車中泊の拠点 RVパークを訪ねる

猪苗代湖畔の閉校になった小学校校庭で車中泊できるRVパークに泊まってみた

RVパーク Roots猪苗代 School Area

閉校になった小学校の校庭で車中泊というユニークな体験ができるRVパーク Roots猪苗代 School Areaへ行ってきた

 今回利用したのは福島県の猪苗代湖近くにある「RVパーク Roots猪苗代 School Area」(福島県耶麻郡猪苗代町山潟港志田191)だ。猪苗代湖に沿って走る国道49号線沿いにある。

 RVパーク Roots猪苗代は、閉校になった小学校を改装した観光施設「Roots猪苗代」の駐車場に泊まるもので、3台分のスペースを用意している。利用料金は3300円で、予約は施設への電話かメールで行なう。

 チェックインは11時~16時。夜間のチェックインには対応していないので注意してほしい。チェックアウトは8時~10時となっている。休業日の設定はないが、臨時休業もあるのでWebサイトで確認するとよいだろう。

閉校になった小学校の校庭で車中泊ができるRVパーク 猪苗代

 各スペースには電源があり(電源利用料金はRVパーク利用料に含まれる)、スペース内であればオーニングを出したり、イスやテーブルを置くことも可能だ。また、土の上限定でたき火もOK。その際はたき火シートとたき火台の利用が必須条件となる。

 水道はあるがシンクはないので調理などに使うのは避けること。手洗いや水汲み用と思った方がいいだろう。「RVパーク利用時に出たゴミ」は分別後に捨てられるようゴミ箱を用意してあり、ゴミ処理は利用料金に含まれる。ゴミ処理代を取っていないので、くれぐれも持ち込んだ家庭ゴミなど捨てないようマナーを守りたい。

 トイレは校内にあり男女別。また、校内にはシャワールームもあって(男女別)、これもRVパーク利用料に含まれる。

校舎前の駐車スペースがRVパークに設定されている

歴史ある建築物を再利用するRoots猪苗代とは

 RVパーク ルーツ猪苗代は2006年に閉校になった小学校の校庭を利用するものだが、無人の学校に泊まるというわけではない。学校施設自体は地元の工務店である株式会社ルーツが管理し、リノベーションされた校舎内は「家づくりと暮らしの学校」というテーマのもと、「家」「暮」「食」「感」「庭」「遊」の項目にあう個性的な店舗が入る「Roots猪苗代」という複合施設として活かされている。

 さらにこの施設から道路を渡ったところには、Roots猪苗代のレイクエリア(猪苗代湖に面している)もあり、こちらにもテーマに沿った店舗が入っているという具合だ。

 ちなみにレイクエリアの建物は明治の時代に猪苗代湖の水を揚水していたポンプ施設をリノベーションのうえ活用。スクールエリア、レイクエリアともに歴史ある建築物が使われているのがRoots猪苗代の大きな特徴だ。

 スクールエリアの定休日は火曜と水曜。営業時間は11時~17時。レイクエリアの定休日は水曜で営業は11時~17時となっているので、RVパークの利用だけでなくRoots猪苗代の店舗も行ってみたいという場合は日程に注意すること。

日本で4番目に広い湖の猪苗代湖。水質もいいことから夏には湖水浴や水上スポーツ、釣りなどを楽しめる
磐梯山にも近く冬はスキー、夏は避暑や登山でにぎわう。また温泉の源泉が多くあるので温泉地としても有名だ
磐越道の猪苗代磐梯高原ICを降りて猪苗代湖方面へ。猪苗代湖にあたったら国道49号線を左に曲がり、数分走ると左手にこの看板が見える
閉校になった山潟小学校(山潟幼稚園が併設されていた)。手前が校庭だった場所で現在は駐車場として利用される
閉校、閉園の記念碑。小学校は133年、幼稚園は40年の歴史があったと書かれている。そんな場所での車中泊ができるというのは不思議な気持ちもあり、ワクワクするところもある
地元の「Roots工務店」によって改装され「Roots猪苗代」という個性的な複合施設となっている。Roots工務店代表の長谷川氏は21歳のときに北米最高峰デナリに登頂し、日本人で初めて山頂からのスキー滑走に成功した人物。その後、家業である工務店を継ぎ、ログハウス建設を軸としたRootsへと展開した
Roots猪苗代は家族が長く幸せに過ごせる暮らしのための、アイデアやアイテムを提案する複数のショップによって構成されている。ショップそれぞれにこだわりがあるのでお店をまわってみるのもおもしろい
RVパーク利用時の受け付けでもある「KUUHAKU」は暮らしにアートを盛り込むことを提案するショップ
ギャラリースペースも設けられていて、現在は猪苗代をテーマにした写真の個展が開催されていた
500色もの色鉛筆が用意されている「絵描き」のコーナー。小部屋を活用したもの
自由に使用して自由に描いていい。描き終えた絵は机の上にあるポストへ入れると、あとで来場者が閲覧できるようファイリングされる
校内を改装したショップが並ぶ。廊下の天井にある古いスピーカーが小学校だったときの面影を残す
職員室と校長室を改装した「Cafe entotsunoki」店長はハーブの専門家とのことで、チコリというハーブを使うソフトクリームやチコリのコーヒーなどある
フードメニューではオリジナルスパイスを使ったカレーが人気だが、同時にトマトケチャップのみを使ったナポリタンもファンが多いとのことで昼食として注文。調味料を使わずケチャップを炒めたのみの味つけは、独特のあまみも感じてこれまで食べたことないナポリタン。とても美味しかった。上に掛けられているのは砕いたアーモンド
校舎一階の奥には観賞用の植物を扱うグリーンショップ「Tumugi garden」が入っている。店舗での販売のほか、庭造りの相談や作業なども請けている(地元が対象)
校舎2階へ上がる階段。小学校なので段の高さが低く、大人が上がると違和感がある。でも、それだけ使う人にあわせて作ってあるということに改めて感心する
2階にあるのがインテリアショップ「LifeStyle shop」。こちらでは長持ちする素材を使った家具や道具を扱う。使う人と一緒に年代を重ねることができるアイテムを探しているなら一見の価値あり
隣はRoots工務店のショールーム。ログハウスの関する資料や工務店が扱っているログハウスのモデルルームなどある
校庭の脇にあるのが「グロンボロンの森 Play Park」。ここは子供が「自分の責任で自由に遊ぶ」ことをテーマとしたスペース。禁止事項を極力設定していないが、これはなにをしてもよいではなくて、どうやって遊ぶべきかを子供が判断することを狙ったもの。毎週日曜にオープンしている
校舎裏にあった湿地を整備して水芭蕉が自生する「水ばしょうの里」。取材時はまだ咲いてなかったが、例年では4月~5月頃が見頃という。湿地の上を歩けるよう木道が整備されている
道路を挟んで反対側には、明治時代の揚水用ポンプ施設を改装したレイクエリアがある
湖面側のテラスではBBQもできる。湖畔でのグランピングも開始した
レイクエリアあるレストランの「FIKA」。店内のイスやテーブルはアウトドアギアメーカーのスノーピーク製を使用する
スノーピークと業務提携しているので同社のアイテムを扱うショップも展開する
猪苗代湖の浜辺に面したところにはフィンランド式のサウナサービスも展開している
タイプはバレルサウナと湖面側に大きな窓があるパノラマサウナがある
パノラマサウナ内から猪苗代湖を見た画。サウナは人気なので利用したい人はRVパーク予約時にサウナの予約も済ませておくことを勧める

校庭に泊まって、校舎内でシャワーを浴びる

 Roots猪苗代の駐車スペースを2台分占有できる設定のRVパーク Roots猪苗代。駐車場自体はかなり広いのだが、電源確保の都合で3台分をRVパークのスペースとして用意している。

 スペースのサイズをメジャーで計測してみると横幅が約260cmで縦は約450cmといったところ。N-VANなら余裕だが車体が大きいキャンピングカーでは長さ的に厳しいこともあるので、大きめのクルマの方は予約時にその旨を伝えること。大きめのクルマを駐めても問題ないスペースを案内してくれるそうだ。

RVパークに設定されているのは校舎側の駐車スペース
2台分のスペースで1区画という設定。1区画の横幅は約260cm。長さは約450cm。スペースに収まるならサイドオーニングを張ったりテーブルを外に展開するのはOK
手前は芝生で、クルマの乗り入れはもちろんイスなどを置くこともNG
区画を斜めから見た。Roots猪苗代の営業時間は11時~17時。この時間帯はRoots猪苗代の店舗のお客さんのクルマがまわりに駐まるので、テーブルやイスを広げるようなキャンプ的な行為はまわりの視線的にちょっとしにくいかも。そうしたことは閉店後の17時以降にするのがよさそうと感じた
クルマの後ろは駐車場の通路。ほかのクルマが通る際のことを考えて枠からはみ出さないこと
このクルマはRoots猪苗代の社用車。ミニバンだと長さはこのような感じになる。全長が長いクルマの場合は、枠からはみ出してもほかのクルマの通行に影響のない体育館側に駐めることもあるという
電源は校舎から延長コードで引いてくる。受け側は2極タイプなので延長コードがアース付きの3極プラグの場合はアダプターを用意すること

 トイレは校舎内にあって24時間利用可能。校舎には店舗や事務所が入っているので営業時間が過ぎるとセキュリティが設定されるが、RVパーク利用者には校舎への入り方が伝えられる。

 シャワールームも校内にあり、こちらは簡易的なものでなく専用の部屋が設けてあり、入室すると小上がりになった脱衣所と2つのシャワーブースがあった。

 シャワーは専用の給湯器からお湯を供給しているので、使用前はブースの壁にあるコントローラを操作して給湯器を作動させる。家庭にある給湯器コントローラと同じなので操作は簡単だ。使用後は消すことを忘れないように。

 RVパーク3台分のところに、男女別のシャワールームが用意されているので、すべてのスペースが埋まっていてもシャワーの待ち時間はあまり発生しないのではないだろうか。これからの季節、汗をかくことも増えるので、シャワーが利用しやすいのはうれしい。

きれいに手入れされた男性用トイレ。夜間の利用ももちろんOK。
個室は2つあり、どちらも洗浄便座つき
男性用のシャワールーム。脱衣所には鏡と洗面台がある。ドライヤーも置かれていた
シャワーは2基ある。利用できるのは17時~翌9時。寝汗もかく季節は朝にシャワーが使えるのはうれしいところ
外水道はあるが基本水汲み用なので調理などでの使用は避けること。洗い物をするときは食べ残しなどを流さないように注意する
17時以降になると夜間出入り口にゴミ箱が用意される。Roots猪苗代周辺は鳥や獣もいるので屋外にゴミを置くとそれらが寄ってくることもある。付近の山には熊もいる(施設周辺に出たことはない)ので、野生動物を引き寄せてしまうこともあるゴミの処理は念には念を入れたい
たき火OKだが、たき火シートとたき火台の利用が条件。また、風が強いとき(目安として風速5m以上)のときはたき火をしないよう呼びかけている。風速の目安以下であっても火の粉が飛び散って危ないと感じたら消すようにしたい
薪は持ち込みOKだがレイクエリアで販売もしている。レイクエリアからRVパークのスペースまでそれなりの距離があるので、重い薪を手で持っての移動は大変。到着時に立ち寄って購入しクルマで運ぶのがいいだろう
磐越道のICを降りて右(街中方面)に向かって少し走ると道路沿いにスーパーマーケットがあるので、飲み物や食材はここでも調達できる
取材日の夜は風が強かったのでたき火は中止。しかも寒かったのでほぼ車内で過ごした。校舎に明かりが点いているがトイレやシャワーの利用があるので夜間はずっと点けてある
たき火の灰はグロンボロンの森にある直火のたき火スペースへ捨てる。たき火スペースでのたき火もOKだが、風の見きわめはたき火台の利用と同じ

 以上がRVパーク Roots猪苗代の概要だ。猪苗代エリアへの観光目的での利用もいいが、Roots猪苗代のショップやサウナも旅の目的としては十分に価値があるので、宿泊日は早い時間に到着して夕方まで施設を楽しむというのもいいだろう。

 猪苗代周辺は5月に入ってからが桜が見頃になるそうなので、花見がしたい場合は連休を利用して出かけてみるのもいい。校庭には桜の木もあったので、車中泊と一緒に夜桜見物もできそうだ。

小学校だけに校庭には桜の木もある。5月頃が見頃という
こちらはあじさい。夏頃に色とりどりの花が咲く
学校の風景も載せておく。体育館もあるが老朽化が激しく耐震性も確保できていないので立ち入り禁止になっている
野球のバックネットあと。大勢の小学生がここで遊んだのだろう
校舎の裏には樹齢3ケタはあろうという大きな木が立っている。学校の歴史を語るものだ。木の向こうはJR東日本の磐越西線。2両編成の列車が走っていた
校舎の後ろの山から朝日が昇る。夕陽は猪苗代湖側に沈むので天気がよければ湖畔に夕陽を見にいくのもいい
学校名と時計はまだ残っている。そして時計は「授業開始時間」あたりで針が止まっている。偶然だと思うが、小学校の歴史は区切りが付いたが「暮らしと家づくりの学校」として復活しただけに、学び舎としてはまだまだ現役と言っているように思える