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SUV専用プレミアムタイヤで癒やしのドライブ旅。静粛性に優れる「ALENZA LX100」で訪れたラグジュアリーな軽井沢ステイ

ブリヂストンのSUV専用設計プレミアムタイヤ「ALENZA LX100」で軽井沢を旅する

 自動車媒体界隈にいると、近年は日帰り仕事で訪れることが当たり前になっていた軽井沢。泊まったのは何十年ぶりだろうか。新幹線や上信越自動車道の充実した今でも、軽井沢は都心から少し離れた避暑地であることに変わりはないのだが、普段から国内であれば日帰りが当然という極端な生活を送っている特殊な僕にとって、今回体験した現代の軽井沢の高級リゾートはなかなか衝撃的だった。

 日常から完全に切り離され、まるで異国に迷い込んだかに思える空間ながらも、至れり尽くせりの食事があり、静寂に包まれた客室ありと、心のなかがスッと洗い流されて、肩の力が自然と抜けていくかのようなリラックス感を得られる。

 そのシチュエーションにどこか似ているのが、ともに旅をしたボルボの最上級SUVであるXC90と、ブリヂストンのSUV専用設計のプレミアムタイヤ「ALENZA(アレンザ)」の組み合わせだ。ALENZAには運動性能を重視したスポーツ寄りの「001」と、静粛性が高くコンフォート性能重視の「LX100」という2つのラインがあるが、XC90に装着したのは後者のLX100。

 優雅さを体現した乗り味のXC90に、快適性や静粛性に特化したLX100のコラボレーションは、至れり尽くせりのファーストクラスに乗っているかのような感覚に陥る。もちろん、運転はするのは自分だが、それがまったく苦にならない。

いつもより贅沢な旅をプレミアムタイヤが心地よく演出する

ALENZAはブリヂストンが手がけるSUV専用設計のプレミアムタイヤで、運動性能を重視した「001」と静粛性を重視した「LX100」の2つのラインアップがある。今回の旅でXC90に組み合わせたのはLX100。2トンを超える重量のある車体をしっかり支えつつ、路面からの騒音を抑えるテクノロジーを盛り込んでいる
静粛性のヒミツはこのトレッドパターンにある。タイヤが路面に接触することでノイズが発生するのは避けられないが、LX100は中央アウト寄りとイン寄りに2つの異なる形状のグルーブ(谷になっている部分)を設けることで高周波のノイズを抑える「3Dノイズ抑制グルーブ」を搭載。さらにタイヤのイン側にはトレッド面の振動を側面に伝えにくくする「3Dノイズカットデザイン」を採用して低~中周波を低減。2つのノイズ抑制技術で高い静粛性を実現している
ロードノイズの少なさは、車内での話しやすさにつながる。SUVだからこそ複数人で乗車することもあるだろうが、声を張らなくても話を聞き取りやすいというのは、ドライブ旅では実はかなり重要な要素

 いつもなら気になる荒れた路面を見事に吸収し、そこから車室内に飛び込んでくるはずの音までもシャットアウトすることは、実はそう簡単なことじゃない。現代のSUVはどれも重量級で、それを支えるには頑丈なタイヤが必要になってくるからだ。すると無骨になり、ゴロゴロとした感触になるのは誰でも想像が付くところだろう。

 最近ではタイヤの特許を多く有していることが話題になったブリヂストンの技術は、そんな無理難題を克服。LX100は頑丈でしっかりと走りながらも、騒音を消して凹凸を吸収してみせてくれたのだ。これまで、セダンやミニバン向けに展開しているプレミアムタイヤ「REGNO(レグノ)」でこうした世界観を見せてくれていたブリヂストン。だが、時代が変化し、SUVがかつてのセダンのようにスタンダードとなった現代にキチンと合わせてきたところはさすがだ。

LX100はブロック剛性の最適化で高い耐摩耗性能を実現しているが、摩耗が進んでも隠れていたグルーブ形状が姿を現わし、高周波ノイズを適切に抑えてくれる。パターンに採用したこの「シークレットグルーブ」のおかげで、タイヤが摩耗しても新品時に迫るノイズ抑制効果を維持してくれるのだ
軽井沢市街から鬼押ハイウェーを通って鬼押出し園に到着。比較的まっすぐな道の多いエリアで、穏やかな乗り味を楽しめた

 考えてみればSUVの進化もかなりのものだ。かつて4WDでリゾートに向かうといえば、エンジンはガラガラと音を立てて、ボディはミシミシユサユサ。乗り心地なんて二の次だったことを思い出す。高速走行を苦手としてクルージングも不得手。ワインディングロードに来れば、登坂車線のお世話になることもしばしばあったと記憶する。

 だが、現代のボルボ XC90にはそんなイメージは皆無だ。静かで乗り心地もよく、しかも力強くてクルージングもおまかせ。エンジンもボディも足回りも地道に進化した現代のSUVに、かつてのイメージは皆無。技術者の苦労があってこそ、ここまで来られたのは間違いない。

独創的なテーマで非日常を提供するラグジュアリーホテル「星のや軽井沢」に逗留。エントランスの駐車場でクルマを降りて、敷地内をホテルの専用車に乗り換えて進むと、通りの喧噪から完全に切り離された非日常の空間が姿を現わす
客室は1棟単位、という独立した作り。チェックインも客室のなかで行なうため、プライベート感満点だ
6月~8月に実施している敷地内のアクティビティ「緑陰散歩」。緑の濃くなる季節に庭園を散歩して、好きなところで涼菓を楽しむという、なんとも優雅な時間だ
丁寧な細工が光る和菓子が竹のかごに入って提供される。日差しを避けた席を探して、冷たい緑茶と涼菓を合わせていただくのがたまらない
静寂に包まれて日が暮れていくのを見つめる。「何もしないをする」という贅沢
翌朝いただく朝食は、せせらぎを臨むテラスで。朝からしっかり食べると1日を元気に過ごせそうだ

 この日の滞在先は、谷の集落に滞在するがコンセプトのラグジュアリーホテル「星のや軽井沢」。クルマ通りの多いエントランス付近の道から奥まった森のなかに1棟建ての客室が立ち並ぶ、大人のための隠れ家的立地の宿だ。

 こうしたホテルでも、また裏での苦労が見えてくる。昨今の温暖化により軽井沢であっても避暑地であるとは言い難い状況になってきたと聞く。一般的なホテルではかつては要らなかったエアコンを投入することでそれに対処しようとしているが、ここではそれだけに頼ってはいない。水辺を作り、緑を多くして、直射日光をできるだけ避け、風通しのよさで対処。環境の作り込みを行なうことで、暑さに対して向き合っているように感じた。

 これはどこか、ALENZA LX100に通じている。興味のない人から見れば黒くて丸いただのゴムなのだろうが、内部の構造から素材の組み合わせ、さらには溝の切り方まで含めて、ブリヂストンの開発陣が乗り味や音に対して真摯に向き合っているのだ。

 すなわち、プレミアムとは多くの人々の緻密なまでの創意工夫から成り立っている。だからこそ心に響き、心地よく、心底疲れを癒してくれるのだろう。

LX100の穏やかな走りなら、滞在先で得た活力をそのまま東京へ持って帰れそうだ

撮影協力:ボルボ・カー・ジャパン、星のや軽井沢、鬼押・万座ハイウェー