若林直樹のトラベルフォトギャラリー
六角堂と五浦海岸(茨城県)
2021年7月3日 08:00
福島県との県境に位置する北茨城市にある五浦海岸は、「関東の松島」と言われる景勝地だ。
その小さな半島の先端に六角堂がある。六角堂は明治時代に美術学者・岡倉天心が設計し建築された小さな思想の場だ。五浦海岸で最も景色のよいところに建っているが、残念なことに東日本大震災で津波に流され消失した。現在ある六角堂は、寄付によって翌年に再建されたものだ。岡倉天心はボストン美術館に行き来するとともにこの地に日本美術院を移し創作活動をしている。当時の建物もあり、映画「天心」やテレビドラマの撮影地にもなっている。
五浦海岸は5つの小さな浦を称して五浦(いずら)と読み、太平洋の荒波で浸食されて荒々しい地層の見える崖を多く形成している。この特徴的地質と美術史に残る歴史や戦争(風船爆弾放球地)など、当時を思い散策しながら風景を楽しめる場所だ。
アクセスは、クルマなら常磐自動車道 北茨城IC/いわき勿来ICから約15分。電車ではJR常磐線 大津港駅からタクシーで約10分ほど(バスは1日4本ほどあるようだ)。北にはきれいな砂浜とエメラルドの海が広がる長浜海岸(海水浴場化工事中)が違った景色を見せてくれている。周辺には温泉民宿もある。そして南には大津魚港があり、市場食堂で美味しい海の幸を食べることができる。
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