド産の素材をできるだけフレッシュな状態でシンプルにご提供しています。それができる環境がここにはあるのです」と最後に挨拶に来てくださったシェフの言葉に納得。いつかまた絶対に行きたい(そしてあのスフレをまた食べたい!)。素敵なワイナリーでした。

アミスフィールド・ワイナリー&ビストロ

所在地:9371 Queenstown 10 Lake Hayes Road
TEL:+64 3-442-0556
Webサイト:アミスフィールド・ワイナリー&ビストロ(英文)

古きよき時代そのままの小さな街・アロータウン

 クィーンズタウンからクルマで20分ほどのところにあるアロータウンは、かつてゴールドラッシュで賑わった街。ノスタルジックな雰囲気の残るこの小さな街は秋(4月頃)に黄金色の輝く紅葉が見事なことでも知られています。かわいらしいカフェやお土産屋さんが並ぶメインストリートを歩いているとタイムスリップしたかのような感覚になりますよ。

 また、毎年行なわれている「アロータウン・オータムフェスティバル」では、市内でさまざまなイベントが行なわれるそうです(2017年は4月20日~25日に予定されています)。

夕暮れ時のアロータウン。空がピンク色に染まって不思議な光景でした
小さいお店が軒を連ねるメインストリート、といってもすごく短い
郵便局にエリザベス女王の顔ハメ看板があったのにはびっくり

クラウンプラザ・クィーンズタウン

 今回クィーンズタウンで泊まったホテルは、ワカティプ湖の目に前に建つ「クラウンプラザ・クィーンズタウン」。街の中心部にあるとても便利な立地でした。日本人スタッフがいるので、クィーンズタウン発着のツアー申し込みなどのときに相談できるのは心強いですわね。

カーテン越しに見えた朝焼けが気になってバルコニーへ
寒いっ! まだ日が昇りません
お部屋はこんな感じ。日本人観光客にもよく利用されているようです
レイクビューなので2階のお部屋からもこの景色

ローカル気分を味わうクィーンズタウンのナイトライフ

 ナイトライフといっても昼間めいっぱいアクティビティをやって遊んでいるので、夜通し飲み歩くなんて体力は残っていなかったのですが、それでも地元の人が行くようなパブでビールを飲みたいねということになり、行ってみました。ホテルから歩いて2分!(笑)

「Atlas Beer cafe」というお店です。小さいお店なのですが活気があって雰囲気が最高。豪快なフィッシュ・アンド・チップスをビールで美味しくいただきました。

いかにも外国!って雰囲気がカッコよい
皆スタンディングで飲んでいます
フィッシュ・アンド・チップス、ど~ん
街には、ほかにもよい感じのパブが何軒もあります

ニュージーランドのお土産事情

 今までのツアーレポートでまったくお土産のことに触れなかったのは(ホビトンのニット帽除く)、買わなかったわけではなく、ゆっくり見て買う時間がなかったからなんですの。で、ようやくクィーンズタウンでショッピングの時間がとれたので色々見てまわりました。

アロータウン、クィーンズタウン、クィーンズタウン空港と3店舗ある「リマーカブル・スイート・ショップ」
FUDGE(ファッジ)という脳天直撃系の甘いお菓子。100gを500円ほどで量り売りしていて常温で2カ月OKなのでお土産にもGood

 ニュージーランド人はグミが好き(だと思う)。それも日本のグミのように果汁100%とかの爽やか系ではなく、脳天直撃の甘い系がほとんど。「リマーカブル・スイート・ショップ」にはそんなグミの入った瓶が壁一面に並んでいました。実はファッジもそうなのですが言えば試食させてもらえるんですの。ということを知った翌日、再びお店を覗いた私は通っぽく「ちょっとこれTryさせて」と試食。もちろんお買い上げしましたわ。

種類豊富なグミずらり。面白い形のものがたくさんあります
最後の最後まで連れて帰ろうか迷ったアルパカちゃんはスーツケースに入らなさそうだったので断念
お土産選びに迷ったらファーマシーに行くべし!
トリロジー、エヴォル、アンティポディースなどニュージーランド発のオーガニックコスメコーナーが充実していました
買ってきたものご紹介(ホテルなどでもらったもの一部含む)。エア・サファリTシャツは甥っ子達に。グミやらチーズやらチョコレートやら食べるものはすべて自分用
リマーカブル・スイート・ショップ

Webサイト:リマーカブル・スイート・ショップ(英文)

 4回にわたってお送りしてきたツアーレポート、いかがだったでしょうか。ニュージーランドにはまだまだ魅力的な観光地や街がたくさんあります。温泉で有名なロトルアや、歴史的建造物が数多く残るダニーデン、景勝地として知られる世界遺産ミルフォード・サウンド、カフェの街として知られる首都ウェリントン……。日本より狭い国土ながら、実にさまざまな表情を見せてくれることにびっくりです。

 ドライブ、ゴルフ、釣り、トレッキング、星、ワイン、オーガニック、映画……などなど、さまざまな◯◯好きに胸をはってオススメできるディスティネーション、それがニュージーランドなのです。皆さまも次の旅行先リストに加えてみてはいかがでしょうか。きっと思っている以上の感動が待っているはずですわ~!

ゆきぴゅー

長野生まれの長野育ち。2001年に上京し、デジカメライター兼カメラマンのお弟子さんとして怒涛の日々を送るかたわら、絵日記でポンチ絵を描き始める。独立後はイラストレーターとライターを足して2で割った“イラストライター”として、雑誌やWeb連載のほか、企業広告などのイメージキャラクター制作なども手がける。