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早春の西伊豆町、日本一の夕陽とジオサイトを訪ねて

堂ヶ島に沈む夕陽を4K映像で。係船釣りにも挑戦

雲一つない見事な青空に恵まれた2月のドライブ、まずは堂ヶ島温泉ホテルに到着

堂ヶ島温泉から日本一の夕陽を鑑賞

 早春といってもまだ肌寒さが残る2月末、「日本一の夕陽」が見られるという西伊豆町を訪ねた。

 ドライブ旅行好きな筆者はクルマで向かったのだが、圏央道の開通により八王子やさいたま方面からも渋滞を避けて伊豆方面まで走ることができ、所要時間も大幅に短縮されたことはありがたい。

 当日は雲一つない日本晴れ。抜けるような青空に恵まれ、夕陽への期待も高まる。伊豆縦貫自動車道を駆け抜け、海沿いを15分ほどドライブすれば西伊豆町に入る。

 日本一の夕陽を楽しむ絶景ポイントを求め、堂ヶ島温泉ホテルへ宿泊。オーシャンビューの客室からは駿河湾が一望でき、さまざまな島や岩が連なる堂ヶ島のなかでも象徴的な存在と言える「三四郎島」も正面に位置する。

 天候がよい日は、ホテル前の庭園に出れば潮風と波の音を体いっぱいに堪能できる。

ホテルからビーチへ向かう途中にある大浴場は、100%の源泉かけ流し天然温泉。大理石の浴槽を満たす泉質は、なめらかでクセがなく爽快
目の前の庭園は「瀬浜ビーチ」へと続く。気の早い海水浴客は6月下旬から泳ぎ出すとか

 当日、日の入り時刻は17時半過ぎ。一面の青空が徐々に赤く染まり、もはや説明は無粋というもの。

 ぜひ現地を訪れ、自身の網膜に焼き付けてほしい。

西伊豆町 堂ヶ島の夕陽 30秒(50倍速) [4K]
西伊豆町 堂ヶ島の夕陽 25分 [4K]
お造り、金目鯛の煮付け、鮑の酒蒸し、牛ステーキなどを含む海鮮会席料理。美食を楽しみ、夕陽を思い出し、盃も進む
干潮時に海面が下がり陸地と島を往来できる「堂ヶ島トンボロ現象」は、静岡県の天然記念物に指定されている
朝御飯の例。小鉢をつまみつつ、鉄板で鯵の一夜干しをパリッと焼き上げる
堂ヶ島温泉ホテル

所在地:〒410-3514 静岡県賀茂郡西伊豆町仁科2960
TEL:0558-52-0275
URL:http://www.doh.co.jp/

廃校を利用した宿泊施設「やまびこ荘」

 堂ヶ島から山側に折れ、仁科川沿いを走ると山村「大沢里地区」がある。水力発電所や採石場が見えるあたりは渓流釣りのポイントでもあり、解禁期には太公望が集まるそうだ。

海沿いの国道136号から仁科川沿いの県道59号を登る。思いのほか住宅は多い
水力発電施設に通じる吊り橋と、周辺の様子

 1873年(明治6年)、大沢里地区に「旧浜村 明倫館支校白川舎勤廉舎」として開校した歴史を持つ旧大沢里小学校。1942年(昭和17年)、241名の生徒数をピークに生徒数の減少が続き、1973年(昭和48年)に統合閉校。地元住民の強い要望により校舎を再利用して作られた宿泊施設が「やまびこ荘」だ。1976年(昭和51年)にオープンし、2011年(平成23年)に耐震補強などリニューアル工事を実施。

 旧大沢里小学校の面影が深く残るだけでなく、施設スタッフの多くが卒業生だという。昭和の山村と廃校舎、ノスタルジーに浸れるスポットとして実に興味深い。

在りし日の旧大沢里小学校が忍ばれる「やまびこ荘」。雰囲気をそのままにリノベーションされている
耐震性や快適性は現代的に。旧校舎そのままの梁が味わい深い
その昔、ここを多くの子供たちが走り回っていた
……ご愛敬(笑)
水まわり施設は平成23年のリニューアルで一新。檜風呂、岩風呂ともに天然かけ流し温泉100%
新校舎落成記念の掛け時計
当時のままの梁に新しい木材を臍(ほぞ)組みして修復
温水プールならぬ「温泉」プール、別名「でっかい露天風呂」
バーベキュー施設もあり夏場は多くの宿泊客で賑わう
小学生に戻った気分で野鳥観察も
懐かしい
山村の静寂に包まれる。ちなみに携帯電話の電波強度は3キャリアともに完璧
西伊豆町営「やまびこ荘」

所在地:〒410-3511 静岡県賀茂郡西伊豆町大沢里150
TEL:0558-58-7153
URL:http://nishiizu-yamabiko.com/

西伊豆 安良里魚港「係船釣り」

 筆者は釣りを少々嗜み、もっぱら岸壁や磯場でフカセ釣りを楽しんでいる。もちろん良型を狙うにはそれなりの道具と準備と経験が必要で、特に磯釣りとなるとファミリーや初心者が楽しむには少々ハードルが高い。そこで、ファミリーが安全かつ手軽に海釣りを楽しめて、いつもの岸壁よりサイズアップが望めるのが「係船釣り」だ。

 湾内の安定した場所に船を係留しているため揺れが少なく、岸壁からわずか2分でいつでも送迎してくれる。

国道136号にある安良里港の案内
国道136号沿いから安良里港を望む
筆者ファミリーは岸壁釣りで何度も立ち寄っている安良里港
駐車場から受付までは徒歩15秒と至近
受付前から係船までの所要時間も約2分と至近

 3月から4月になれば、グレ(メジナ)、小アジ、小サバなどのシーズンが始まり、より大型の回遊魚も狙えるようになる。

 朝9時から15時まで楽しむことができ、貸し竿、氷、発泡スチロールなども販売されていて、手ぶらで行っても問題ない。取材当日は2月で気温水温ともに低く、スケジュールの都合で中潮日のちょうど潮止まりの時間帯に60分だけ様子を見ることとなった。

 釣りをされる方であればご理解いただけるだろうが、普通ならば「休憩して昼食でも取ろうか」となる時間帯であり、また日を改めてチャレンジしてみたい。

船釣りをまったくやらない筆者は、持参した磯竿にファミリー用サビキを付けてやったみた
係船には屋根があるが、船首と船尾部分であればフルキャストも可能
低水温、中潮、潮止まり、気圧上昇、60分1本勝負という無謀な挑戦
次回はゆっくり楽しみたい
安良里漁港・係船釣り(伊豆漁業協同組合 安良里支所)

所在地:〒410-3502 静岡県賀茂郡西伊豆町安良里655-6
TEL:0558-56-0201
URL:http://nishiizu-kankou.com/playing/2014/10/post_38.php

駿河湾の恵みをランチで堪能

 昼食は、堂ヶ島遊覧船乗り場付近にある「瀬浜寿司」で駿河湾の海の幸を堪能。

 ご主人とのトークを楽しみつつ、舌鼓を打つ。

暖かく、とろける。絶妙。白子ポン酢
地魚にぎり「堂ヶ島」。平目、金目、ヤリイカ、鯵、生しらす、タコ、アワビ、マグロ赤身。マグロ以外はすべて駿河湾産
金目鯛の煮付け。素材の旨みをしっかり引き出した逸品
瀬浜寿司

所在地:〒410-3514 西伊豆町仁科堂ヶ島2909-10
TEL:0558-52-0124

堂ヶ島の洞窟めぐり遊覧船

 堂ヶ島と言えば、定番の「洞窟めぐり遊覧船」は外せない。

 西伊豆は海底火山時代の地層を間近に観察できるエリアでもあり、特に西伊豆町周辺には「仁科層群」と呼ばれる伊豆半島最古=約2000万年前の地層が唯一分布しているそうだ。

 遊覧船は「洞窟めぐり」「堂ヶ島クルーズ」「千貫門クルーズ」「ジオサイトクルーズ」と4つのコースがあるが、今回は15分前後の「洞窟めぐり」コースを体験。

 西伊豆には家族で何度も旅行に来ているが、「ジオサイト」に注目して遊覧船に乗ると、改めてさまざまな発見があることに驚かされた。

遊覧船の乗船券発売所。コースや見所なども調べられる
遊覧船、出航。室内から楽しむもよし、ライフジャケットを装着してデッキで楽しむもよし
ジオサイト、仁科層群、2000万年前、海底火山。ちょっと知識を仕入れてから乗ると、また違う楽しみがある
遊覧船から見た、堂ヶ島温泉ホテル
「堂ヶ島」という島があるわけではなく、点在する島や岩の総称が堂ヶ島。これらの島々、それぞれに名前がある
遊覧船は運航間隔が短いため、いつでもサッと乗って楽しむことができる
洞窟めぐり遊覧船(堂ヶ島マリン)

所在地:〒410-3514 静岡県賀茂郡西伊豆町仁科2060
TEL:0558-52-0013
URL:http://www.izudougasima-yuransen.com/

静岡県指定天然記念物 黄金崎

 帰路、黄金崎にも立ち寄る。2日目は曇天のため夕陽は少しも顔を出さなかったが、温泉成分や地熱によって変色したという岩肌は、不思議な魅力がある。

 観光バスの一行から「今回は夕陽が見えなくて残念だったね~」という声が漏れていたが、だからこそ、何度も訪れたくなるのかも知れない。

次回の旅では、夕陽を浴びて輝く黄金崎に出会えるだろうか
航海王 伊豆の伊三郎像。これまで何度夕陽を見てきたのだろう
西伊豆はさまざまな種類の桜を、比較的長い期間楽しめる
こちらも美味しそうだ

諦めきれず、岸壁でもう一度釣ってみる(笑)

帰路、田子漁港に立ち寄る

 通常ならここで記事を締めるところだが、これまで釣りに出かけてボウズ(まったく釣れない、または、狙った魚が釣れないの意)で帰ったことが一度もない筆者。

 帰路途中に田子漁港の案内を見かけ、岸壁から再度60分1本勝負をかけてみた。

10分経過、残り50分。いつもなら棚を探り、遠投カゴを投げてみるポイントだが、今日はそんな悠長なことはやっていられない
長い磯竿とスピニングリールで、足下の根魚を狙い、磯釣りのウェアを着て、足下はスニーカー(いろいろおかしい)という時点で、見る人が見れば「あ、とりあえず、どうしても1匹必要なのね」と分かるはず(恥
カサゴ(小)ゲット
心の声:バリでもゴンズイでも何でもよいからサイズアップ……
メバル(極小)ゲット
カサゴ(小)ゲット
……ボウズ回避成功。よかった。本当によかった
海鳥は本当にすごい。一瞬で魚をゲット

日本一の夕陽に、説明は不要。

Photo:高橋 学

石岡宣慶

Movie:石岡宣慶