ハワイ現地発

【ハワイ現地発】オアフ島在住編集者オススメのハワイ島ステイ ~完結編! ビーチ・ランチ・観光・お土産はズバリこれ!~ Vol.3

 ハワイ島シリーズ第3弾。締めくくりとして、ビッグアイランドでお勧めのビーチ、ランチ、観光、お土産を紹介したい。

 まずはビーチ。溶岩台地に覆われたハワイ島ならではの黒砂ビーチやグリーンサンドビーチが有名だが(漆黒に輝く黒砂ビーチは一見の価値はあり!)、やっぱりビーチといえば心躍るのは白砂。カイルア・コナから行きやすいイチ押しビーチなら、クルマで30分弱にあるクアベイ(マニニオワリビーチ)へ。10年以上前にハワイ島住民が案内してくれて以来大好きになったビーチだ。

観光客と地元の人が集まるクアベイ
シャワーもトイレも完備している

 細かい白砂の感触が素足に気持ちよく、抜群の透明度の海はため息が出るほどの美しさ。駐車場は小さいが道沿いに停めることができ、シャワーもトイレも完備している。

驚くほど透明度が高い

 岩場があるので魚もいてスノーケリングも楽しめる。大きなホヌ(海亀)も悠々と泳いでいた。かつては地元の人が多かったようだが、今では観光客の割合も高かった。全米ナンバー1に選ばれたビーチは、カイルア・コナからクルマで約45分のハプナビーチという広いビーチだが、個人的にはこぢんまりしたクアベイに1票! ちなみにカイルア・コナの街のなかにもカマカホヌビーチなど小さなビーチがいくつかあり、ホテルの滞在客などはこの辺りでくつろいている。

カイルア・コナの北寄りのあるカマカホヌビーチ

 そんなビーチで食べるランチは格別。ランチをピックアップしてビーチへ持っていけば、低コストで最高のランチとなる。ハワイ島は、多くの住民が釣りを楽しむフィッシュアイランド。一度はポケを食べてみよう。この島で獲れた新鮮な魚のポケを買うなら「パウハナポケ」へ。コナのコストコの近くにある小さな店で、昼時に行ったらかなり混雑していた。

コストコの近くにある「パウハナポケ」
さまざまな味付けのポケと付け合わせが並ぶ

 付け合わせを2~3種類を選べ、ライス1スクープとポケ1種類の場合は16.99ドル。ライス2スクープとポケを2種類入れるなら21.99ドル。一度冷凍した魚で作るポケとは、弾力と旨みがまったく違う。付け合わせは豆腐ポケ、海藻サラダ、オニオンピクルス、マカロニサラダ、キムチなどバラエティに富んでいて、ポケと合わせて多様な味わいとなるのも魅力。

ポケ弁当。新鮮なポケと付け合わせでフレーバー豊かなランチに

 王道派なら、魚介を中心とした料理を提供するレストラン「ウメケズ・フィッシュマーケットバー&グリル」。店内の一部で持ち帰り用のポケを販売している。

「ウメケズ」レストランの入り口。右サイドには持ち帰り専用の入り口もある
種類豊富で迷うが、ガーリックサーモンをぜひ!

 迷ったら味見をさせてくれるので遠慮なく尋ねよう。マストオーダーは、ハワイを代表する魚なのでアヒ(マグロ)。もう一つはサーモンにほんのりガーリックを効かせたフレーバーを選んだら大正解だった。量り売りで、適量は2人ならハーフパウンドを2種類で十分。ご飯に乗せてポケ丼にしたり、韓国海苔にポケを乗せて包んで頬張ったり、食べ方はいろいろ。ハワイのロコの定番スタイル、トルティーヤチップスでポケをすくって食べるとビールが止まらなくなるので気を付けて!

ハーフパウンドを2種類。2人ならこれで十分
ご飯、海苔、チップスにのせて味わおう

 さて、観光をするなら……。島南部の観光は初日に行ったので、次は北部を目指してみよう。目的地はカイルア・コナからクルマで約55分のワイメアとホノカアの街。ワイメア(ハマクアとも呼ばれる)は広大な牧場が広がるハワイ島第3の街。なだらかな起伏のなかにあって、カウボーイ(ハワイ語でパニオロ)の文化が根差し、独特の空気感が漂っている。

パニオロの像が目印の大きなショッピングセンター「ワイメアセンター」があり、レストランや買い物ができる

 このエリアは標高が高く涼しいため、美味しい野菜が収穫できる。ハマクアマッシュルームやワイメアトマトが有名でオアフ島でも買えるが、高価なので、ぜひこの地で採れたてを味わいたい。主要なファーマーズマーケットが行なわれている土曜の午前中に訪れるとベストだろう。今回は日程が合わなかったので、ドライブの休憩にぴったりのコーヒーショップに寄ることに。ハワイのコーヒーを味わえる店がパーカースクエアのなかにある。

1970年創業の「ワイメアジェネラルストア」ではお土産にぴったりの雑貨が揃っている。
地元の人がおしゃべりにコーヒーを飲みにくる「ワイメア・コーヒー・カンパニー」

 「ワイメア・コーヒー・カンパニー」は創業以来25年、地元に愛されてきたコーヒーショップ。数々の賞の受賞歴をもっている。

コーヒー豆やTシャツなどを販売している
フレンドリーな接客が心地いい

丁寧に淹れてくれるハワイ島のコーヒーを、プアオーバー、エスプレッソ、カフェラテ、カプチーノなどで楽しむことができる。ベーグルサンドも絶品だし、クッキーなどの自家製スイーツも含め、コーヒーに合うものがショーケースに並ぶ。コナコーヒーに限らずハワイ島の多種多様なコーヒー豆も店内で販売している。

スチームミルクがまろやかなカフェラテ(Sが5.50ドル、Mは6.30ドル)
手作りクッキーは厚さ3cm! コーヒーにピッタリだった

 ワイメアには、ハワイ・リージョナル・キュイジーヌを牽引したシェフの一人、ピーター・メリマン氏のレストラン「メリマンズ」もあり、地元で採れる野菜や店の前で育てるハーブを巧みに使った料理を味わえる。

なだらかな丘陵地帯のワイメアにあるレストラン「メリマンズ」

 次に目指すのはホノカア。緑のなかを、島の北東部に向かってさらに20分ほどドライブ。

前に見える車の大きさと比較すると道路脇の木々の高さが想像できる

 ホノカアを知ったのは、この街が舞台となった2009年に公開された映画「ホノカアボーイ」を見たのがきっかけだった。日系人の歴史が息づくローカルタウンで、ゆったりとした時間の流れを感じる素朴な街。15年ぶりに訪れたが、非常に静かでノスタルジックな雰囲気に包まれていた。映画にも登場した「ホノカア・ピープルズ・シアター」も健在で、1930年の創業以来、今も映画館として現役であることを思うと感慨深い。クルマを停めてこの道をのんびり歩いてみよう。

日系人の名前が付けられた建物が道の両側に並ぶホノカアの街並み
街のシンボルのような存在「ホノカア・ピープルズ・シアター」

 ホノカア散策のあとは、先ほどお茶したばかりであっても「テックス・ドライブ・イン」へ。大きな四角いマラサダ(1.30ドル)を頬張るのも鉄則だ。

店の前にはテーブル席がある
窓越しにオーダーして支払いを

 キッチンで手作りしているところを、窓越しに覗いてみよう。揚げたてのふわふわのマラサダは、心もお腹も満足させてくれる。

キッチンでマラサダを作っているところを見られる
手のひらサイズに近いほど大きな四角いマラサダ

 ここら辺で切り上げてカイルア・コナへ。ハワイ島は日本と違って、道路照明が格段に少なく、とにかく暗い。自分で運転する場合は陽が沈む前にホテル(コンド)に戻ろう。

 さて翌日。ハワイ島を発つ日。お土産を買うため、毎回必ずバリーおばさんのクッキー「ミセスバリーズ・コナクッキーズ」に寄ることになっている。外観を見ると、ハワイあるあるの「営業しているの?」と不安になるが、ドアを開ければ「ハロ~!」と明るく迎えてくれる。

味気ない店構えなので、分かりづらいかもしれない。目の前に駐車できる

 1978年、ホノカアで行なわれたマカダミアナッツ・フェスティバルで、バリーおばさんが自分のレシピで作ったクッキーが優勝したことから、この店が生まれたという。

クッキーが並べられたカウンター
好きなフレーバーを1枚ずつ買うこともできる

 家庭のレシピなので添加物などを含まないシンプルなクッキーで、マカダミアナッツやチョコレートチップなどがゴロゴロと入っている。ハワイの家庭の味わいは、食べるたびにほっこりした気持ちになる。迷ったら12種類の違う味が入ったアソート袋(14.55ドル)を。

自分用にもお土産にも、12種類の味を楽しめるアソート袋(14.55ドル)

 ホテルやコンドミニアムをチェックアウトし、お土産も買い、それでも飛行機に乗るまでに時間があったら、軽くハイキングはいかが? クッキー店からも近く、空港までクルマで10分というロケーションにある国立歴史公園「カロコ・ホノコハウ」。ハワイアンの人たちがどのような暮らしをしているのかをうかがい知ることができる。

駐車場の近くから見える景色。5分ほどで近場を見て回れる
ビジターセンターでは資料が展示されているほか、お土産も販売していた

 ハイキングコースは7.2kmくらいあるのだが、出発時間に合わせて溶岩台地を見ながら20分くらい歩くだけでも興味深い体験になる。

海を前に、ハワイアンの暮らしを垣間見ることができる
溶岩台地のなかを歩くハイキングコース

 とうとう出発の時間。名残惜しい気持ちとともに、ハワイ島の人々の温かさと、強さと静寂さをあわせ持つ自然のエネルギーをたっぷりとチャージしたことを実感するだろう。訪れるたびに新たな発見を与えてくれるハワイ島。ありがとう!

 まだ行ったことがないあなた、一度行ってみてほしい。

太陽が沈むと、大きな空に無数の星が瞬くのを見ることができる
大澤陽子

ハワイで発行している生活情報誌「ライトハウスハワイ」編集長。日本ではラジオアナウンサー、ライターとエディターとして活動。2012年にハワイへ移住。新聞やハワイのガイド本などの編集に携わる。ハワイのビーチとビールをこよなく愛している。